空白の昼休み

やっと熱帯夜を免れた昨夜、しかしやっつけ仕事があって
ほぼ徹夜・・・、全くもって気分は優れないが仕方がない。
出張やその他にかまけていたので、後手後手に回したツケ。
どうも、嫌なことを後回しにする性格は、
仕事に響くとわかっていながら、どうにもできない・・・。

涼しくて気持ちいい、体が楽、頭がいつもよりすっきりする、
寝ていない割に調子がいいやと思っていたのも束の間、
午前中の忙しさとうなぎのぼりの気温に、昼休みぐったり。
何故か、当番の私だけ。みんな今日のお昼はどこへ？
主任だけがソファで仮眠を取っている。
その合間に、滅多ににこの場では使わないパソコンを少し。
もちろん、家ではアップできないから。

型番を調べる云々はしたけれど、照合する書類を忘れて、
肝心のチェックが後回し。銀行に送る書類、保険会社、諸費納入、
返却の遅れた図書、寄らねばならぬ場所を思い描きながら、
今日の献立が頭をかすめ、午後からの来客の少ないことを思わず願う。
どうしてもこの時期、FAX・電話・来客・連絡事項は立て込む。
引継ぎの合間、誰かが、書類の山に埋もれていた書類を見つけて
とんでもない悲鳴を上げることがある・・・。

ソー・ファー・ソー・グッド/ブライアン・アダムス・ベスト

幸い、書類の山を築くタイプだが、悲鳴は上げない。
職場で物が無くなること、失くすことはほとんど無い。
そういうしまい方や、整理の仕方をしていることは無い。
なのに、家の中は混乱する。人が片付けた後を整理するという名目で
片付け直す御仁がいるからだ。この半年、その攻防戦が激しい。

空白の昼休み。ソファでうたた寝をする主任に羨ましさを感じる。
電車の中で居眠りをする私だが、職場ではできない。
９月に入った途端に夜眠れなくなってきた。
ノートPCの故障以前に、何だか眠れない。
気になること、ジンクスの９月、私を脅かすもの、
娘の運動会、さっき頼まれたシフト変更。

・・・頭の中はぐるぐる回る。空白の昼休み、がらんとした部屋で。
詰め所には、生温いながらも、いつもより涼しげな風が吹き込み、
紛れも無い秋の感触。そう、目にはさやかに見えねども。
午後になったばかり、さあ、今日は何ができるのか。そう思わなくては。
今日は何をしなければならないのか、ではなくて。
今日、後、どれくらいのことができる、と、前向きに。

まだできる、まだやれると、呪文のように唱えながら、残り10分。

昼休みの友―サラリーマン獣医の癒し系爆笑エッセイ集