Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

思いがけない話題に支えられて

ほんのちょっとした、予想もしない出来事が、心を軽くし、
一日に弾みをつけてくれる事がある。
それは、本当に偶然の、ささやかな小さなニュース、話題、
ちょっとした雑談、小さなウィンクのようなものなのだけれど、
私の心を明るくし、弾みをつけてくれる。
心のばねがぎゅっと縮まっても、弾みをつけて跳ね返す、
そんな強さを与えてくれる。
そんなふうに過ごした今日。


一日の始まり、通勤途中のラジオから、お気に入りの連続ドラマを聴く。
軽妙な会話、心温まるやり取り、笑ってしまう。時には頷いてしまう。
朝の連絡時間。少々辛い、聞き捨てならぬ報告もあり、緊張が走る。
朝から穏やかならぬ。一日の計画をシミュレーション。
心を落ち着けるのに、一服のお茶。とりあえず、いつもの習慣。
ちらりとパソコン、コメントを読み、ほのぼの。
同じ空の下、同じ時間、仕事をする人がいて、気遣ってくれる人がいる。
ちょっとした時代の共有、ささやかな仲間意識。ある時は同士、
ある時は読書仲間、マンガ仲間、それから、それから・・・。
思いやりに、感謝。


予想より、思いのほか、穏やかに過ぎていく、午前中。
入院していた警備員さんが復帰。差し入れに柿がどっさり。
何故か、この部屋には今日に限って、室長の娘さんのバイト先の
売れ残りという、おいしい菓子パンの差し入れ。
もったいないお化け」の私としては、ありがたいおやつ。




アポイント無しやって来て、無駄な時間を潰していく企業の人事。
挨拶は重要かも知れないが、ここでの1時間は、5分の挨拶のため?
上からの通達と審議事項には頭が痛い。その内容と、会議の在り方に。
事を荒立てるより、キャリアやプライドを傷つけぬように、
強引にWIPE OUTするのではなく、できればFADE OUT させたい。
瑕をつつきあって、曲りなりにも「ある状態」をお釈迦にはしたくない。
一つのセクションだけが、仲間意識で凝り固まって、
先走ったり、孤立したり、浮き上がったりするのは危険だから。
注意深く、緩やかな包囲網を作る。


今日一日は、小さな事件と大きな事件が絡まりあった。
複雑によじれる組織と人間関係。1対1、分掌対分掌。組織対組織。
本当に必要な情報交換が為される前に、なだめ、落ち着かせ、
双方の人間の、複数の組織の、落ち込んでいる人間の、
残業に追われている新人の、出向を受け入れる側の、HRLPに入るサブの
それぞれの立場の、ガス抜きをせねばならない。
誰かがせねばならぬこと。どの場面にも関わっている立場の人間が。


自分の心の中に波風を立てずに、影の様に立ち回れるのは、珍しい。
こんなふうに動けるのは、とても調子のいい時なのだ。
わずか1日でも、週の初めからこうだと、嬉しい。再び残業。
打ち合わせ。わずか30分で意見交換、お互いをリフレッシュさせ、
仕事の見通しをつける。次に顔を合わせられるのは、いつかわからぬ。
同じ建物の中に居ながら、慌しい限り。
だから、情報は洗練されなければならぬ。
言葉は選ばれなければならぬ。
伝える時に、露骨にではなく的確なオブラートを必要とする。
事を荒立てるより、キャリアやプライドを傷つけぬように、
強引にWIPE OUT するのではなく、できればFADE OUT させたい。


気持ちよく仕事をするためには、隙間を埋める作業が必要なのだ。
戸の開け立てを、滑りを良くする為に、誰かが蝋にならねばならぬ。
それが必要になるまでの、年月、年季、見極め。
ことを運ぶための、タイミング、言葉、眼差し、雑談、情報。
場の空気を切り取る、鮮やかな意識を保つ事ができる、今日の様な日は珍しい。


仕事に賭ける、ささやかな気持ちを、支えてくれた、
朝の一言に感謝。共有してくれた時間、言葉に感謝。

冬の恋歌 (ソナタ) Classics

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