妄想与太話・青春のBGM
「スーパーマン・リターンズ」のクレジットで
「クリストファー・リーブ夫妻に捧ぐ」という献辞を見たせいか、
昔の思い出をたどりながら
物思いにふける事が多いこの数日である。
何しろ、私の学生時代の思い出の映画・アニメは、
とりもなおさず「青春タイムトリップ」装置みたいなものだからだ。
端整で筋骨たくましく、それでいて野性味よりは知性を漂わせている
リーブ演じるクラーク・ケントことスーパーマンは、
ちょっと以前に流行ったヨン様よろしく眼鏡で変装しながら、
日夜平和を守っている。
あのテーマ曲を聞くと、元気で正義感一杯の単純明快な
アメリカ精神丸出しという感じがする。
あのあっけらかんさがたまらない、というか、
とにかくわくわくするのだ。さすがジョン・ウィリアムズ!
という感じの有名な主題曲がかかった瞬間、
いわゆる「ヒーローものツボスイッチ」が
入ってしまうというところか。
現在上映中の「スーパーマンリターンズ」が人を呼び込めるのも、
リーブの創り上げたスーパーマンのイメージと主題曲のお陰である
と言っても過言では無い。先行している映像と音楽が
確たるイメージをファンに与え続けている限り、
ちょっと?な仕上がりでもファンは集まるだろう。
- 作者: デイナリーブ,Dana Reeve,岡山徹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2001/01
- メディア: コミック
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それは、アニメ映画になった「宇宙戦艦ヤマト」が、
多くのファンを???な気持ちにさせながらも、
テレビで培われた「ヤマトだましい(ファン根性)」に火をつけ
映画館に通わせたのと同様である。
作曲者の宮川泰氏は今年3月に亡くなっている。
多くの歌謡曲を生み出し、娘の好きな子供番組「クインテット」の
ピアニスト・アキラのお父上であられるが、
何と言っても私にとっては「宇宙戦艦ヤマト」の作曲者。
「さらば地球よ、
旅立つ船は宇宙戦艦ヤマト♪」で始まるあの名曲は、
地球環境にそっぽを向いている、ガミラスアメリカに
対抗できない京都議定書地球防衛軍の士気を高めるには
これしかないというくらい、悲壮感に満ちていて、
愛国心ならぬ愛地球心をかき立てる。
ガミラスアメリカは産業廃棄物を山ほど出し、
オゾンホールをあけまくっても、
スーパーマンがどうにかしてくれるのではないかと
本気で信じているような楽天的なお国柄だ。
おまけに現在の日本の人的資源は枯渇しているから、
「男達の大和」を現在の若者に託すのは難しい。
責任や自己犠牲という言葉を辞書に持たない
ゲーム感覚で出発するニートプレスギャング強制労働軍には
「さらば地球よ的ロマン」に、放射能除去装置の探求どころか
異星人との異性的交流ロマンしか望まないかもしれない。
そう簡単にイスカンダルも、スターシャも見つかりはしない。
21世紀、現実のカンダハールも
ガミラスアメリカのお陰でぼろぼろではないか。
青春BGMからオタク妄想は渦巻く。
しかし、音楽だけは名曲だ。それは間違いない。
世代を超えて時代を超えて、受け継がれていってほしい、
名画・名曲。そして、BGMと共にあった、私の青春。
私の思い出。