Festina Lente2

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おめでとう、ありがとう

深夜、日付も変わっている時間帯、家人から帰宅連絡。
一通手紙が届いているとか。尋ねてみると、
1ヶ月遅れの娘への誕生祝のお手紙、私への手紙。
そう、忘れもしない。母子医療センターに入院時、
出産直前の診察に、助産師の卵として実習していたMさん。
毎年毎年、バースデーカードを下さるのだ。
不思議なご縁で、お付き合いさせて頂いている。


去年カードを頂いた時の記事がこちら。
http://d.hatena.ne.jp/neimu/20060905


一人前の助産師になられた後、現場と教壇で行き来していたが、
現在、産休育休中。6月に長男を出産されたとの近況報告。
それで何かと忙しく、今年はカードが遅れてしまいましたとのこと。
何とおめでたい。助産師さんといえども、初めての育児は大変。
何もかも、本の上での知識、理論通りには行かないのだから。
忙しいさなか、いつまでも忘れずに娘と私を気に掛けて頂いて
本当にありがたい。


以前、娘を連れて歩いている時、偶然Mさん夫婦に出会った。
「生まれる前から頭に触らせてもらったんだよ」と声掛けられ、
娘は???の顔。でも、かーちゃんは、人工破水後の診察で
先輩助産師に付き添われ、こわごわ実習していた彼女を思い出す。
ご縁とは奇妙なもので、仕事で来られたMさんと、
昨年職場で再会。びっくり、あれから一年。
とうとう、彼女もお母さんになったんだなあ・・・。

家人宅に郵便が届いたので、まだ実物は見ていない。
時間ができれば、少し気の早いクリスマスプレゼントと共に、
何かお祝いの品を贈ろうと思う。
慶事に関われることを、心から素直に嬉しく思える。
そういう生活にも、安らぎと感謝を覚える。
(慌ただしい日常の中では、一瞬の感慨なのだけれども)


あの出産当時、指導していた先輩助産師だった方からも、
2,3年前お母さんになりましたの年賀状を頂いている。
普段から密なお付き合いはなくとも、こういう知らせは心を暖めてくれる。
高年齢妊娠、出産、怒涛の入院前後、記憶は未だに鮮やかだ。
子供が生まれた日、子供の誕生日、自分たちが母と父になった日。
母として生まれ変わったような、あの輝かしい瞬間を、
今も大切に胸に抱いているからこそ、娘と共にある生活、
生活の喜怒哀楽は、宝石のように輝いている。


年を取る。娘も、そして私も。母としての年輪を重ねる。
残念ながら、2番目には恵まれなかったから、育児は常に一期一会。
やはり一人っ子の娘さんを持つ先輩は、言っていた。
次の子にはこんなふうにしよう、あんなふうにしようと心の中で
思い描いていたことがとうとうできずに終わってしまって、残念。
本当、その気持ち、今の私には十分わかりすぎるくらいにわかる。


子供を持ってから、他人や生活に対する眼差しや
感情の起伏・振幅が深く大きく豊かになったのは事実だ。
未知の新たな経験が、それまで気付かなかった所、
知らなかった所へ自分を導く。
それこそ、自分の方に引き寄せることができずに、
自分から飛び込んでいくしかない、赤ん坊との生活。
そういう心持ち・毎日を、彼女も経験しつつあるのだろうか。


万聖節の夜は更けて、いずこからともなくやってくる
精霊たちの祝福は、思いがけなくもたらされる。
忘れられない人からの便り。
深夜帰宅の家人、離れて暮らす私の心を暖めてくれる。
日々の生活の中で、仕事で、ささくれ立つ心に灯される明かり。
手作りのJack-o'-Lanternのように善霊を引き寄せ、
日々の辛さ、憂さを遠ざけてくれたかのような、ひと時。