Festina Lente2

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妄想与太話・青春のBGM

スーパーマン・リターンズ」のクレジットで
クリストファー・リーブ夫妻に捧ぐ」という献辞を見たせいか、
昔の思い出をたどりながら
物思いにふける事が多いこの数日である。
何しろ、私の学生時代の思い出の映画・アニメは、
とりもなおさず「青春タイムトリップ」装置みたいなものだからだ。


端整で筋骨たくましく、それでいて野性味よりは知性を漂わせている
リーブ演じるクラーク・ケントことスーパーマンは、
ちょっと以前に流行ったヨン様よろしく眼鏡で変装しながら、
日夜平和を守っている。
あのテーマ曲を聞くと、元気で正義感一杯の単純明快な
アメリカ精神丸出しという感じがする。
あのあっけらかんさがたまらない、というか、
とにかくわくわくするのだ。さすがジョン・ウィリアムズ! 
という感じの有名な主題曲がかかった瞬間、
いわゆる「ヒーローものツボスイッチ」が
入ってしまうというところか。


現在上映中の「スーパーマンリターンズ」が人を呼び込めるのも、
リーブの創り上げたスーパーマンのイメージと主題曲のお陰である
と言っても過言では無い。先行している映像と音楽が
確たるイメージをファンに与え続けている限り、
ちょっと?な仕上がりでもファンは集まるだろう。

スーパーマンへの手紙 (講談社シネマブックス)

スーパーマンへの手紙 (講談社シネマブックス)


それは、アニメ映画になった「宇宙戦艦ヤマト」が、
多くのファンを???な気持ちにさせながらも、
テレビで培われた「ヤマトだましい(ファン根性)」に火をつけ
映画館に通わせたのと同様である。


作曲者の宮川泰氏は今年3月に亡くなっている。
多くの歌謡曲を生み出し、娘の好きな子供番組「クインテット」の
ピアニスト・アキラのお父上であられるが、
何と言っても私にとっては「宇宙戦艦ヤマト」の作曲者。


「さらば地球よ、
   旅立つ船は宇宙戦艦ヤマト♪」で始まるあの名曲は、
地球環境にそっぽを向いている、ガミラスアメリカに
対抗できない京都議定書地球防衛軍の士気を高めるには
これしかないというくらい、悲壮感に満ちていて、
愛国心ならぬ愛地球心をかき立てる。
ガミラスアメリカは産業廃棄物を山ほど出し、
オゾンホールをあけまくっても、
スーパーマンがどうにかしてくれるのではないかと
本気で信じているような楽天的なお国柄だ。


おまけに現在の日本の人的資源は枯渇しているから、
「男達の大和」を現在の若者に託すのは難しい。
責任や自己犠牲という言葉を辞書に持たない
ゲーム感覚で出発するニートプレスギャング強制労働軍には
「さらば地球よ的ロマン」に、放射能除去装置の探求どころか
異星人との異性的交流ロマンしか望まないかもしれない。
そう簡単にイスカンダルも、スターシャも見つかりはしない。
21世紀、現実のカンダハール
ガミラスアメリカのお陰でぼろぼろではないか。


青春BGMからオタク妄想は渦巻く。
しかし、音楽だけは名曲だ。それは間違いない。
世代を超えて時代を超えて、受け継がれていってほしい、
名画・名曲。そして、BGMと共にあった、私の青春。
私の思い出。