Festina Lente2

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夢の補償作用、その後

すごい夢を見た。
北海道の氷の大地の一部が流れて、青森にくっついている。
氷の大地の住人と思しき人々が、流氷一杯の海を泳ぎながら
流れに乗せて、家ごと陸地を運んでくる。招きよせている。
いわく、向こうには住んでいられないのだと。
まるで神話の中の「国寄せ」「国引き」の様な景色。
夢の中の私は、氷の海の中にいる人が大丈夫かどうか、気が気でない。
氷の上を人々が渡って行く。家と一緒に。
「シッピングニュース」の一場面だったか、これは。
(いくらシャワーを浴びたいからと言っても、氷の海はちょっと)

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場面変わって、何故か大学の試験を山のように受けている。
単位を取らなければと思いつつ、見たことも無い科目ばかり。
夢の中で、大学の単位は全て取ったはずなのだが? と考えている。
キャンパスはどう見ても、外国だ。日本の景色ではない。
もっとも、母校も南欧風の校舎ではあったが。
寝る前に見た記事が影響しているのか。(世界の旅行博)
http://portal.nifty.com/2006/09/27/a/


いつの間にか、山全体がアスレチックのような運動場に。
さっきの氷の大地の続きなのだろうか、どう見てもスキー場。
これをてっぺんから滑ってくるのは、けっこうきつい。
昔、ゴンドラで頂上まで登って、一本超特急で滑り降りてきたら
下界で軽い高山病状態で気分が悪くなり、吐いた事があった。
夢の中で思い出している。斜面を滑り降りながら。
今、こんなにスキーができる体力は無い筈なのに、滑ってる・・・。
早朝の巡回で起こされる。夢から醒めた。


荒唐無稽な夢が増えた。睡眠時間が多いせいもある。
何しろ昼食が11時半、夕食が5時半で、消燈が9時。
ありえない、こんな生活。こんな日常。
安静だから? しかし、眠れない。読書は結構疲れる。
思うように読み進めない。文章もなかなか書けない。
というか、考える速度が落ちている。
ペンを握るよりも、キーボードを触っているほうが早く書ける。
まあ、これは変わらないが、普段より打ち間違いが多い。
しかし、作業療法ならぬ、パソコンが一番私にはリハビリ。


廊下を歩く・車椅子で移動する、ベッド上の患者のPTの先生は、
歩く「お年寄りよろず相談所」、の様相を呈している。
愚痴を聞きつつ、相づちを打ち、その合間に指示を出し、
各々の状態に合わせて、運動を補助している。見事。


本日10時巡回の、入院7日目にして初めて出会う看護師さん、
今まで接した中で、一番上手な聞き取り。花○10点満点。
笑顔、目を見て話す、医師に相談した方がいいこと、他科との関連、
検査結果と投薬状況、薬剤に関する質問に対する説明の仕方、
身体的・精神的な懸念、退院前後の家庭・仕事状況の聞き取り、
すばやく、メモ。
ほんの少しの雑談と小さな自己開示で、3分間ラポールの成立。
一番プロのナースとして、鮮やかな印象を受ける。


お隣も同様、この1週間、他の看護師や医師とのやり取りで出なかった
前院での病状、発症からの経過、家庭内の状況等を
ご夫婦「双方」から聞き出す。
患者本人より、看病をしてこられたご主人がいたく満足された様子。
「聞いて貰いたい家族」のケアまで、短時間でこなす。お見事。
カーテン越しに伺っていても、なかなかのものだ。


「今が一番辛い時期よね」「わかっていても、なかなかしんどいよね」
「うん、わかるよ、私も主婦だから」「色々この時期、重なっちゃったね」
等など、ワンパターンにならずに、上手に合の手を入れていく。
これなら話す側は、「聞き流された」ではなく、
「受け止めてもらえた」と感じる事が可能だろう、という会話。
こういうのを録音してテープ起こしして、会話分析すれば
いい現場の、やり取り分析データになるんだろうな。
(こういう事は、とっくに研究し尽くされたことではあるが)


人は誰でも、小さな自分の物語をたくさん持っていて、
詰まる所、それを上手に小出し出来れば、鬱屈せずに済むし、
それなりの達成感や満足感、安心感を抱く事ができる。
もちろんそれには、それなりの「場」が必要なのだが、
日常会話の中にも、その構造は見出す事が出来る。
ただ、日常、人は深く意識してその「場」を形成するわけではない。
学問として、専門の職業として成り立たせようと意識したとき、
それは「場」として、認識され、
語りはその人固有の物語として存在しうる。
当事者の口から語られる話は、
その人の認知に基づく世界観に他ならない。


夢は、何を語りかけようとしたのか。語ろうとしたのか。
ま、ブログも含め、日記もね、「本人の言葉」で語られていれば
立派に「物語」を形成しているわけだな。

病いの語り―慢性の病いをめぐる臨床人類学

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