Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

忘年会の夜は

本日忘年会。その前に、出勤、午後、出張兼研修。
忘年会までの1時間半、休憩。仮眠とフェイシャルエステ。
そして、私の勤続年数と同じ歴史を刻んだホテルのバー、
「夜間飛行」にてカクテルを1杯。久しぶりのハッピータイム。
7時まではアルコールは半額。それでもたいそうな贅沢。
こういう時間の使い方をして、思いきり頭を切り替える。
若い頃にはできなかった、分刻みのスケジュール。


研修はお上から回された中でも極上の内容。
というのは、人をやる気にさせてくれる内容だったから。
前向きに仕事をしたいという気持ちにさせてくれたから。
こんな中身のある研修(講演会)は、滅多にお目に掛かれない。
その充実した時間を終えて、職場の忘年会。
何が嬉しゅうて、という気分も無きにしも非ずだが、
歓送迎会と忘年会だけは、顔を出すようにしている。


その合間に、仮眠兼お手入れ、自分へのプレゼント。
1年をやりくりしてきたお肌への労り。それが仮眠タイム。
再び職場の顔に(宴会は職場の延長である)戻る前に、
久しぶりの繁華街、懐かしい場所に顔を出す。
昼間はアフタヌーンティーを楽しめて、
夜は背伸びしてアルコールを嗜んだ場所、「夜間飛行」。
もっとも、この話を書いた御仁は飛んだまま行方不明。
私もいつかは、そうなってしまうのかもしれない?



職場の忘年会というのは実に微妙で、疲れる場所だ。
美味しいものは好きだが、宴会となると話は別。
気心の知れた人間が集まり、飲んだり騒いだりするのではない。
時には慇懃無礼儀礼、挨拶代わり、こびへつらい、
気を遣い、廊下トンビならぬテーブルトンビとなり、
年齢差と勢力範囲図の縮図を自分なりに読み取って、
ビールを注いで回ったりせねばならない。
むろん私は、若い頃から何もしない派、
ひたすら食べる専門。(笑)


職場関連宴会に出かけるのは、ある意味で気合がいる。
私のように何もしない人間でも、やはり、そう。
出席しない者は、それなりのポリシーがあると
みなされるのは覚悟の上。下手なしがらみに
気を遣うのが厭わしいと感じる者は多い。
市内まで宴席に出る交通費と時間が惜しい、
家族の世話で夜は出られない、という者も多い。
欠席者は多く職場研修並の出席率、幹事は苦労している。


そんな時だからこそ「夜間飛行」で羽を休める。
自分の為だけに贅沢な一杯を作ってもらう。
普段と異なる空間で、軽く一杯。
宴席となる場所へ行く前に、自分で自分をほぐす一杯。
街へやって来た雰囲気に浸って、止まり木に。
長居はせずに、夜景の綺麗な31階へ。
まずまずの中華料理、新人達の歌と踊り、
ビンゴ運は11月3日に使い果たしたらしい・・・。

夜間飛行 (新潮文庫)

夜間飛行 (新潮文庫)

宴席が跳ねると、21時前。時雨があったのか、
雨の御堂筋はひんやり、落ち葉散り敷く歩道。
飲み直すこともなく、お茶をすることもなく、
まっすぐ映画館に。
「ベオウルフー呪われし勇者」を観る。
残念ながら期待外れ。子供騙しのCG失敗作?
画像の処理の仕方が好みでは無かった。
古詩にのっとった英雄譚・ファンタジーの側面よりも
ネームバリューのある俳優を使ったCGの趣き。
唯一、音楽だけが頑張っていた気がする。


ゼメキス監督としては、新しいことにチャレンジをアピール。
しかし、「ロード・オブ・ザ・リング」のリリカルな品格や、
「300」の荒々しい剛毅・葛藤・戦闘シーンには及ばない。
ディズニーが作った「ナルニア国物語」の二番煎じ。
英雄譚ファンタジーで、柳の下の何匹目かのドジョウを狙った、
そんな気がしてしまう映画。


懲りすぎた特殊撮影が、人間の想像力を奪う仕上がり。
ゲーム画像を見慣れている若者には、受けるのかもしれない。
ただ宗教的・民俗学的・歴史的背景を持たない日本の若者には、
よくあるロールプレイングゲームの映画版に過ぎないかも。
神話や伝説の中の人間を、1人の男として捉え直す試みは、
「アダムとイブ」の旧約聖書同様、悪魔に魅入られ騙される
人間=「誘惑される者」の愚かしさを描いている。
その為に直接的な表現ではなく、CGに置き換えたのだと言われると
受け入れがたく感じる私は古い人間なのか。
画面を「超豪華なシュレック」のように感じてしまう。


とにもかくにも、これが忘年会の夜の締めくくり。

ベオウルフ―呪われし勇者 (小学館文庫)

ベオウルフ―呪われし勇者 (小学館文庫)

ベーオウルフ 妖怪と竜と英雄の物語―サトクリフ・オリジナル〈7〉 (サトクリフ・オリジナル (7))

ベーオウルフ 妖怪と竜と英雄の物語―サトクリフ・オリジナル〈7〉 (サトクリフ・オリジナル (7))