Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

私の髪は何色?

疲れてます。仕事してお迎えに行き、歯科耳鼻科と連ちゃん。
重なる時は重なるんです。

17:45 音楽教室でピックアップ。
18:15 娘の乳歯が虫歯になりかけで治療。フッ素塗布。
19:15 耳鼻科。アレルギーでハフハフしている娘。
    私も昨夜から会議のいざこざのショックか何か、急に顔面神経痛?
    目がぴくぴく、かゆいかゆい、急に鼻水。全く絶不調。
20:20 院外薬局で薬を貰った後、休憩。久しぶりにミスドへ。買い物。
21:10 帰宅。ごめん。今日は一緒に基礎英語聞けなかった。


娘の後に入浴中、はっと気が付くと湯船でうとうと。
髪を濡らす予定は無かったのに、あーあ。
で、髪に巻いたタオルを取ると・・・!?
白いはずのタオルが茶色と青に変色! こは如何に?
入浴剤はオレンジの香り、タオルの変色には関係ない。
白いタオルはペーパークロマトグラフィーのように、
薄くのびてのびて、広がって着色。
ん? もしかすると、これは・・・?

ちょっと詳しい液クロのコツ 検出編

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ちょっと詳しい液クロのコツ 分離編

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そう、先月生まれて初めて外の美容院でヘアマニキュア。
娘にも家族にもそろそろちょっとお手入れをと言われ、
職場でもかまびすしい連中に白髪を指摘され、
年に2回しか行かない美容室でお手入れして貰った髪。
普段は自分で白いものが目立つ所だけヘアマニキュアで
部分染めしていたんだけれど、今回全部染めてみたの。
自然な黒髪で満足していたんだけれど・・・。


所詮、人工の染料。色が落ちてくる。それも普通のシャンプーより、
濡らすことによって色がにじみ出てくるらしい・・・。
ああ、何だか不良品の染物のような私の髪。
濡れた髪に巻いた白いタオルは実験用紙よろしく染料成分を、
ペーパークロマトグラフィー状に色付けしてくれたらしい。


茶色と青。基本この2色が帯状になっている。
一体私の髪は何色? 自然な黒に染めてもらっているけれど、
茶色と青で成り立っていた、自然な黒み?
別のカラーを入れていれば、このクロマトグラフィーは
もっと違うものに変化しているに違いない。


それにしても、湯船に広がる白いタオルの青いインクのような筋、
昔懐かしい万年筆のブルーブラックが滲んだ様なこの色合い。
なんて物悲しい色を頭に載せていたのだろう。
なんて心寂しい色合いで黒髪を演出していたんだろう。
自分の髪を染めていた、専門店での名も知らぬ染料に、
こんな思いをさせられるとは・・・。


少しずつ色が取れ始めた所は、髪が茶色がかって見える。
職業柄、明るい髪の色は望ましくないだけに、気になる。
馬鹿馬鹿しいほどお高くつく美容室のヘアマニキュア。
今までのように自分でしよう、上手にできないかもしれないけれど。
収入減が明らかになった年度初め、緊縮財政を組まねばならぬ。


あのねー。おかーさん、君と二人で「休憩」と言って、外食。
例えば、音楽教室のあと、ミスドマクドに行ったりしていたけれど、
おうちに直行でご飯食べようね。そういうと、先走った娘は、
「例のあの人のお陰で、二人の楽しい時間が削られるんだね。」と
おかんむり。我が家では巷で話題の知事はハリポタの悪役、
ヴォルデモード並みの扱い。「例のあの人」
様々な施設、催し、緊縮財政のヴィジョンがどう考えても、
「子供が笑う大阪」ではなくて、弱者の尻尾切り。


公立学校ではトイレには電気は付かない状態だそう。
付けられない。経費節約の一環で。廊下はもちろん暗い。
なかなか侘しい教育環境。予算が付かないので、派遣カウンセラーも無い。
創り上げるのに時間とお金が掛かるのに、壊す時には一気。
仕事もブルーが入っている年度初め。
帰宅しても髪もブルーがかっていたのか、とマイナー気分に。

The Blue Day Book for Kids―落ち込む日ってあるよね? (ブルーデイブックシリーズ (8))

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それでも髪の色はこんなふうに、タオルに出てくる分だけ素直。
人の心の色は、何でどんなふうに染められどんな色になるのか、
全くもってわからない。美しく色付く時もあれば、
汚泥に塗れるように、吹きすさぶ風に晒されるように、
心の色も褪せ、無残な姿になる事もあるだろう。
そんな思いで、揺れる水面、湯船を眺める。


されど、一見枯れ木に見える冬の樹の中を流れる生気のように、
人の目には見えない鮮やかな色や、あでやかな色、
はんなりしたえもいわれぬ美しい色艶が隠されていて、
眠るように穏やかに、秘めたる芯の強さで準備されているだろう。
そうだ、心の中のクロマトグラフィーも一色ではない。
ブルーで始まり終わる、そんな事は無いだろう。


薄く尾を引くほうき星。彗星のように冷たい色を残す。
その髪の色を、見たままの色ではなく、
若かりし頃のみどりなす黒髪ではないけれど、
人生に疲れたブルーブラックの滲みだけで終わる事の無いよう。
心に染みだけつけて、終わる事の無いよう。
そんな思いで湯船に浸かる、クロマトグラフィーな夜。


私の髪は何色? 私の心は何色? 
日々の生活に染めて染められて、
どんな色になるというのだろう?
物哀しいブルーブラックの色に魅せられつつ、抗う私。
どんな色が隠れているのか、どんな色を出すことができるのか。
そんな思いで湯船に浸かる、クロマトグラフィーな夜。

一色一生 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)

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母なる色

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語りかける花 (ちくま文庫)

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