Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

お迎え顛末記

雨上がり、晴れ女の私、一路目的地へひた走りに走る高速道路。
・・・高速道路!? 初環状線にチャレンジ。
大荷物を抱えてスキーキャンプから帰ってくる娘を、仕事後に迎えに。
電車では間に合わないし、こちらも疲れている。
大胆不敵にも「車で迎えに行く宣言」をして、大阪市内を一人で走る、
それも環状線に乗って右に車線変更して、13→1→15と。
大丈夫か、私? 大丈夫か、かーちゃん。
景気付けのBGMは懐かしの60・70年代ブラスロック、Chicago、
「いったい現実を把握している者はいるだろうか」と、メロディが流れる。
把握できているか? どこを走っているのか、かーちゃん!?


朝ドラ「ちりとてちん」ではないが、罰金になるような台詞を連発してしまう。
きよみは「ほんまに、やっていけるんやろうか」が口癖で
草々にいつも叱られているが、私もそういうタイプかもしれない。
する前から駄目だと思い込んで、同じ事を失敗して落ち込むタイプだ。
同時進行が苦手で、一つ一つ覚えるのに時間が掛かる。
慎重というよりも怖がり、「石橋を叩いて渡る」のではなく、
「石橋を叩いて割ってしまって渡れない」タイプなのだ。


何事にも神経質な割に大雑把で、「(無責任にも何を根拠に)大丈夫だよ」を
連発する家人と違って、私は「大丈夫か、本当に大丈夫?」が口癖、
とまで行かなくても、自分から疑心暗鬼となる予期不安の強い人間。
初めての道、初めての店、初めてはわくわくするけれど、怖い。
ドキドキを楽しむよりは、緊張して固まるタイプ。
(他人からはそうは見えないらしい)
確かにそんな時、家人の間延びした口調の「大丈夫だよ」は、
私の緊張をほぐしてはくれるのだが・・・、今日は一人で運転。


ラッキー、月曜の夜の高速は思いのほか車が少ない。
恐怖の環状線合流も難なくスムーズに。されど、ルート変更は・・・。
一度で成功ならず、無情にもハイスピード、標識は後ろに遠ざかる。
ガソリン代もばかにならない昨今、お約束の環状線余計な一周。
次は最も右側に寄る必要なく、左折成功、お目当ての目的地へ。
あー、緊張した、緊張した。本当に緊張した。


予定時間前に到着、バスも予定より20分早く到着。良かった。
19:45、元気に立山スキーキャンプからニコニコ顔で帰ってきた娘。
思ったより日焼けもせずに、ガラガラ声で「ただいまー」
あれまあ、よっぽど騒いだのか? 風邪気味か? 声が枯れている。
責任者の方の挨拶、終わりの会、スキーキャンプの証の終了証とバッヂ、
一人一人練習したコーチから手渡して貰う。
初心者の女の子班は、能勢の青少年センターの館長さんだね。


好天に恵まれ、積雪は160cm。雪合戦に雪だるま作り。
初心者ばかり小学校2年生の班、スキー靴を履く所から練習。
「お母さん、滑れるようになったけれど、止まれないの」?
それってプルーくボーゲンできるって事かな?
「コーンを4つ回れるようになったんだよ」凄い!
まあ、ブレーキは難しいからなあ。初めてなのに、
怪我もせず元気に笑顔で帰ってきてくれて、上出来上出来。

 

行く時は、バスの中で年齢よりも2,3歳子供になってしまう子達も、
戻ってきたら年齢よりも2,3歳大きく成長していると思います。
すぐに出来事を話してくれる子、少し経ってから話し始める子、
半年ぐらい経ってからあの時こうだったよと口に出す子、
色んなタイプの子供さんがいると思いますが、
お母さんお父さん方は、子供たちはそれぞれ成長して大きくなって
戻ってきていますので、温かい目で見守ってあげてください。
その子なりの成長を受け止めてあげて下さい。


挨拶をして下さった付き添いの方からの言葉は、胸に沁みた。
でも、本当にわかっているけれど難しい。
その子なりの成長を受け止めるという事が、
頭の中で、理屈で、理論上じゅうじゅうわかっていも、
体と心全体でしっかり受け止めているかというと、心もとない私。
「あるべき姿」を求めて当てはめてしまう、かーちゃんなんだもの。


「キャンプだ、ホイ」の替え歌で「スキーだ、ホイ」を元気に歌って、
お世話になったリーダーとお話して、ハグしてもらって、
寄せ書きの旗を持って一緒に記念写真、お別れ。
キャンプとしては4回目のキャンプなのに、余程楽しかったのだろう。
リーダーとお別れするのが辛いと涙ぐむ娘。こんなこと初めてだ。
だんだんお姉さんになってきたのに、その分お母さんに会えた喜びより、
仲間とは慣れるほうが辛くなる年齢になってきたんだね。
「ずっと立山に居たかったよ」「冬休みがもっと欲しかったよ」
・・・そんなに楽しかったのか。


キャンプリーダーは大学生。かつて自分も野外キャンプのリーダーを
ボランティアでしていたけれど、お別れの時はいつも辛かった。
でも、こんな風に慕われるリーダーだったかな、私は。
どういう訳か、みんなそのリーダーに似てくるんだよね、不思議な事に。
子供たちを見ていると、どのリーダーの班かわかってくる位に。
親子が似るように、キャンプではリーダーに影響される子供たち。


「リーダーのどんな所が良かった?」
「あのね、とっても優しかった。全然叱らないし、
一緒に遊んでくれるし、・・・。」娘の答を私の脳内で翻訳。
「あのね、お母さんと違ってリーダーは優しかった。
 お母さんみたいに怒ってばかりいないし、一杯一緒に遊んでくれるし」
かーちゃん、ちょっと気分が落ち込む。
自分が何となく責められているような気持ちに。
ああ、なんて肝っ玉の小さい奴なんだ、私って人間は。


荷物を車に運ぶと、さすがに地下鉄を乗り継ぎ、電車に乗り換え、
タクシーを呼ばなくては帰れないという帰路ではなく、
車で帰る事ができるので嬉しそう。楽だもんねえ、体が。
電車賃の方が、高速代と駐車場代よりも安いんだけれど。
「お母さんよく運転してこられたね、偉いねえ」
(お母さんの運転の割にはよく努力した)と褒められ、気分上向き。
やった、頑張ってここまで走ってきた甲斐があった。


さらに、優しい娘の気遣い。
「お母さん高速道路に乗ったら、おしゃべりやめようか」
「あのね、カーブの時は声掛けないでね。前に集中してるから」
「うん、わかった」 20:25 再び阪神高速に乗って家路を辿る。
こんなふうに瞬時に落ち込みから立ち直り、一路家路へ。
途中ファミレスで軽く食事。22時までに帰る事ができた。
私の運転にしちゃ上出来。


それから荷物整理、洗濯。始業式の用意、入浴、着替え。
就寝は23時を回ってしまった。お布団は乾燥機でぬくぬくに暖めてある。
お土産はパパに白海老せんべい、ママに雷鳥の刺繍のピンクのハンカチ。
きゃー、うれし、ありがとうね。
(とーちゃんは、俺へのお土産は食べたらなくなる物かと
 少々おかんむりの電話の声だった)
自分には、雪の結晶とスノーボードの付いたストラップ。
何故かマスコットに、雪だるま付きタイ製のブードゥ人形を買ってきた。
うーん、こういう人形をかわいいと欲しくなる訳か。
とにかく、早く寝てね、明日から3学期だよ・・・。

翌朝の後日談。
そして、学童のお弁当を作っていた翌朝、かーちゃんは気が付いた。
水筒が無い事に。バスを降りる時に確認した水筒は何処?
しっかり集合・解散場所に忘れてきていた。
歯科大附属病院にCTを撮りに出かける「ついで」があったから
良かったようなものの、水筒を取りに出向いたかーちゃんでした。
やれやれ。

ペネロペゆきあそびをする ペネロペしかけえほん

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森のネズミの雪あそび―森のネズミシリーズ (ポプラ社のなかよし童話)

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