Festina Lente2

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拾いたい音は

私の耳はこの時期、雑音ばかりを拾ってきている。
この場合雑音というのは、聞きたくない内容の話という事。
年度末、仕事に関する話で押せ押せの予定がぎっしりなのに、
心温まるような話題が職場に少なすぎるから。
週末、心穏やかに迎えたいと思っていても、ね。


世間様でもありがたくないニュースばかりが。
国際関係を不穏にしている食品問題。
自給自足できないだけに、食い物の恨み?
いやいや、中国だけが悪いんじゃないと言っても無理。
なんでも値上がり傾向が続く中、味方だと思っていた安価な食品、
安価な品物、その安全性が疑われた日にはね。


食ばかりではなく、旅行関係にも響いているんだって。
五輪特需を当てにしていたのに、ねえ。
それはそうでしょう。オリンピック大丈夫?
中国に行ったことのある私、ちょいと昔ですけれど。
かの国に衛生観念は? トイレ体験は強烈だったから。
忘れかけていたのにあの記憶が蘇ってきて、買い物が大変。


それにイージス艦の事故。これでイージス艦の印象、
決まっちゃったかも。せっかくの最新鋭の設備も当てにならない。
海の上の安全、それも国内での航行がこれじゃ、
国防に予算を掛けることに何の意味があるんだと、
飛躍した論議になってしまっても仕方が無い感じ。
「どけどけどけどけ、俺様が通る」的な航行で、
当たり前の態度だったんだろうと顰蹙を買っても、遅い。
犠牲者には心からの冥福を。


でも本日、最も大きな雑音は「滲み出し」の余波。
そう、来年度に向けての人事異動に関連して、
心の中のざわざわ感・苛々感をいや増しにしてくれる、
「例の噂」です。情報公開ならぬ情報小出しの弊害。
ある人は仕事が手に付かなくなり、ある人は期待一杯、
ある人は後は野となれ山となれ状態になる、「例の噂」。
確定事項ではなく、予定の段階でもこれだから。

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先週は家人の転勤? それに絡む引越し準備か?という
心理的ストレスもありました。その情報が確定事項なら、
我が家の年度末はてんやわんやは必定、しかし、
お上からのお達しでは、否やも何もあったもんじゃない。
ライフイベントとライフストレスの相関はご存知の通り。
そして、直接自分の身に降りかからなくても、
余波、影響はもろに被りがちな職場での仕事内容。


人員確保・人員配置がどうなるのかで、自分の何年間かが
下手すれば定年までを左右されるわけで、気が気ではない。
実力だけで世渡りできるわけではないし、
かといって上の覚えめでたければ、遣い回しされるだけという
貧乏くじだってアマタぶら下がっている、博打な世界。
玉突き人事、あみだくじ人事の滲み出しに踊らされるわけ。


年度末、殺伐とした噂が飛び交い、それに輪をかけて、
知事のスタンドプレイか? 放置プレイの方が良かったと
陰口・非難轟々の政(まつりごと)関連の情報が飛び交い、
本日職場を分断し、壊滅的にさせるのか再生させるのか、
運命の分かれ目です、といった感さえある滲み出し。


耳をすませば聞こえてくるのは雑音ばかり。
不穏な通奏低音に、はっきりしないない主旋律。
ソロのパートを弾きこなす人はいない。ならばみんなで、
一斉に不協和音、意味不明の現代音楽か?
そんな気持ちにさせられる、職場での雑音かまびすしき一日。


こちらはじっと噂話を集めて聞いているだけで済む、
古道具屋の付喪神ではない。お話の世界のように、
店の主人が心得ていて、剣呑な所へ品物を貸したりしない、
そんな扱いを受けながら生活をしているわけではない。
「哀しきことを面白く」見聞きして受け止めようと思っても、
今日はこれで限界だなあと思うことも、しばしば。
オマケに本日はまだ前哨戦なのに、この有様。
雑音が、主旋律に取って代わる日はまだ先なのだ。


そんな思いで帰宅すると、娘が炬燵に陣取って
懐かしいアニメ「耳をすませば」を見るという。
おいおい、終わるの23時過ぎだよ。
どう考えても小学校低学年が見れる時間じゃない。
案の定、後半すやすや寝ていました。
おませな娘よ。思春期のお話に憧れる娘よ、
今までも見た事があるのに、やはり見たい?


そう、周囲の雑音に囚われず自分の未来からの音に
本当に聞きたい言葉、したいこと、内なる心の声に、
心配する者の言葉に耳を傾けられる時間は少ない。
心柔らかに、曇りの無い目で未来を見つめ、
濁りの無い音を聞き逃すまいと耳を澄ますことのできる、
そんな初々しい時間は、人生にそう多くは流れない。


主人公たちの会話、思い、今時こんな中学生いるかな?
そして、炬燵で眠りこけてしまった娘は、
毎日どんな音を聞いているのだろうか?
柔らかな心、その耳に届く音はどんな音なのだろう。
雑音や不協和音の中から逞しくも、
自分だけのメロディを紡ぎ始めているのだろうか。


耳を済ませば、娘の鼓動が聞こえてきそうだ。
どんな夢を見ているのか、赤いほっぺ。
その安らかな寝息に仕事の憂さは浄化され、
やっと週末への心の切り替えができそうだよ、
かーちゃんは。

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