Festina Lente2

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院長回診

(この項5/9 UP)

さて、連休明け院長回診、その物々しいこと。
3時前から何度もナースがやって来て、そわそわ。
「もう隣の部屋まで来ていますから、前開けて待ってて下さいね」
パジャマなんてすぐにお腹出せるって・・・。
そこまでピリピリしないといけない訳? 
連休中に回診は有り難いと言うか何と言うか、
検査・手術を連発・御託宣する物言いは引っ掛かるので、
却って回診がストレスだったりするのですが、
今日の物々しさはまさに異様。
大学病院の、白い巨塔の教授回診じゃあるまいし。


パソコン台に向かう主治医・院長、ナース3人、事務員1人、
なんなんだ? それでポンポン出したままで、
隣室から「おはす」のを、お待ちしておけと。
そして、再び明日検査? 何の? と訊ねる暇もなく
大名行列はすぐに出て行き、カーテン開け放しで去っていく。
(院長が主治医なのは、この病室で私だけ)
廊下から私のベッドは丸見えになる。
看護師さん、行列最後、せめてカーテン閉じて欲しい。


入院当初から、1年半前の主治医がいないこともあって、
誰が主治医かわからないまま、一夜明ければ院長先生。
他の先生方の様に、外来前に気軽に病室を覗きに来ることは無い。
患者としてはそうやって来て貰える方が、気楽で安心。
物々しい行列は、患者本人がと言うよりも、
スタッフの緊張を生み出している、としか思えない。
というか権威的儀式に付き合わされている様な気分。


初対面の院長先生に、こうも馴染めないのは、
日々の回診が大名行列のせい?
他に何かあるはず、今回とても苛々鬱々、入院している理由が。
前回の様に、前回の様に?

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僅かな入院・治療経験のせいで、いちいち比較?
超音波や産婦人科診察等、除外診断が無いから?
普通念のためにするはずだけれど・・・。
本当に痛いのは腸だけ? 本当に腹膜炎・憩室炎だけ?
自分の病状に疑いを持っているから?
治療計画書も渡されていないから?
前回よりも治りが遅いから? 
8日間も殆ど同じ抗生剤点滴に不信感?
24時間点滴をいつまでも続けられていることに関して?


前回だったらとっくに重湯からスタート。
水分のみ経口摂取可、いつまで?
抗生物質は服薬にしないで、入院中ずっと静注?
ナースに気になることを色々質問してみても、
「今度の院長回診の時訊いてね」って言われる。
しかし、あれが質問できる雰囲気なのか、今一つよくわからない。
御託宣と独り言の後去っていかれるだけで、患者向け説明はない。
それだけだろうか、この違和感。嫌悪感は・・・。


ああ、元の上司に似ているのだ。権力大好き人間の、
何でも上から御託宣で決める、あの元上司に。
年恰好、雰囲気、しゃべり方、ああ、そのせいか。
最初から投影が入っているから、以前の治療内容との比較以上に、
嫌悪感がずっと拭い去れなかったのか。
で、今日の大名行列で倍増されちゃったのか。
連休中はナースの数が少なかったから、お供は半数だったのか。


わかってしまえば他愛ないが、単純な投影ほど怖いもんは無い。
ミイラ取りがミイラになってどうする? 情けないけれど、
調子が悪い時だからこそ、普段抑えている物がストレートに出る。
介護休暇を取り、親を看取った友人の勤務評価を貶めた、
あの元上司に似ているのだ。・・・納得。
そんなしょうもない投影をしている暇があったら、
一刻も早く退院しなくては、余計調子が狂ってしまう。


大きくても個人病院。そして地域医療の要。
大学病院から何人かが出向き、アルバイト。
貴重な産婦人科を持ち、小児科を備え、医者を確保。
それだけでも素晴らしい人脈、権力。経営力。
ここ以外に入院できる所は、市民病院と隣の市の大学病院。
後は、新規に開拓しなければわからない、噂を聞かない病院ばかり。
ホームドクターに紹介されて行ける、カルテのある病院を、
大切にしなくてはならないと思っているのに。


経営者が毎日診療の現場に出ている。回診している。
その労をわかっていながら、単純に落とし穴に嵌る。
感情に左右される。気分に動かされる。
それでも、割り切れない思いは簡単には消えない。
投影もまた、「ピンクの象」の仲間だ。


・・・? え? 院長先生の検査って明日、注腸検査?
何で? 前の主治医だって炎症が治まらないうちは駄目だって。
注腸もファイバーも。今、CRPいくら? 
注腸・・・、検査の後、24時間点滴終えて5分粥潰瘍食になるらしい。
しかし、よりにもよって、まあ若い女性にはしない検査。
いいよ、おばちゃんだからねって、よくない!
非常に嬉しくない。


花かごの届いた日に、なんてこったい。
重病人でも無いのに、重病人になった気がする。
検査が多いと。御託宣されると。命令される感じで。
フットワーク軽く、枕元に来て、あっさり言葉を交わす。
そんな回診でいいのに・・・。


そう、患者は贅沢で我儘。目的説明の無いまま、
治療方針の無いまま、点滴生活を続けて来たけれど、
連休前に入院したから仕方ないと諦めていたけれど、
確実に気分盛り下がる検査を言い渡された、
連休明けの院長回診。・・・ため息の夜。

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