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芋たこなんきん

私達には金婚式は無いだろう。まあ、色々理由は挙げられるが。
病はさておき、何よりも出会いも結婚も遅かった。
でも縁あって、娘まで生した仲だから、
       出来るだけ長く添い遂げたいものだ。
両親の金婚式まで、あと2年。母の衰えが気になる日々。
まあ、「時間」で決める訳では無いけれど。


誰が言い出したのか、いい夫婦の日。いい夫婦ねえ。
「いい夫婦」ってどんなんだろうなあ。
残念ながら、自分の両親は余り手本にはしたくない。
悪い見本とは言わないが、理想とは路線が違うなあ。
えーと、色んな理想があるけれど、今の所、NHKの連続ドラマ
芋たこなんきん」の主人公、町子と健次郎夫婦が気に入っている。


まず、キャラクター設定もいいのだけれど、二人の仕事。
妻、物書き。夫、町医者。いいねえ。こういうの、昔からの憧れ。
どちらもやりがいがあって、忙しい。
どちらも理想がある。ポリシーがある。
子供を大事にしている。情に厚い。大家族でもたじろがない。


でもって、「家庭の中心は夫婦。親子関係よりまず先に夫婦というのが、
この作品の大きな柱」だというのが、いい。
この頃世の中、子供や若者に媚びすぎているからね。
「相性の良い、愛するパートナーと出会って
          人生を一緒に歩んでいく幸せ」
こういうことを、さらりと面と向かって言いたいものです。
        


むろん、仕事をしているのでドラマの半分ぐらいを見るのではなく、
カーラジオで聴くのがせいぜい。ビデオ撮りしても、結局観ないし、
時間もないし、総集編も家人宅では観れないし。
たまに荒筋を新聞やHPで読む程度なのですが、
お聖さんのファンである私には、その雰囲気がよーくわかるのです。


関西よりも関東のほうで人気があるというのですが、何故かなあ?
もっとも、私も生粋の「関西人」とは言えないので、
(生まれ育ちはそうでも、宮城県人2世という中途半端な関西人ですね)


田辺聖子の描く所のカモカのおっちゃん、好きだった。
お聖さんのエッセイを読む度に、美味しいお酒とおつまみが欲しくなった。
独身時代、こういう夫婦にどれだけ憧れたかわからない。
一緒に美味しいものつまんで、雪見酒でも楽しんで、温泉行って、
たわいない会話を楽しんで、気ぃ張った仕事した後は、
お互いの存在に癒されてのんびりしたいと、どれだけ思ったことか。


なのに、果実酒も手作りし、縄のれんやショットバーも一人で行ける
そんな私の連れ合いは、全くの下戸です。これが天の配剤か?
竹林の隠れ家、京都で湯豆腐をつつきながら向かい合う、
そんなお酒つきデートの夢は、儚いものになってしまいました。
(夫婦二人で飲み助の友人夫婦は、はや糖尿病で入院、
 私がそうならなかったのは、ラッキーだという事でしょうか?)
              


娘はやっと小学校1年生。お酒の好きな私の血を引いていること
間違いなし。(という気がする)煙草嫌いもママ譲り。
パパに似たのは、お笑いと冗談が好きなこと。
色々あっても、明るくてめげない所かな。
本と音楽が好きなのは、パパとママ両方に似たね。


君が生まれて、私達はパパとママになった。
それから、役割は増えて、お互い変わった。
変わらない所もあるけれど、いつの間にか変わった。
無理に変えたわけではなくて、いつの間にか変わった。


でも、人は変わる。変わらない所もあり、変わるからこそ面白い。
変わるものも変わらないものも、両方受け入れていこう。
受け入れていける、お互いでいよう。
一人では耐えられないことも、二人だから耐えられる。
もちろん、その逆も。
いい夫婦なんて、最初からありはしない。
いい夫婦になれるかどうか、それもわからない。
でも、なれたらいいね。人それぞれ、夫婦もそれぞれだから。
ね。まだ、時間はあるから。

残花亭日暦 (角川文庫)

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芋たこなんきん―連続テレビ小説 (NHKドラマ・ガイド)

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