Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

「ひいな」は何処

わが Festina Lente らしからぬ訪問客の続いた賑わいも、
やや下火になって、ようやくいつもの落ち着きを取り戻したよう。
一見さんでもお出で下さった方が、『ちりとてちん』以外の記事にも
興味を持ってくだされば嬉しい限りなのだが・・・。
身辺雑感を書いていて、それは厚かましいお願いかも。
             


本日3月3日。お雛様。雛祭り本番。
なのに、我が家には本当のお雛様が飾られていない。
出されてもいない。そう、出してくる暇も無く、
出してくるスペースも作る暇無いまま、
如月から弥生に突入してしまった。
飾るのにも運び出すにも手間暇の掛かるお雛様。


実は我が家には年がら年中飾られている、
引き出しになっている雛壇に金平糖が入っている、
布製のお内裏様とお雛様がビデオ用本棚の上に、
小樽土産ガラス製のお内裏様とお雛様がピアノの上に、
蛤に布を張って作ったものが靴箱に、
娘の作ってきた折り紙と牛乳の蓋製のものも、
実に4組のミニ雛飾りが鎮座ましましている。


オルゴール付きのガラスケースに収められている、
お内裏様、お雛様、3人官女、左大臣右大臣たちは
運び出されることも無く、奥の間に。
私の子供の頃飾った7段飾りの本格的なお雛様は、
もう箱詰めになって天袋、袋戸棚に納められたまま。
なんとも罰当たりなもったいないままなのだ。


今年 http://fyayoi.exblog.jp/8218996/ で紹介されていて
初めて知ったお雛様飾り、柳川のさげもん巡り。
そういえば、春先、水郷柳川を旅した昔を思い出す。
いつか娘と二人で行きたい、この雛祭りの行事を見に。
そして、こちらYamyam町一丁目で紹介されている行事は
家人の実家の隣の市での催し。
知っていたら今まで行く機会を設けていたのに。
こういう行事があるのを知らないのかしら?
教えてくれた事が無いので、殿方は興味が無いのかも。

ちりめんの押絵とつり雛とてまり (弓岡勝美の手芸図鑑)

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ひなまつり―平安の優美漂う折り紙 (雅の技と演出の達人)

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雛まつり 親から子に伝える思い

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大阪・埼玉に来てからこの数年、
特に雛祭りに関する行事と関わることも無く来た。
昨年は日曜ということもあって、かねてから念願の
雛流しの行事を見に行くことができ、貴重な体験。
その船の先頭を担がせてもらうという僥倖。
淡島神社の雛流しの記事はこちら。
http://d.hatena.ne.jp/neimu/20070303


今年は何とも節目・めりはりの無い雛祭り。
平日の雛祭りはどうも、日常生活のばたばたに紛れて
終わってしまっているのが虚しい。
特に今年は長引く風邪で体調が優れない。
昨日も梅見の後、1時間半ほど横になった。
夜行性の生活がいけないのかもしれないが。


娘が生まれた翌年、初節句の時は育休中だったので、
物心付かない娘の前にきらびやかなお膳をこしらえ、
桃の花や菜の花も飾り、記念写真を撮ったものだが。
物心付いた娘に情操教育をと思いつつ、
いい加減な生活をしているかーちゃん。
給食では散らし寿司が出たと娘は素直に喜んでいる。
季節感溢れる配慮、ありがとうございます。
かーちゃんが先月から用意していたのは、雛霰だけ。


 

徳島にご縁があった娘がごく幼い頃は、
勝浦町にあるビッグひな祭りに欠かさず出向いた。
体育館の天井まで届く程の雛壇にびっしりと飾り付けられた
驚くほど沢山の雛飾りを毎年見に行っていたのだが・・・。
ご存知ですか、ビッグひな祭り。
見に行く機会のある方は是非1度、お出かけ下さい。
そして、お雛様の里親にもなれます。
興味のある方は是非。今年は20回目、3/20まで。
http://www.town.katsuura.lg.jp/index.rbz


その道すがら、和菓子屋の前には早咲きの桜、
店内には雅な雛人形、和菓子の作り物、
そこで一服して土産をあれこれ選ぶ楽しさ。
その土地柄が生きている起伏に富んだ徳島の四季。
大阪の田舎の都会から失われた、ゆかしい日々。


徳島は造り酒屋、地酒の美味しい所でもある。
地元の人だけに知られている美味しい地酒も数々。
世間的に知られている鳴門鯛や芳水、瓢太閤ではなく、
昔蔵元を訪ねた時に江戸時代のお雛様を飾っていた、
江戸時代からの酒蔵、今は那賀町になったのか那賀酒造の
「旭若松」が忘れられない。


お酒の美味しさもさることながら、一体一体が大きい
享保雛の系列かと思われる大きな雛壇の飾られた酒屋。
伝統というものが、ひいなが守り伝えているものが、
感じられた薄暗い母屋、酒蔵。


白酒甘酒もいいけれど、美味しいお酒で美味しい料理。
そんな、ゆったりした時間を夢見つつ、
今夜も仕事。雛飾りと連なって、思い出される荒絞り。
もはや女の子ではなくちょっとひねた女の子の想い出は、
家族のルーツ、徳島に還って行く。
そんな3月3日の夜更け。

りかさん (新潮文庫)

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