9/27（水）入院6日目

日記はやっと、リアルタイムに追いついた。リアルな独り言に。
幸い、点滴が抜けても熱発なし。完食。
痛みはあるが、歩くに支障なし。
入浴・シャワーは、まだ許してもらえない。
（出産時でも、２日目からシャワー可だったのになあ･･･）
最初のルート確保の点滴跡は、48時間経っても腫れて瘤のまま。
右手首が腹部と同じくらい痛い。なんてこった。

外科･整形･形成･皮膚科の前には、20人ほどの人がいる。
この時刻で（21時過ぎ）、である。面会に来てくれた家人を、
送るついでに出た、１階ロビーの風景である。
患者も大変だが、医師も看護師も事務職も大変だ。
受付は閉められても、会計は開けておかなければならない。
基本的に、この病院は救急も24時間随時、という謳い文句なので、
必然的な風景と言えば、それまでなのだが･･･。

「出物、腫れ物、所嫌わず」自分もそうだったが、
いつ体の調子が悪くなるか、こればかりはわからない。
私自身、通院・点滴・服薬だけで抑えられるかと思ったけれど、
痛みはひどくなる一方で、血液検査の結果で観念したわけだし。
70半ばを過ぎた両親に、逐一　世話して貰う訳には行かない。
孫の食事の世話なら、止むを得ずお願いするが。
自分で車を運転し、家人と連絡を取り、職場に届けを出し、
一番考え事も読書もできる場所、病院。いや、治療の場所･･･。
まるで、緊急退避。アジールだ。

不快感はあるが激痛は既に無い。みぞおちから左腹部にかけて、
引き攣れた重石がのっかっている気分。
この程度の痛みなら、おそらく退院しても、付き合うのは可能･･･？
ただし、じっとベッドにおとなしくしているのと、
普通に仕事に戻るのとでは差があるから、様子見が必要。
声を殆ど出さず、腹筋に負担をかけず、立つことも無く、
そんな生活も仕事もありえないから、慎重にならざるをえない。
抗生剤なしで生活して、１週間もしないうちに、ぶり返すようなら
てんでお話にならない。復帰への段取りをどうするか。
ちゃんと体力あるんだろうか、と、一瞬へたれた気分になる。

大学病院と違い、主治医が一人だけ。で、不在。今日のような日は、
看護師は何を訊いても明日。ファルダ、ファルダ、ファルダ、
どこかの国の人の口癖のようだ、全く。本当に、シャワーも？
介助の人は私が歩けるからって、足湯も使わせてくれないし、
当然、体も拭いてはくれない。点滴が抜けて、
今日は自分で拭けるけれど、ある程度までなの、拭けるのは。
黙ってシャワーに行った方が良かった？
下半身だけでも流したい。足だけでも。拭くだけじゃなくて。
軽症だから、手間暇かけてもらわなくてもいい。忙しいんでしょ。
許可だけでいいから、欲しい。

大学病院なら、抗生剤打ち切りの段階で
退院させられるような気がする。
ここはまだ満床になっていないから、大丈夫だろうけれど。
９４床。その殆どは透析の必要な高齢者が多い。
私のような年齢の患者は稀なのだ。産婦人科の別棟を除いては。
デイケアも展開しているから、PTは充実している。
透析患者にも、午前も午後もPTの先生がやってくる。
私は本日主治医が不在なので、院長回診。入院して初めて腹部触診。

そうなのだ、ずっと感じていた違和感。
ホームドクターや、今までの入院経験との差は。
夜診で来た時から、入院してからも、医師の触診･聴診が無い。
入院した日の午後、試験開腹か保存的治療か、
先生方の相談の途中で（院長･主治医･エコーの先生･もう一人）
腹部反応を診る時だけだった、触診があったのは。
痛さで喘いでいるのに、入れ替わり立ち代りで触られまくり。
脈診も打診も聴診も無い。巡回の看護師がたまに腹部の音を聴く。
私の腹部にもっとも触れたのは、入院検査時のエコーの機械だけ。
この違和感だ。今までの入院経験と大きく異なるのは。
自分の記憶の中の「診て貰ったという実感」が希薄すぎるのだ。

病院にいて、看護師や医師と、どれくらいの時間会話したか、
タイマーで計っておくと、面白かったかも。
骨折の整形外科も、帯状疱疹のペインクリニックも、
とにかくPTの時間は長かった。外来時と比べ物にならないくらい。
産婦人科では、超高齢、初産のため、当然ケアが手厚い。
つらつらおもんぱかるに、今回の内科の入院ほど、
一人で過ごした時間が長いものは、無かったのだ･･･。
ま、子供では無いので淋しいとは、言いませんよ。
検査と機器が、何の診断のためにあるかも、わかっているから。
でも、この違和感は大きい。
初めての経験。

そう、大部屋でも、みんな自分の世界に入っているから、
普通に、井戸端会議みたいに、楽しくお話できないしね。
これも、初めての経験。

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