Festina Lente2

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雨降って地固まるのかな

世間は「慶事じゃ、万歳」とかまびすしい。
めでたくない事は無い。子供の誕生はいいことだ。
まあ、どこぞの生命保険会社が分析して「経済効果1500億円」って
算盤をはじいている。だから、それに便乗しなくてはって感じで
あちこちのチャンネルで、テレビが報道する、報道する。
嫌でも、ニュースで聞いちゃった、見ちゃったっていう1日だった。

しかし、超高齢出産で、二人目不妊に等しい立場で、
結婚前も結婚後も、色々、世間様の風当たりというものを
いやというほど経験して来た身としては・・・、
手放しで喜べないのが、実際の所だ。
それよりも、12人も医師を確保して出産に臨めるのね、
ふーん、贅沢って思ったり、始業式遅いんだね、学習院って
感じたり、赤ちゃん一人に305万円も予算が付くんだ、
経済的な心配しないで子供が産めるっていいなあ、とか。
そんなことの方が、今回は正直な感想だった。
職場では、教育関係上、お金に関してはせちがらく
色々取り扱わなくてはならない問題が、山ほどあるから。


今回のことでは、色んな立場から意見が出せると思うけれど、
どんな立場から物事を受け止めて考えるべきなのか、
ロールプレイ、シミュレーションしなくちゃいけないと
思ってしまうのは、職業病か。
(うん、だから、手放しで喜べないんだなあ)
とにかく、何でもかんでも後継者問題に直結しないで、
親子の時間が持てるといいねえ。家族側からすれば・・・さ。


職場で若者たちは「皇室? 興味ないし」
帝王切開って痛いよね」(麻酔かけるんだけれど・・・)
「将来、赤ちゃん産む時、側に付いていて欲しい(もしくは絶対イヤ)」
等などチラホラ意見があった。でも、殆ど女の子の発言。
男の子たちはあんまり・・・っていうか、
同僚でも男性発言は・・・皆無に等しい。
どうしてこういう場合に、自分の意見は絶対言わないで、
何も無いって感じでいるのかなー? 構えているのかな?
女性職員は、多少「やっぱり男の子だったんだねー」って感じ。
それから、「もう愛子ちゃんは天皇になんかならないで
のびのび大きくなって、好きな人と結婚できるから良かったね」って
いう感じの意見も多かったなー。
世間で大騒ぎしているほどではなかった。


勝ち組負け組み論争、皇室典範云々の話題もあるけれど、
仲間内では、不妊治療中の家族に関わりを持つ人もいるので、
もしかするともしかして、結構この件に関して、影響は無視できない
なんて考えてしまう。いや、実際そうなのかも。
自分が不幸せであるとか、満たされていないとか、欠けていると
感じている、感じてしまっている人間が、
どうにかこうにか、親子・きょうだい・夫婦の問題を
根底から見つめなおそうとしている時に、治療が絡んだ状況で
他人の慶事を素直に受け止められるっていう事は
ものすごいことだからね・・・。


一概に人間性の問題だからって、片付けられることじゃない。
子供が持てない辛さと、自分がどんな夫婦関係、
人生を選択しようとしているかを、他者との比較で捉えようとすると
もう、限りなく泥沼にはまってしまうから。
心が弱っている時ほど、泥沼に足を取られてしまうから。
そんな危惧を想定してしまい、考えてしまう。
直接自分が関わっている仕事ではなくても、
全く自分に関係ないことではないから。
気になってどうしようもないんだなあ。


だから、出産報道テレビから離れて久しぶりにBSを観た。
「ボウリング フォー コロンバイン」http://www.gaga.ne.jp/bowling/
カンヌで賞を取った、知る人ぞ知るドキュメンタリー映画だ。
うん、この出産報道を情報操作だなんて弾劾追及する気は無い。
ただ、こういう報道の波に、飲み込まれる押し流されるのが
嫌なんだなあ、どうしても。
で、6才の男の子が6才の女の子を射殺した事件の背景、
銃社会アメリカを、突撃インタビューで組み立てた
ドキュメンタリー映画に、没頭していた夜でした。
(宵っ張り娘にはブーブー言われたけれど)


そう、ノンポリでちょっとばかり非国民的なママだけれど、
惨事ばかりじゃなく、たとえ慶事でさえも、
人心を惑わす事があるということを、知っている年齢なんだ。
ごめんね、「トリビアの泉」見せてあげなくてさ。
それより、君はもう寝る時間だよ。お休み。