やればできる

公私共々忙しい11月が終わった。はっきり言ってしんどかった。
娘もバテバテだっただろう。でも、学校が楽しい、
校内年賀状は40枚出したい！とのたまうぐらいになったので、
よしよし、かーちゃんとしても少しほっとした。
担任との折り合い、友達付き合い、お勉強。
たかが2年生と侮るなかれ、小さな胸にも悩み事はある。

私や家人にどこが似ている、似ていないなんて、
そんな視点で見てばかりいるわけではないが、
似て欲しい所は似ずに、似ないでいい所ばかり似るのが
人の世の常なので、うまく行かない事がると、
どうしても親子共々２重に落ち込み、うまく行くと、
思いのほか舞い上がって嬉しくなる。要は親バカ。

エレクトーンののコンサートが終わったばかりなのに、
1月に再びグループでの自作自演の発表会があるとかで、
教室の雰囲気がてらでないと、大変みたいな勢い。
他のお友達は経験者だが、娘は初めてだ。
私とて、練習中横に付いていられる訳ではないので、
え？　また？　何かイベント？
いい加減にしてよ･･･という気持ちになってしまう。

次々に予定をこなしていかなければならない仕事を抱え、
家でのんびりくつろぎたいのに、宿題の点検、
連絡帳、ピアノ、水泳、それからそれから？と
残業がいつまでも続いているような気分、
家庭生活が賑やかな放課後のようにざわつくお稽古事に
侵食されていくのに、抵抗を覚えているのだ。

娘自身も、新しい先生から毎回振られるコンサートに
少々辟易している。その度にプレッシャーが掛かるから。
どうしても、お友達との間に微妙なものもある。
アンサンブルはライバル意識をも剥き出しにする。
幼いながらも相手と自分を比較し、優劣を競うことには
子ども達は敏感だ。良い意味であれば切磋琢磨、
母親達の賢い後ろ盾が無ければ、教室は足の引っ張り合い。
その点、今のまま友達はできた方々だが、
私と娘の方が慣れない練習環境にアップアップしている。

ひろってうれしい知ってたのしいどんぐりノート

やれば、できる。 (新潮文庫)

私も色んなことを抱えて、同時進行というのが苦手だ。
仕事の力配分というのは微妙で、得意な所の手を抜き、
苦手な所に時間を掛ける訳だが、えてして逃げたくなるような
微妙な仕事が重なると、精神的にも体力的にもバテバテになる。
冷静に、予定表どおりサクサクとこなしていくしかないのに、
職業人らしからぬ情けない弱音や抵抗、未熟な甘え、
後ろ向きな気持ちから、無駄な葛藤に時間も手間も取られる事が多い。
幾つになっても、こういう堂々巡りから逃れられずにいる。
そして、そんな自分を意識してがっくり来るのだ。

専門分野では無い仕事、人を大勢取りまとめなければならない仕事、
「ほう・れん・そう」の合間を潜り抜け、山積みになる机。
片付けるのが苦手な私は、仕事の内容ごとに机が欲しい。
書類をしまって整理すると、今何をしていたか何処にいったか、
わからなくなってしまう哀しさ。
目の前にぶら下げて見ていないと、予定と内容を忘れてしまう。
ああ、秘書がほしい。有能なもう1人の自分が。

そんな気持ちで、やっとこさ自分を支えながら11月。
でも、ありがたいことに、ちゃんと協力してくれる人、
声を掛けてくれる人、黙って動いてくれる人、
資料を貸してくれる人、昼休みも打ち合わせに、
何とかかんとか、幾つもの山場を越えて、11月。
やっと、終わった。

新人にもベテランにも、わかりやすくイメージできる企画、
話の持っていき方、レイアウト、書類作り、打ち合わせ、
様々な企画の同時進行は、頭の中のたこ足配線が苦手な私の
一つの試練でもあったけれど、何とか遣り通した。
この2年、心の中に誓った企画も何とか実行。
よしよし、自分を褒めようじゃないの。
終わって鏡に向かってみると、良い顔をしてるじゃないの。
我ながら、夜の鏡に笑いかけた。

娘も悩んだ挙句、音楽教室のお友達と再び頑張る決意。
お客さんではなく、自分から積極的に関わろうと、
私が参加申込書を持って30分余り家を離れている間、
ちゃんと1曲分の草稿を書いていました。
音符にはなっていないけれど、メロディを作って
かーちゃんの帰りを待っていました。健気。
それから一緒に伴奏を付けて、音をとりました。
偉いな、良く気持ちを切り替えて取り組んだな。
作曲！　とまでは行かないけれど、やっぱり作曲。

学校、お友達、先生、学童、水泳、音楽教室、
色んな人との係わり合いの中で、
絵を描き、運動し、字を学び、本を読み、
宿題をこなし、ピアノの練習をして、実験と科学、
チャレンジ、あのね帳を書いて、一休み。
ミカンを食べながら、ママとチャングムナイトの金曜日。
娘にとっても長い長い1週間が、繰り返される。

さよなら、実りの秋。さよなら11月。
今年も残すは1ヶ月。

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