Festina Lente2

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「あぶな坂HOTEL」へ行ってみる?

巷に話題を振りまきたい余りなのか、涙で道化ている長を頂いている
府民、毎日ブログの話題が暗くなっていくのが、自分でも嫌。
しかし、同僚がぼそりと言う。「知っている? 全国の高校生の奨学金
4億円ぐらい滞納があるらしいよ。半分は大阪の高校生なんだって」
ホントですか? マジですか? 教育を受ける権利も必要だけれど、
家庭の経済状態はどうなっているんだ? あ、そうか、
だから大阪府は赤字なのかな? 大家も店子も赤字だから、
いや、そういう問題で片付けてもいいのかな。
でも、実際生活が苦しい家庭が多いのは確か。


ケータイは家族全員持っていても、学費は出さない。
コンビニで買い物してファーストフードで食べても、
給食費は払わない。そうじゃない切り詰めた生活をしている人も、
一緒くたにして、非難されたり批判されたり・・・。
「支援」という言葉は昔あんまり聞かなかったと思う。
「支援」が必要な人と、「依存」する人の区別が、
「依存」以上に「寄生」したりする人もいるから。
何もかも、ごちゃ混ぜに一掃されたりする。
全力尽くしても助けられない事例の手術でも、
単なる人災にされてしまうように。


真剣極まりない討議の場に、非難される事を当たり前で、
説明なのか弁明なのか釈明なのかともかく、きちんと話すべき人が、
お涙頂戴で舞台に出て来るんだもん。さすが芸能人上がり。
演技力で政治をカバーするかと思っちゃったよ。
職場の話題は暗いし、帰宅すれば新聞やニュースはオイオイだし。
職場では「マングース」のような人間が、生態系を荒らしていて、
もう疲労困憊の毎日。で、ささくれ立っているかーちゃんを前に、
娘も何だか低空飛行です。
というのは、本日も・・・。

ことばの生態系―コミュニケーションは何でできているか (慶応義塾大学教養研究センター選書)

ことばの生態系―コミュニケーションは何でできているか (慶応義塾大学教養研究センター選書)


連絡帳を忘れる、宿題を忘れる、連絡帳を見せない、忘れ物を書かない、
ばれないように稚拙な秘密工作しているのか、していないのか。
何といっても、朝取った検尿を手渡しても、忘れていこうとするくらい。
家庭訪問のプリント、授業参観のプリント、自分から出して頂戴よ。
本当に困ってしまう。かーちゃん「小言ばばぁ」になっちゃうよ。


私は根本的に持ち物検査は好きではないから、
娘のランドセルを、親の権限で点検することはしたくない。
自分から連絡帳・プリント挟みを出して。見せるように躾けてきた。
・・・つもりだったのに、ダダ漏れ。2年の後半から無茶苦茶。
新学期になって、どうしたものか。
新しい初めての男の担任の先生の話題、友達の話題、無いの?


・・・それとも、連日荒れているかーちゃんを前に話しにくいのか。
育児相談に電話をかけたいと落ち込んだりする事もある、毎日。
構って欲しいサインなのか、単に親の目が行き届かないだけなのか。
忘れ物は、忘れたいから忘れてしまうのか。
忘れたくなくても忘れてしまうのか、どっち?
家人に愚痴れば、「ばーちゃんに似てきたんだろう、真似しているのかな」
そういうリアクションを、冗談でもして欲しくないんですけど!


それでなくても、本日母の通院日。MRIは幸い異常なく、
今のところ目立った進行は無いとはいえ、物事の境界が曖昧で、
その日その日の状態任せであることには違いない。
服薬していても、慢性であり続けるということの裏には、
どうしていいのか、どう生活を支えればいいのか悩んでいるというのに。


そののーてんきな家人が、
親子で誕生日さえ祝う習慣が無い家庭で育った人が、
「そういえば、母親の古希の祝いをしなかった」なんて言う。
どういう風の吹き回し。スイートテンダイヤモンド欲しい!と
呟いて見た私に影響された? (来週月曜が誕生日)


確かに親の誕生日は祝っても「古希の祝い」とは、意識してなかった。
でも、よく考えれば、(考えなくても)
3月は母の4月は父と私の誕生日で、おまけに、両親は金婚式、
父に至っては喜寿だったのに、何もかもおめでたい節目を忘れて
のほほんと仕事にかまけているろくでもない娘は・・・、私だった。
ああ、娘の事叱れない。情け無い。

遠い日の忘れもの―生まれたあの日、母は本当に私を愛していたか

遠い日の忘れもの―生まれたあの日、母は本当に私を愛していたか

おとぎ話の忘れ物

おとぎ話の忘れ物

大切な忘れもの 自立への助走

大切な忘れもの 自立への助走

こんな時、仕事を忘れて、ふと萩尾望都の新作『あぶな坂HOTEL』に、
ちょっとお泊りに行きたい気分。家族や人生を見直すために。
「よもつひらさか」まで出かけていって、夫婦を、親子を、きょうだいを、
見直したい気分。そしたら、一度でも何度でも、やりなおせるかも。
上手に涙を隠せるかも。わざわざ見せるのではなく、
決してごまかすわけではなく、テレながら涙をぬぐえるかも。


少女漫画界のトップを走ってきた人間は、介護自殺やノイローゼ、
突然の強盗殺人、自動車事故、雪崩、心中、世間と家族の生々しさを
さらりとファンタジックに描いてみせる。
生々しい部分をそのままさらけ出さずに、考えやすいように置き換えて、
読者に提示する。そこに自分自身を見出しやすいように。
自分を取り巻く人間関係の縮図を投影しやすいように。
子どもの頃の自分を思い出し、未来を思いやり、現実を受け流す事を
指示するのではなく示唆するように、ストーリーは流れる。


娘の忘れ物。あんまり叱っちゃいけない。
それでなくても、今週末は離れ離れで過ごす。
出張・研修・試験・休日出勤、その他諸々。
親が抱えきれないものを、子供が受け止めてアップアップしている、
そんな現実を、忘れずに、忘れているのは親子にているねと
笑い飛ばして、記念日を見つけに行こう。
思い出したのだから、見つけに行こう。
かーちゃんは一人で山へ行ってはいけない。
行きたい気持ちを抱えながら、今は君の側にいなくちゃね。


かーちゃんは山を見上げながら、坂を上りながら、
えっちらおっちらメタボになりつつ、頑張らなくちゃね。
忘れたい事は多々あれど、忘れてしまった事も多々あれど、
忘れないように頑張らなくちゃね。

あぶな坂HOTEL (クイーンズコミックス)

あぶな坂HOTEL (クイーンズコミックス)

山へ行く (flowers comicsシリーズここではない・どこか 1)

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