Festina Lente2

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娘、劇泣き

今晩、娘、劇泣き、大泣き。久しぶりに泣きじゃくった。
いえいえ、何も私が叱ったんじゃない。叩いてもいない。
ピアノがうまく弾けなかったわけでもない。
お友達と喧嘩したわけでもない。
いじめられて帰ってきたわけでもない。


娘と2人でいると、ついつい甘やかして宿題をしながら、
映画を見たりするわけですが、TVで。
世間の基準からすると、この辺から駄目母親で、
どう見ても、娘に依存している母親は時間管理が今一つ。
で、お風呂に入れなくなってしまった。
ちょこっと見た映画が、泣けて泣けて、彼女はウルウルの私よりも、
はるかに感じやすい純な心を持っている、おませさん。


僕の彼女を紹介します」知る人ぞ知る、純愛ラブストーリー。
ちょっとばかしバイオレンス・スプラッタで、
くさい場面と台詞が続くけれど、
乙女心のツボを心得ている韓国映画
まさか娘が、主人公が恋人を失ったシーン・自殺未遂のシーン、
49日の別れの日に、カレンダーに印を入れるシーン、
風車いっぱいの部屋の中で、恋人と別れるシーン、
泣きっぱなしでTVに食いつくとは、思いもよらず。


「お母さん、もう、お別れして行っちゃうんだね。
 もう会えないんだね。恋人とさよならなんだね。」と、
顔中くちゃくちゃにして、鼻水ずるずるで大泣き。
君にそんなに泣かれると、かーちゃん、これ以上泣けないよ。
いぬのえいが」以来の劇泣きではないか、と思うくらい。


手の平型の風船に抱きとめられた主人公、
警官として仕事を全うしようとする姿、
恋人をどんなふうに失い、どんなふうに繋ぎ止めようとしているか、
きっと娘の心の中で、大きく残るんだろうなあ・・・。
ナーバスに反応していたのは、娘の個性プラス、
この1週間、ちょこっとナーバスな私の影響だろうか。
それにしても、娘の映画好きは・・・、とーちゃんかーちゃん似。
間違いない、この食いつき方。

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いぬのえいが―小説・ポチは待っていた (角川文庫)

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先週BSで見た映画「ナヴァラサ」も、内容は複雑で、
実際、トランスジェンダー性同一性障害インド神話、思春期、ゲイ、
色んな要素が複雑に絡み合った話なのに、娘は興味津々。
特に、心の奥で自分の中にある女性に忠実に生きようと葛藤する、
主人公の叔父が話す神話、生贄として捧げられるアラヴァンの
一日だけの花嫁となるために変身するクリシュナ神の神話に、
とても興味を示した。


主人公と、アラヴァン・タライの祭に出かけて行った叔父、
その回りの人々の反応、その祭の雰囲気。
映画とはいえ、実際の人物を切り取ってその立場で見せている、
ドキュメンタリータッチの映画だから、迫力満点。
生理が始まり、成女式に戸惑い、自分自身の性を受け入れるのに、
体の変化がもたらす生活様式に、戸惑いと葛藤を抱える主人公。


思わずそこに、近い将来思春期を迎える娘が、
いかにそれを受け止めるのか、思わず重ねて見てしまう。
良くも悪くも習慣と惰性から離れない両親、
差別が恐ろしいので、隠し続けて来た叔父が、
アクセサリー類に興味を持っていることから、
叔父に対する見方が変わる主人公。


何とも言えずリアルで、生臭い。でも目が離せない世界。
そこに、神話から入っていった娘は、
今だにあの神話の映画、面白かったねーと言っている。
感じやすい心で見た、日本では決して作られない映画。
どんなふうに受け止めているのだろうか。
神様の花嫁の白い喪服姿の女性が、実は体は男性、心は女性。
実際に、インド社会に存在する人々を映し出しているとは、
知らないまま、観ているのだろうに。


2人でいると、ついつい娘に寄りかかって、
年齢に相応しくない映画を見せてしまっているのではないかと、
懸念しているかーちゃんを通り越して、一歩も二歩も先を行くのは
実は娘の方では無いのか? 恋愛も、差別も偏見も、
心のしなやかなままに、一足飛びに跳び越える、
それは娘の方ではないのか。


娘の感受性が、眩しく羨ましい。
その感じやすい心が、どんなふうに成長していくのか。
娘の今の感受性に期待している。
新しい時代を生きていくために、日々学び感じている姿に。
私たちの時代、私が子どもの頃知らなかった時代、
これからの時代の感受性を育んでいけますように。


それしても、ママの仕事場の横で映画は本当は駄目。
寝る時間はとっくに過ぎている。
睡眠時間を確保するのは親の仕事。
心にかまけて、体を壊すようじゃね。
感じやすい心だから、体だって大事。早寝早起き。
・・・かーちゃんが苦手なことを君に教えるのは難しいな。

インド待ち

インド待ち