魔術･暴力･SF、そして

久しぶりに映画の話題を。ネタばれ無しで。
極力仕事を削って、さりとて夜中に映画を見るほどの
体力気力も無く、スキマスイッチ、いや、
２時間あれば飛込みも可、みたいな鑑賞の仕方をしている。
前売り券を無駄にしない為、　「ハリーポッターと不死鳥の騎士団」　。
やさぐれた気分で行き当たりばったりに「「デスプルーフ・イン・グラインドハウス」。

何だか観ている映画が支離滅裂な９月。
本当に観たい映画の時間帯に、見に行けない反動が
こんな風にさせるんですって。
え、言い訳になっていない？
大丈夫、ポイント使って無料で観ているからって、
ポイントがもったいないって？
まあ、まあ、お堅いことを言わずに。

今日は、娘が観る「アーサーとミニモイの不思議な国」に
家人が付き添い、私は頭をお馬鹿にすべくお気軽SF映画、
「ファンタスティック・フォー　銀河の危機」に。

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 ハリー・ポッターシリーズ第五巻 上下巻2冊セット(5)

ハリーの映画はもはや惰性で観ている。
私に限らず、殆どのファンがそうだと思うが。
もうここまでくりゃ、最後まで見届けないとすっきりしないからね。
だんだんダーク一辺倒になってきて、ファンタジーというよりも、
因縁・怨恨・復讐譚になって行きそうな雰囲気、
遅かれ早かれ、科学の２１世紀に死に絶えそうな超自然的な力、
そういうものが、今受けに受けている時代だからこそ、
その先鞭を付けたというか、波を起こしたからこそ
みんなが見ざるを得ないハリー･ポッターシリーズ。

原作を映画にするという点では、もはや破綻している。
映画版「指輪物語」ほど、作品の真髄を伝えているとは言いがたい。
お子様が主人公だからか？
運命に絡め取られた善悪の対比よりも、
若者の反抗という部分が、演技とストーリーの前面に出すぎているせいか。
１作目からのテーマ音楽が、かろうじて作品の雰囲気を支えているものの、
観辛い映画になって来たなあ、このシリーズ。

ダークサイドに落ちるなら、あっけらかんと落ちる。
タランティーノのB級が何だ、ハチャメチャが何だ、
清く正しい男女交際･社会道徳･倫理･正義が何だと
正面切って開き直って作られている、
「デス・プルーフ･イン・・・」の方が面白いかも。
荒んだ内容であることには違いないけれど、
ストレートではあるな、話の持って行き方が単純で。
理不尽ではあるが、悩まずに済む。

それにしても、「対死仕様」という訳語にも笑えた。
ウォーター・プルーフならともかく、デス･プルーフだもんね。
主演男優の前半の悪役振りが、かなりの線を行っているだけに、
後半のだらしないぐらい情けない有様へのギャップが
面白いといえば面白いか。
ちょいとおつむ軽めの白人女性スタントマン役が
虻川美穂子ことあぶちゃんにそっくり。

それで、本日の「ファンタスティック・フォー」は
もはや、能天気なSFコミックを読む感覚。
ただ、落ち込まずに済む。マジで突込みが一杯できる。
どうせ演技よりもCG,　わかりやすい善悪、
お涙頂戴も結末も予想通りの展開、安心保証の映画。
子供連れでもOK。吹き替えで楽しめる。

どちらかというと、字幕で楽しみたいけれど、
吹き替えは吹き替えで、それなりに面白い。
火の玉小僧が、式服用スーツを燃やす羽目になり、
「俺のドルガバ！（ドルチェ＆ガッバーナ）」と叫ぶ辺り。

駿河湾で始まり、中国か日本か訳わからない結婚式風景は、
所詮アメリカ人、ハリウッドの日本への見方、偏見が丸わかり。
映画「さゆり」もひどかったけれど、ここまでじゃなかった。
娯楽番組とはいえ、東洋に対する感覚はこれかい！？
歴史映画じゃないならば、何をしてもOKって感じか？

ミニモイは声優がデビッド・ボゥイとマドンナなので
娘の吹き替え版に付き合うのはパス。
やっぱり字幕で見るのでなければね。
それにしても主人公の名前にアーサーはずるい。
否が応でもアーサー王伝説を連想させる仕組み。
ファンタジーのお約束を有効利用って訳か・・・。

てな具合に突っ込みながら、午前中終了。
バリ風のレストラン「イスタナバリ」でランチ。

とにかく今、仕事は考えない。
公私、行事を終え、頭を空っぽにし、連休を過ごす。
去年飛ばしたように、仕事（研修）をしないと意識している。
コマ切れの休みを、仮想異国で過ごすの休日。

本当に観たかったのは、「ミス・ポター」
イギリスの湖水地方に、ウサギさんと一緒に遊びたかったな・・・。

ミス・ポター (竹書房文庫)

ウォーターシップ・ダウンのウサギたち〈上〉 (ファンタジー・クラシックス)