Festina Lente2

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焚き上げる

心の中にさまざまな炎がある。
揺らめく炎の元は何だったのか。
ある時は情熱、ある時は憤怒、ある時は怨嗟。
歓喜や欲望、高揚する精神、凍てつく魂。
全て自分のうちにある炎を、焚き上げる。


護摩木は燃える。不動明王の前で。
一瞬のうちに露わになる懊悩と願望。
一瞬のうちに浄化される邪気と瘴気。
この魂魄の穢れを一気に焚き上げて、
今ひとたび、春の訪れを待つ清らかな魂を。


血の繋がりのあるものに、
縁とゆかりのあるものに、
志を同じくするものに、
夢を等しく抱くものに、
癒しと安らぎを必要とするものに、
正義と希望を必要とするものに、
今ひとたび無垢であることを願うものに。


内なる頑迷と妄執を掃き清め、洗い出し、
積み上げて、焚き上げたまえ。
この炎が禊ならんことを。
この炎が証ならんことを。
己が命を奉るとも。