Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

レミーのおいしいレストラン

ネタばれ注意。
グルメものか、麗しい動物と人間の友情ドラマか、
何となく予想は付いていたけれど、このネズミと人間の二人羽織、
操り人形振りが、主人公の帽子の中で行われていたというのがミソ。
前売り券まで買って、レミーのフィギア付きストラップまでゲット。
娘の為にえんやこらで、再びなんばパークス
しかし、土日とあって思うように希望の回に席は取れず、
吹き替え版の最終、15時過ぎしか2人並びで席が取れなかった。


その前に、某ドリンクの宣伝でクイズやゲーム、
ロッククライミングのコーナーができていて、
試飲コーナーもあって、キャンペーン・デモ、大騒ぎ。
結局このコーナーを通り抜けて、映画館に行く羽目に。
ええ、2回も試飲して、全てのゲームもクイズもクリア、
映画の後に、娘は命綱付けてもらってロッククライミング
今日は・・・、メインは映画のはずだったのに。


ピクサーの映画は、ミニアニメが面白い。「リフティング」
毒があって、パンチが効いていて、言葉がわからなくても
絶対に通じるストーリー展開。今回も絶妙だった。
それを前菜に、ようやく本編が始まる。
メインのレミーが走る走る、というか否応なく流される、
下水道の中を。そしてネズミ目線からの厨房内の様子。
戦場同然の調理場の描写が面白い。


料理も最初は偶然から、味を直すという作業。
後は、オリジナリティに向かって、共同戦線。
シェフの幽霊は・・・、出ても出なくてもって感じ。
物凄く助けになっていたかと言うと、そうでもない。
要は料理と店の存続問題の伏線を作りたかった訳で、
何だかなあ、幽霊なのかレミーの妄想なのか、
ぼかしていたし。


リアリティがあったのは、酷評で星を失うレストラン。
料理人社会の徒弟制度、レシピに対するこだわり。
跡目相続で揉める、父の知らなかった息子の出現、
才能のに2代目、気の弱い主人公に気の強すぎる恋人。
衛生局による査察。


いわゆる外国アニメのべたでステレオタイプな人物像は、
子供には分かりやすい勧善懲悪だけれど、
さすがにこの年になると、食傷気味。
子供と一緒に吹き替え版で見ると、元々なんと言っているのか
わからないので、言葉の上での面白みが減ってしまう。


最終的にはハッピーエンド。酷評で売っていた料理評論家が、
母の味を髣髴とさせる店のラタトィユに感激して、
料理の良心・原点に目覚めるというのは、余りにも臭すぎる展開。
それに、他の料理人たちが出て行った後、
レミー以外の、ど素人のネズミたちが料理したというのも、
ハッピーエンドに向かって一直線という勢いが、いかにも子供向け。


人間の父子の間には葛藤はなく、むしろネズミの親子の葛藤が具体的。
生き方、考え方、家族・一族の在り方、生活の楽しみ方。
何も考えられずにボーっとしている、操り人形は人間の方であって、
登場人物のプライドは実力を伴わない。
人間の副主人公が店を手に入れられたのも、料理を作れたのも、
みんなレミーのお陰で、ねずみ長者の亜流、
長靴をはいた猫」が主人公を助ける話の変形、
人間の副主人公は性格も顔立ちも魅力に欠けていて、受け身だ。
恋愛でさえも、きっかけを本格的なものにしたのはレミー
面白いよりも、情けなくなってしまうのは、厳しい見方?


ネズミVS人間の構図を逆手にとってほのぼのとした話を
作りたかったのだろうけれど、「ネズミ=自然」ではないし、
ネズミ以外の動物は出てこなくて、ここまで徹底して、
能力のある突然変異的な主人公ネズミに肩入れして見ていくのは、
少々笑いつつも、やはり興ざめしてしまった。
そう、ちゃんと観ている、味わっているつもり、
だけれど、醒めた目で見てしまう。
これが年取ったってことかなあ・・・、
モンスターズ・インク』の時なんかウルウルしたのに。


映画で気分が高揚したのか、岩登りに乗り気ではなかった娘は
映画後意気揚々とやる気になって、ロッククライミングに挑戦。
一度チャレンジして真ん中までしか上れなかったので、
再チャレンジしたいと言い出す始末。
他の人も順番で遊ぶからと、お引取り願った。


映画の中の「誰にでも料理はできる」というのは、
1つの比喩であり、メッセージであり、
肯定的な偏見というか思い込み。
やや、それに影響されたかの感がある頑張りを見せた娘。
ま、登り棒さえもさっぱりの娘が、よくチャレンジしたなと
それだけは素直に認めてあげたい。


ちなみにこのキャンペーン会場でやっていた記憶力や反射を
見るゲームは次のサイトで体験できる。http://fight-d.jp/index.html


先週の落ち込みを、今日ここで回復だね。
1回宙吊りになっていたけれど、何とか真ん中まで
上れただけでも良かった良かった。
自分の手足で体験というリアリティで一日が締めくくれる。
ふう、それも映画でトリップの余韻だけれど。
では、お休みなさい。

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