ダブルブッキング

この春は、役職が増えたこともあり、予定が押している。
手帳を持ち歩くようにはしているが、頭の中が付いていかない。
何しろ、秘書がいてくれるわけでもなし、メールでの変更も、
確かに読んだ筈なのに、電話でも聞いた筈なのに、
手帳にも・・・、書き損なっていた。

という訳で、研修兼勉強会に出かけたら、誰もいない。
昨日だったのだ。そう、ダブルブッキングで、無断欠席。
いや、もう、自分でも驚いたのなんのって。
道理で、今日出かけていったら、受付で驚かれたわけだ。
自分でも、あっけにとられた、落ち込むよりも、
ああーって感じ。

実は、呆けている。他人から預かった書類を失くし、
図書館から借りた本を失くし、当番や打ち合わせを忘れ、
娘の学校への提出プリントをどこかにやり、サインを忘れ、
・・・、最近ひどすぎる。そして、ダブルブッキング。
いくら仕事が増えて頭が回らないにしろ･･･。

それから、歩き回ること1時間弱。
気を静めようと、なじみの喫茶店を探したが、お休み。
別の店もお休み。そのうち、街中でどんどん方向感覚が無くなり、
必要以上にウロウロする羽目になってしまった。

それにしても、手帳の予定に縛られずに空いた時間の4時間。
何と長いのだろう。信じられないくらい長い。
散歩し、モーニングを食べ、雑誌を読み、
お茶をお代わりし、本屋に寄り、雑貨を物色し、
散歩しながら戻る。暑くて歩くのはばてたけれど。

予定に縛られて疲れている反動？　無意識の為せる業？
あれもこれもしなくては、読まなくては、片付けなくては、
連絡を取らなくては、･･･なのに、小刻みに動けない。
それは、自分の都合・予定ではなくて、仕事上の都合。
現場にいる時のように、自分の采配で、要領で動かせないから。
それだけ？　本当に、それだけの理由かな？

栄養と料理 2007年 06月号 [雑誌]

スミヤ お風呂用木酢液 1L入り

役職が増えて、会議が増えて、出張が増えて・・・、
それは言い訳だろうが、自分が思い通りに動けないのが悔しい。
暑くて汗をかくと、更年期障害でほてるのか、
本当に暑くて汗をかいているのか、わからなくなり不安になる。
どうしてこんなに汗をかいているのだろうと、
自分で自分の体を信じることができない。

痛みも凝りも汗も疲れも、何が原因なのか急に不安になる。
無理がきかないことに、不安になる。
過覚醒で眠れずにいた時の方が、恋しくなる。
この不健康な感覚・・・。
でも、予定が無いと時間がゆっくり流れて嬉しい。

急に電話が入る。娘の声。
ホイップクリームが見つからないという。
ああ、ケーキ作りを任せてきたんだった・・・。
現実に引き戻されると、急に時間が早く流れる。
あれもこれもさせなくちゃ、してあげなくちゃ、
しなくちゃ、しなくちゃ、しなくちゃ。

さっき雑誌で読んだインタビュー記事も、
書評も、みんなあっという間に消え去る。
心の中に浮かんだビジョンを書き留めることもできず、
急かされて帰宅する。
一人の時間、一人の時間が欲しい。
誰かの為に何か為に、気にすることが無いように。
･･･自分の為の予定も、把握できなくなってきているのに。

意地悪な、もう一人の自分の声。
自分の事も、家族の事も、仕事の事も、
年相応、当たり前に動けなくてどうする？　と責める。
予定だけではなく、体調も仕事も、どうする？　と。

だから、そんな声に耳を傾けないですむように、
ちょっと旅に出る。･･･ブログの上でね。
景色やお料理を覗き見してみる。
そして、一蹴して戻ってきて、さあ、明日から、
また仕事。気合を入れて、入れ過ぎずに、ね。

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