Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

自己診断の夜

仕事は自分が兵隊で動く場合と、何かしらのまとめ役だったり、
長で動く場合とでは役割が異なる。
モザイクのように自分の役割が入り組んでいる時、
ある時は遣り甲斐を感じ、時と場合によっては徒労感にまみれる。
この2日間は、後者。よって心身共に疲労困憊。
昨日の読書などは、ある意味、現実逃避の場に他ならない。
別の言い方では、気分転換とも言うが。


この2日間、昼食抜き、コーヒー1杯口にできるかできないか。
さすがに堪えた。水分補給もままならない。
一つは忙しさ。気ぜわしさ。
新年度開始後特有の、眩暈のするような忙しさ。
新しいローテーションでの引きつぎ、回転のぎこちなさ。


幾つものチームの不揃いな足並み。
不安定・不穏当な人事配置の影響が、そこかしこ。
接着剤の足りない構造物の不安定さ、さながら。
それを見ながら見切り発車の新年度の仕事。
会議、ほう・れん・そう。
受け答え、打ち合わせ、裏を取り、集約、練り直し。
一言の中にねぎらい、労わり、感謝、気遣い、お詫び・・・。


気が付けば、夜も19時を過ぎ、今日も今日とて最後。
娘と夕食はTVを観ながら、おそおそだ。
久しぶりに観る、「たけしの本当は怖い家庭の医学」で
ちょうど「繊維筋痛症」をやっていた。
思わず自己診断
18箇所の圧痛点のうち14箇所も痛い。超激痛ではないから安心?
11箇所以上だと、マズイ訳で。あんまりいい傾向ではない。


元々肩凝り頭痛持ち、中学生の時からの3度の交通事故、
頸部の鞭打ちは事故やスキー、その他結構きついものがあった。
捻挫、骨折、肉離れ、ヘルペス、元からの姿勢の悪さ、
最近の運動不足、そして何よりも、仕事のストレス。
過労とストレスと発熱・痛みと眩暈と吐き気はお友達。
負の連鎖で、風邪やヘルペス副鼻腔炎、体のあちこちの痛み。


からだは正直。休みたい、今日はしんどかった。
メンタルエステならぬ、自分で「いい子いい子よしよし」が、
なかなかうまくできないと、本当に堪える。
お客さんから「受け流すのも仕事、役職のうちですね」と言われ、
全く同感。頭でわかっていても、体が付いていかないんだけれどね。
そして痛みに逃げちゃうのかなと、自己嫌悪。

NHKためしてガッテン「腰痛」「ひざ痛」「肩こり」解消の新ワザ (AC MOOK)

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線維筋痛症こうすれば楽になる―全身の痛みに対処する生活と心のコントロール

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前例は否定しても代案なし。総論反対各論賛成。
もしく総論賛成各論反対。要は、まとめる気はない。
融通は利かさず逸脱するも、鉄壁の自己の正当性把持。
非難・批判のみ。何もしないよりひどい。
その場を壊すだけ。相手を傷つけるだけ。


解決策を見出すのが会議やチームワークのはずなのに。
Iから話さず、Youからのみの会話パターン。
比較の最後は、バランス感覚を欠いた損得勘定。
歪んだ被害者意識とプライド。
議論にも意見交換にもならないまま、時間は過ぎ。


若い頃は兵隊で、言われるまま指示されるまま、
元気一杯結果を出そうと、理想を目指してがむしゃらに動き、
自由な裁量、誰かの手の平の上で、手のうちで守られて、
好きなように色々できていたのだなあと、改めて思う。
それはもう、させて頂いていたわけで。


損得勘定を抜きにして、動く事ができ、やりたい事ができる。
役に立っている。何かを任されている。
そういう感覚が素直に持てた、あの頃。
それがある意味「若さ」だったのだと、改めて思う。
機を見るに鈍、頑固一徹、猪突猛進、そんな私をうまく使ってくれた、
かつての上司や仲間、適材適所でさばいてくれた手腕を、
今更ながらに懐かしく思う。見習いたい。


会議は紛糾する。個人攻撃や、僻み妬み、捨て台詞で空回り。
特定の人物の何が何でも足を引っ張ろうとする行動。
大多数の人は「サイレントマジョリティ」。
見てくれている人は見ている、と言うがどうだか。
傍観者は何もしない。決断し、事を運び、結果を求めて動く時、
最初から「反対と非難と批判」を錦の御旗にされては困る。
雑談での好悪の感情を持ち越し、仕事に私情を挟むとは・・・。
よって、会議は紛糾する。


こんな日の「ほう・れん・そう」は哀しい。疲労困憊。
食欲どころか、水も飲めない感じがする。
お茶を入れてくれる、入れて飲めるような雰囲気も無く、
暇も無く、慌しく入れ替わり立ち代りスケジュールが交錯。
次々に予定をこなした後に、力を振り絞ってというか、
あえて今しなければ大事になるという立場での
「ほう・れん・そう」は哀しい。
身も心もバラバラになるような、虚脱感。


立場や役割、職務に忠実であろうとすればするほど、
一部の人間の不満や怒り、僻みや妬みを触発するのが、
当たり前と言えば当たり前の社会なのだが・・・。
受け流すのも仕事のうちだと言われる。「柳に風」とは行かない。
議論・話し合いができない人は、根に持つ。
酔わずともくだを巻く。それが、同性なので尚更堪える。
哀しい気まずさで一杯になりながら、一日を終える。
体中が痛い。心も痛い。鶏が先? 卵が先?


本日も警備員さんに挨拶。最後に帰宅する夜。
重たげに頭を垂れて、八重の桜は風に揺れる。
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」いや、これは八重桜。
ソメイヨシノの終わった後に、ハナミズキと競い合うよう。
勝負は桜の一人勝ち。いや本当にそうなのか。
桜とて頭を垂れるものを。ハナミズキとて天を見上げるものを。
何ゆえに、何ゆえに。思い巡らせ家路を辿る。


自己診断の夜。仕事の面でも、体調面でも。
メディカルホラーチェックではないけれど、
娘が怖がる唇の青いゾンビな看護婦が、側に立っている気分で。
自己診断の夜。自分の体を守ろうとすると、仕事。
自分の仕事を確保しようとすると、体。
して、その心は? 


娘が心配する。「昨日よりテンション下がっているよ。」
「そうかそうか、(何があったか)言いたくないか。
 では、言いなさい。」(川原泉のマンガの台詞をまねている)
娘が心配して、おどける。おませな娘は、私同様、川原泉のファン。
『本日のお言葉』の真似をして、格言ぽくしゃべる。
2人でリラックマの人形で遊ぶ。
自己診断の夜。ささやかな夜の時間。
自己メンテナンスは、「娘に甘える」「娘とじゃれる」


ああ、『チーム・バチスタの栄光』の高階病院長のような采配、
口調でやんわりと老獪に会議をまとめてみたいなあ。
そんな事を夢見ながら、少しだけでもからだを横にして、ひと眠り。
また、明日。また新しい一日の前に。
ひと眠り。

新・本日のお言葉

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リラックマ生活―だらだらまいにちのススメ

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