Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

白沢

 http://www.eisai.co.jp/museum/history/0100/sub0100.html

珍しく眠い、というか、ブログは少々寝不足の元でもある。
かつての過覚醒の日々を経て、
自分の気持ちや意見、妄想の類を
支離滅裂ながらも吐き出してみると、
ちゃんと体が疲れて、眠気を誘ってくれるものらしい。
うん、いい事だ。眠くなるという事は。
眠りたくても寝られないのではない、眠くなる事ができる
この心地よさ。(娘と手をつないで)


せっかく1日の講習で覚えたブログを続けてみようと
毎日書いてみて、当座の目標1ヶ月は目前。
何とか頑張ってみよう。


さて、少々体調・健康に関する事で思い出す事がある。
1年経ったので、もう解禁にしよう。
去年の夏の事だ。我が家が嵐に見舞われて飛んでいきそうになった
その嵐の前の静けさにも似た、夏。
私は同じ夢をしょっちゅう見ていた。白沢の出てくる夢だ。


我が家の白沢は娘が生まれる前、まだ四国に住んでいた頃、
善通寺にお参りした時に貰ってきたものだ。
赤ちゃんが欲しかった私は、願もかけたし、
暗闇の中での戒壇巡り(いわば胎内巡り)も経験した。
(それから2ヵ月後に妊娠がわかり、嬉しかった)


何故か去年は、何度も同じような、白沢の出て来る夢を見た。
病魔除けに貼ってある、白沢が(怖くない)人間の姿で出て来て、
「大丈夫か、死ぬな、しっかりしろ」とずっと呼びかけてくる夢だ。
どういうわけか、夢の中では富士山が噴火していて、
私は熱風で体中に火傷を負って
声も出ず、髪もちりちりになり、熱くて熱くて苦しくて・・・
・・・場面が変わって、臥せっている私の横に、白沢がいる。
そしてこう言うのだ。
「長引くが治る。気を強く持て。死ぬな」


夢の中の見知らぬ男性が、どうして白沢なのかは、
大好きな小説(しゃばけシリーズ)の白沢の影響かもしれない。
でも、夢の中とはいえ、重症の私に付き添ってくれるのは嬉しい。
いや、そういう問題ではなくて、
何故、同じような夢を見続けたのだろうか。


それは何か理屈ではない、不思議な知らせだったのだろう。
怪談でも、霊感でも、どう表現していいかわからないけれど、
虫の知らせ、第6感の類だったのかもしれない。


夏の終わり、私は本当に声が出なくなり、病休を取った。
そして、続けて、病に倒れた家人のために介護休暇を取った。
熱風は現実の生活の上を、家人の命の上を吹き荒れていった。
私は夢うつつに、白沢の声を幾度となく聞いた。
あれから、1年・・・。
白沢はもう、夢には出てこなくなった。叫ばなくなった。


我が家に貼られている白沢は、何かを伝えたかったのだろう。
きっと、出来るだけのことをしようとしたのだろう。
私たちを、守ろうとしてくれていたのだろう。
今でも、きっとそうなのだろう。
今、白沢からの知らせ、呼び声が無いのは、いい事なのだ。


この2、3日、悲惨なニュースが多い。
死にまつわるニュースは、命のやり取りが続いた日々を
否が応でも思い出させる。
それは、私にとっては間接的な生命の危機であり、
直接的には精神の危機だった。
いわば心身がmelt downする寸前だった。
毎日35度近い猛暑の中で、一瞬夢と現実が交錯する。
富士山の噴火、熱風渦巻く中に立っていた自分。
側にいた白沢。
今だから言える不思議な思い出。

しゃばけ しゃばけシリーズ 1 (新潮文庫)

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ぬしさまへ しゃばけシリーズ 2 (新潮文庫)

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