欲しい言葉
先週田辺聖子展に行ったが、そのときに知った言葉だ。
「わては あんたの味方やで」
カモカのおっちゃん、ことお聖さんの旦那さんが、
亡くなる前に残した言葉だそうだ。
世の中、先立つ夫が残る妻に残す言葉は多々あれど、
生粋の大阪人でない私でも、この言葉は「ええなあ」と思う。
何も歴史に残る金言・名句・警句の類でなくて、いいのだ。
カッコをつけた気の利いた台詞でなくても、いいのだ。
世の中の全てを敵に回しても、仕事で幾ら辛いことがあっても、
学校で苛められても、外で転んできても、揺りかごの中で眠っている時も、
「わては あんたの味方やで」と言ってくれる人の存在があるから
心の栄養を補給して、基地を飛び立つことができる。船出することができる。
さて、そんな風に言ってくれる人に何と言葉を返したのか、お聖さん。
私にも、そんな言葉が欲しいなあ。
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職場内の来年度の人事配置で、週明けには返事をしなければならない。
家人曰く、企業戦士は内示も打診も無く、いきなり飛ばされるのが世の常。
内示や打診がきちんとある方が珍しいのだという。
だから、管理職が形だけだとしても、頭を下げて
「誰もする人がいないから」と言うのならば、引き受けてみればと言う。
今までと違う仕事をするのだから、世界が広がるだろうと言うのだが、
メリット以外、デメリットもあるから悩むのだ。
出張も増える。共通認識や支えあいに乏しい職場なのだ。子供も小さい。
ペーペーではないから、「こなす」「やりおおす」ことは可能ではあるが、
時節柄、取り扱う問題は複雑怪奇。大丈夫、できると言い切ることは、
大きな問題を過小視する正常バイアスが掛かるようなものだ。
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「僕なら引き受けるがね」そう、なるほどね。
私が仕事に掛ける時間が、更に増えても文句は言わない?
確かにできない人間のところに持ち込みはしないだろうが、
適正評価をされているのではなくて、中継ぎ補填的配置かもしれない、
玉突き配置かもしれない、と悪く取れば幾らでも取れる配置。
そこを、前向きになれるように気持ちを切り替えて、
清濁併せ呑むことができるか、腹を括ることができるか、私。
蒸し返さずに受け止めことができるか、私。
気力体力よりも、体重だけが充実している私。(笑)
なるほど、少々のことがあってもやせ衰えることはあるまい。
「わては あんたの味方やで」家人はそんな言い方はしない。
「やってみれば」と来たもんだ。
だから、私は自分に言って聞かせる。
「私は、私の味方だからね」…まあ、どれだけ力になれるものか、
試してみますかね、一つ。
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