Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

食は鎹(かすがい)

「食べ物で釣る」という言葉がある。
一つ鍋の、一つ釜の物を分け合い、食事を共にする、
それが家族。それが仲間。一宿一飯の恩義を受ける者。
山盛りに食べたいだけ食べる時もあれば、
ひもじくあり合わせで我慢。冷凍をチン。
店屋物を取る家もあるだろう。さすがに我が家では無いが。


腹が減っては戦はできぬ、以前の問題。
腹を空かせた人間は、機嫌が悪くなっていけない。
どうにもこうにも尖って来る。突っかかってくる。
突っ張ったりする。殿方が婦女子の機嫌を取るのに、
ケーキセットの類、甘いものを用意する。
これは正しい。(笑)

故に、「知・情・意」の振幅が大きくなってきて、
かわいいだけでは手に負えぬわが子を懐柔するのに、
もしくは機嫌を損ねた家人を扱うのに、
とにもかくにも「美味しい食事」だったり、
「珍しい食事」だったり、問題をすり替えているのか?と
自分でも思うほどに食事に熱が入ったりする。
用意するのも、食べ歩くのも。


買物する店、八百屋や市場、路地裏の露店に屋台、
みんな話題を探し、苛立ちを沈めるための借景と化す。
飢えを満たし、もしくは渇きを抑え、寒さを忘れるために
「一時休戦」から、何を拗ねていたんだっけ?
何を怒っていたんだっけと持っていく、力技。
食事と料理。これを奪われたら、もう立つ瀬が無い。
万策尽き果てるのではないかと感じ出している、
今日この頃のかーちゃんなのだ。


それにしても朝から娘に卵を割らせて、
かき回す練習もさせて、ホットケーキ作り。
家人にひっくり返させ、バターと蜂蜜を塗って貰い、
お皿の上で6等分。手伝ってもらう方が、
遥かに時間が掛かるが我慢我慢。
楽しいながらも、哀しいかな、ストレスも溜まる。
休日の朝、一緒にお料理(お料理指導)


あちこちのブログを渡り歩くと、手間隙かけた食事、
メニュー、レシピ、写真が盛り沢山。
私はその努力と志の深さに脱帽しながらも、
同じことはできないとため息を付く。
平日できない分、お手伝い兼体験学習を試みる、
ささやかなかーちゃんの目論見は、挫折しがち。

           

結局予定していたことの半分もできない今日も、
15時からの外出という異例の事態。
結局、14時から始まるランチの店に行くために、
コートを着込んで電車に乗って、天六へ。
メキシコ料理のランチの辛さに悲鳴を上げているのに、
更に別の店のタコスやナチョスを梯子して食べ歩き、
帰宅後クラムチャウダーもどきのシチューで、
お代わりをしている娘よ。やれやれだ。

 

何か一つする度に衝突し、褒められるよりも、
年相応のお姉さんらしい行動を求められる君。
そう、もう8歳になってから3ヶ月が過ぎた。
一人っ子の甘えたさんはかわいいが、人形では困る。
我侭な実力の伴わないお人形さんでは。
宿題だけしたら、それで家族の一員のように
ふんぞり返っている時代は、とっくに終わっているよ。


どこで見つけてきたのか、図書館から借りてきたビデオ。
昭和55年。もう亡くなった方々が声優で活躍している、
長編SFアニメ。(岸田今日子沖雅也が出ている)
懐かしい『地球(テラ)へ』
リアルタイムでこの竹宮恵子の作品を読んでいた私には、
映画化作品は余り好みではなかったが、
リメイクされたテレビ番組を見ている娘は、
娘は家人宅にリュックにわざわざ入れて持ってきた。
やはりここは、一緒に見るべきなのだろう。


よって、今夜はこのビデオ鑑賞会と夕食が、
暗黙の了解、仲直りの儀式となる。
(仕上げは、家人と娘のお風呂タイム)
小学生が起きている時間じゃない、我が家の日常。
自分に甘く他人に厳しい、だだ漏れの躾。
ああ、肝心な所でいつもいつも・・・。
歩留まりが悪いと呟く家人。食べ物も愛情も、
効率よく身に付くとは限らない。
やれやれ。