Festina Lente2

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軟着陸を目指して

巷では1.17の話題。娘に地震の時、この家がどんなふうだったか話す。
怖がらせるつもりもないし、逐一細かく伝えることはできないけれど、
朝食の話題で根を詰めて話すことでもない。
この日に関して、心の中によぎる思い出は沢山あるが。


今年の1.17の夜明け。不思議な夢を見た。移動の夢。
歩いているのか、走っているのか、乗り物に乗っているのか。
道路、山道、トンネル、洞窟、店の中、刻々と景色が変わる。
しばらく何年も会っていない人が出てくる。
細い暗い部屋や道を行ったり来たり、
今から振り返ると胎内巡りをしているような。
          
               
             
心の籠ったメール、コメントを頂いたり、本を読み返してみたり。
でも、娘とどんなふうに、言葉のやり取りすればいいか。
特にいいアイデアが思い浮かぶわけではない。
腹が減っては戦はできぬ。
娘を音楽教室からピックアップ、手作りの夕食を・・・。
見切り品で、昨日買っておいた西京漬の鮭。
ツバスのお刺身、白身魚のすり身と薄あげ、青菜のお澄まし。
大根の煮付け。デザートは林檎。ま、こんなもんだろう。
グリルを洗って、焼いている間にお手伝いを頼み・・・。

子どもが変わる ハッピー・コミュニケーション 家庭内編

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クラスが変わる ハッピー・コミュニケーション 学校生活編

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鮭を一口、口に運んだ娘が思いがけない表情で呟く。
「お母さん、鮭が甘くて美味しいよ!」そりゃ西京漬ですから。
「え? 最強づけ。そんなに強いの?」いや、その字じゃなくて。
「そんなに強い鮭が漬けられてるの? だから甘いの?」
ここで、説明。塩じゃけばかり食べさせて来たわけではないのに、
そんなに意外な味だったのか。そう、娘は甘めの味付けが苦手。
酢の物は平気なのに、甘いのは苦手。虫歯にならなくていいけれどね。


ちなみに後で聞いた所、わかっていてわざとフザケタそう。
仲の悪い友達とも、「友達のふり」をしているとか。
うーん、2年生にしてこういうことをさらりと言うか。
種明かしの話の裏に、まだまだ色々ありそうで、
かーちゃんは柄にも無く、どぎまぎする。

鮭、いか、あじはえらい!―365日魚のおかず

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親が知りたい教室の中の子どもたち (どりむ社家庭教育力シリーズ)

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食後、大して仕事をした筈も無いのに、滅茶苦茶・・・眠い。
娘の国語の宿題の朗読を聴いている間に、寝てしまった私。
先日は風呂上りの娘の顔を見るまでも無く、炬燵で沈没。
気が付いたら上着を掛けられて転寝の私、歪んだ眼鏡のオマケ付き。
「おかーさん、聞いてるの?」「あ、ごめんごめん」
これでは、ちゃんとしたコミュニケーションもあったもんじゃない。


娘と一緒に2階へ上がり、布団に潜り込む。不思議と眠くならない。
お互い布団の中でひとしきり、川原泉の漫画をネタに雑談。
学校のことから離れると、それなりにおしゃべりになる娘。
学校のこと、気になっているんだけれど。


どうやら、学級委員になりたかった様子。
2学期よりも票が集まらなくて、落ち込んでいたらしい。
所信表明の挨拶を、「いいクラスにしたいです」と言った娘。
委員に選ばれた子は、なかなか上手に話したのだという。
「3学期なので、思い出に残るクラスにしたいです」と言ったとか。


「君の思ういいクラスってどんなクラス?」と尋ねると、
彼女なりに色々例を出してきた。そして、自分で答えた後に、
みんなにもっとわかりやすく言えば良かった、
いいクラスと言っても、色々あるし・・・と一人ごちている。
おお、偉い偉い。ちゃんと自分で振り返りが出来ているよ。


娘が布団の中から尋ねてくる。
「どうしてお母さんは学校のことを訊くの?」鋭い質問。
自分自身、小学校時代が楽しかった思い出を語れと言われると、苦痛。
方言や眼鏡、矯正器具を嵌めた口、苛められたり仲間外れの想い出は多い。
ただ、ピアノや珠算塾など学校以外の場所と読書という逃げ場が、
辛うじて緩衝地帯になっていたに過ぎない。


「こんな風に布団の中で話するの好き?」「大好き」
お話を読んで貰う時期は通り過ぎようとしているのだろうか。
書かないけれど、語る思い出をもっている娘。
自分の気持ちを出すのに時間がかかる娘。
妙に醒めていたり、「詰まらない」を連発するようになってきて、
かーちゃんはどぎまぎしてしまうのだけれど、
君はかーちゃんが思っているより、ずっとずっと先に進んでいるようだ。


我が家の1.17の朝は、修学旅行やキャンプの朝の余韻。
険悪になってくると命令口調が鼻に付く、ハードな
ブートキャンプ? のような雰囲気無きにしも非ずの日々。
この所ぎくしゃくした会話の落とし所を探って、
闇の中で親子の語らい。少し沈黙が続くと、娘から、
「話題が途切れたねえ、お母さん」と振ってくる。
おいおい、ませっ子な娘よ。突っ込んで来るか。
振って来るか、親の出方を伺う娘。


我が家の1.17は、こんなふうにして2人で眠った朝。
一足先に起きて、シャワーを浴びる私。心持ち、穏やかな朝。
アドバイスを頂き、自分なりに悶々とし、仕事を離れると、
専門知識はどこへやら吹っ飛び、何かと頭ごなしになってしまう
かーちゃんと、反抗の兆しが見える娘の・・・
軟着陸の場を求めて、夜が更けて。
新しい朝。私は娘を起こす。そして、寝ぼけマナコの娘を、
赤ちゃん抱っこしてみる。重い重い、30キロになる娘を。
お座り抱っこの赤ちゃん抱っこをしてみる。

子どもが伸びる関わりことば26―発達が気になる子へのことばかけ

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