Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

振り返ってみると

家族とも仕事仲間との会話も少なく、「こなす」ことに追われ、
何だか気分が殺伐としてくると、ラジオを聞いたりTVの前に座る事が、
ある意味本当に息抜き・団欒になってきてしまい、
ありがたいと思うものの、このお手軽さには全く自分自身が怖い。
そういう意味では、15分の連続ドラマは妥当なラインだといえる。
あの調子で毎日1時間だったりしたら、くせに、麻薬中毒になりそう。


心が寂しいと、家族ドラマに嵌るのかもしれない。
プロ意識や女性らしさ、キャリアのようなものに憧れて、
チャングム」に遅ればせながら嵌るのかもしれない。
幼いとは言えなくなって来たおませな娘が、
お腹の中にいた時の映画が、TVで放映されている。
一緒にTVやDVDで鑑賞できる、この不思議さ、この感覚。
娘がお腹の中にいた思い出に浸りながら、同時に
別のメディアの中に、別のストーリーの中にはまっている。
包まれている、重ねている、この不思議な感覚。


もう半世紀近く生きてきた自分と、ひこばえのような娘が、
同じTV番組、ラジオの朗読、映画を見ながら楽しんでいる。
楽しみ方・癒され方はそれぞれだろうけれど、
笑うツボ・泣き所も微妙に違ってはいるのだろうけれど、
何だかぼーっと一緒に眺める家族がいるのはいいことだ。
(この甘さが、ダダ漏れかーちゃんにも繋がるのだけれど)


そして家族全員、メディアに毒された? 影響された中で
ぼんやりと時間が過ぎる。家族と向かい合うよりも、
自分の仕事の段取りを具体的に考えるよりも、
自宅研修どころではなく、家事をテキバキ片付けるでもなく、
家族ドラマや物語性のある「何か」にはまって、抜け出せない。
頭の中での形而上的な物事は、より具体的な視覚的な、
類型化されたものへと置き換えられて、単純な受け入れ易い、
自分から考え出すよりも先に提示されるものへと移行する。
何て楽チン、何てお気楽。
天才バカボン』のテーマソングが流れてきそう。
「これでいいのだ」と。

爆笑!アカツカTVショー?赤塚不二夫アニメ大全?

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『笑顔を忘れた現代人の為に~新世界へのアプローチ~』

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今週も『ちりとてちん』、良かったなあ。
とうとう娘も覚えてしまった「たち切れ線香」の話。
きっと本当の落語を聞きたいと思うようになったら、
TV局と落語協会の思惑は大成功。未来のファンを
にほんごであそぼ』に続き、着々と育てているのだから。
五木ひろしが歌番組でもないドラマ出演で歌うはずは
ないと思っていたけれど、カメオ出演よりも出番は多かった。
ま、いい役どころでした。


それに娘は「ふるさと」のさびだけをドラマで覚えてしまった。
ああ、誰にもふるさとがある♪と口ずさんでいる。
夫婦の間を取り結んでいるのは、誰でもない、
どじで落ち込みやすくて肝心な時に失敗する上がり性の、
いつまでも主役になれないと嘆いてばかりの主人公。
隠れた主役だということに気が付かないきよみちゃん。
そのことを指摘してくれる親友のじゅんちゃん。
いいなあ、こういう友達。
人にスポットライト当てる仕事は素晴らしい。
夫としての草々さんとのしみじみとした会話。
「お前やったんやなあ、お父さんとお母さんを結び付けているのは」


そして喧嘩しながらも自分たちの若い頃を反芻している、
お父ちゃんとお母ちゃん。娘夫婦を見ながら、
思い出さざるを得ない自分たちの若かりし頃の思い、情熱。
「お前を失わんで良かった」こんな台詞を相方から言われたら、
相手に惚れ直してしまいますよね、たいていの場合。
週の終わりのこの落ちに、今回の夫婦落語会の「たち切れ線香」
いい伏線になって響きます。相手を失う羽目になる世界。
線香1本の逢瀬と、現実の世界でのすったもんだの付き合い。
相手を失うも育てるもお互いの付き合い次第。


今週の『チャングムの誓い』良かったなあ。
でも主人公が頑張れる背景には、ミン・ジョンホの力がある。
為政者である王様に、「適材適所こそが指導者の仕事」と言い切る当たり。
あんな人が側にいればなあと、女性はみんな憧れるよね。
「男と女、ではなく人が大切」その人となりが問われるのだ、男女ではなく。
まあ、世界的に主流のメッセージではあるわな。


天然痘の治療に関しても、別に天然痘に限らずだけれど、
病によっては無理に熱を下げるのは危ない、
治療よりもまず予防が大事、看病する側が健康でなくては、
まず、病人の周囲にいるものが治ると信じて側にいなくては。
そういう台詞を聞いていると、何に対してもそうだと
苦い思いを噛み締めている自分に気が付く。


病を治すということが、上から押さえつけるようなイメージではなく
病を自然に進行させたので軽く済んだというイメージで描かれる。
隔離された病棟とはいえ無い粗末な藁小屋の中で、
ひたすら子供を抱き続けるチャングム
母心で子供に接する、無私の姿勢で病と闘う、
慈しみの心で病人に接する、医の原点。医術の心。


それは一つの理想に過ぎないけれど、私達には理想が必要だ。
具体的なイメージで示される理想が。
迷っている自分を支えてくれる理想が。
悩んでいる自分を慰めてくれる理想が。
でも、チャングムの様にはなれない。だから憧れる。
そしてその仮想世界の中で、何でもできるチャングムに憧れる。


ドラマの家族に憧れる。ドラマの主人公に憧れる。
そんな自分に何ができるか、ふと我に帰ると現実。
映画の世界から我に帰ると現実。
そこに少なからずげんなりするのだけれど、娘よ。
君はそこに未来を見出しているのか?

赤塚不二夫 漫画大全集 DVD-ROM

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宮廷女官 チャングムの誓い 総集編 [DVD]

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あれ、はてなハイクって何だ?
私には使いこなせない、よくわからないコーナーが。
http://h.hatena.ne.jp/keyword/%E3%81%A1%E3%82%8A%E3%81%A8%E3%81%A6%E3%81%A1%E3%82%93