Festina Lente2

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「スーパーマン・リターンズ」

スーパーマンが帰って来た。傷ついてボロボロになって。
故郷の星が一目見たかった。同胞に巡り会いたかった。
でも、叶わなかった。
育ての親は待っていた。息子が帰ってくる日を心待ちにしていた。
傷ついた息子の心の支えは、この母だけでは満たされなかった。


側にいて欲しい人、永遠の恋人を求めて
古巣へ帰るクラーク・ケント
いつものように、とぼけた感じで、実はドキドキで
どうしていいかわからずに、彼女の前でめがねを外す事もできずに
思いのたけを打ち明ける事もできずに、
彼女の周辺を飛び回る事しかできない。


実は彼女も待ち続けていた。別れも言わずに姿を消した人。
誰も知らない、秘密の想い人、我が子の実の父親。
自分だけの恋人にはなれない、運命の人。
待っても待っても待っても無駄、たとえ帰ってきても
自分だけの恋人には出来ない、永遠のヒーローを諦めて
心の安らぎを持とうとした。


Wish You Were here 
あなたに ここに いてほしい

Wish You Were Here

Wish You Were Here


あの人は、みんなに優しい。私にもそう。だから・・・
自分だけの恋人にはなれない。
そんな気持ちが、記事を書かせる。
「どうしてスーパーマンは必要ないか」
誰よりも必要としている、その人の存在を理論尽くめで、
消してしまいたい。忘れてしまいたい。


同棲している婚約者は、昔の恋人が忘れられないらしい。
でも、その気持ちを責める事は出来ない。
愛する人の心の中の思い出に、土足では踏み込めない。
好きだから、彼女の気持ちが落ち着くまで、せめて側にいたい。
自分にできる範囲で、彼女とその息子を守り育てたい。
でも、彼女のパソコンのパスワードは家族の誰でもない、
彼女が忘れられない永遠の恋人、その人。


息子共々窮地に陥り、家族全員、海の底に消えようとする。
敵に残酷なほど痛めつけられ、無残に冷たい海に沈んでいく。
命を落とす事も辞さず、自分の責務を果たして墜落していく。
精も根も尽き果てて眠り続ける。
せめて真実を打ち明けてしまいたい。
人々は祈る。彼の復活を、静かに見守る。
誰もが思う、それぞれの想いの強さと深さで。


Wish You Were here
 あなたに ここに いてほしい


「いつか、会える?」「いつでも(お望みとあらば)」
そんなふうに言ってくれる人が、いればいいね。
「スーパーマン」でなくてもいいの。
側にいてくれるのであれば、見守っていてくれるのであれば、
そんなふうに支えてくれるのであれば、・・・満たされるものなのよ。