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So I'm a storyteller

再び今夜も「英語でしゃべらナイト
本日のセレブインタビュー、何とジョージ・ルーカス
スピルバーグと違って、少々テディ・ベアのような趣きの彼。
英語を学んで1年の拙いインタビュアーの質問に、
果たしてどんなふうに答えるのか。


本日のインタビュアー、普通ならありえない人選(失礼!)
態度だけはハリウッド級? 度胸と根性で「やり直し英語」に挑む、
俳優 八嶋智人。普段この番組を見ている人は彼の英語力は・・・。
いやいや、ハートがあれば伝わるかも。ルーカス監督が、
どんなふうに対応するかが、見もの。


さて、興味のある人はこちらをご覧下さい。

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印象的だったのはルーカスが映画作りを「物語」の創造として捉え、
そのために登場人物の設定に、非常に重きを置いていると力説していた事。
物語は主人公ありきと言われればそれまでだけれど、ルーカスは、
「登場人物は完璧じゃないから面白いんだ」と語っていた。


確かに映画になるような英雄譚にしろSF・時代活劇にしろ、
完璧な強者・完璧な悪者ばかりが出てきては面白くない。
成長過程での葛藤、もしくは旅・冒険時での様々な困難、
登場人物が醸し出す様々な背景がなければ、
物語という壮大なタペストリーは、織り上げる事ができないだろう。


何だか救われるよね。キャラクターが完璧じゃないから、
人間(に焦点を当てて物語を作る事)は面白い存在なんだと言われると。
ルーカスは自分をstoryteller「物語作者、話の語り手」だと言っていた。
プロデューサーや監督という肩書きの前に「物語の紡ぎ手」として
存在しようとしている所にも感銘を受けたし、語る媒体が言語ではなく、
映画という手段なんだと述べる姿にも、うんうんと頷いてしまった。


故に単なるアドリブ(役者サイドでの暴走)は、余りお気に召さない様子。
まず然るべき「物語ありき」が大前提なので、その世界を崩さない範囲での
「常識の範囲内でのアドリブ」なら許せるがという言い方だったが、
実際は緻密に計算して構築される世界を、自分の想定外のイメージで
味付けされるのは嫌なんだろうなあという雰囲気がありあり。


映画は芸術(アート)であり、そのためにテクノロジー(技術)が必要。
技術に走って映画を創りたいのではなく、世の中が進歩しているのだから、
その進歩しているメディア・技術を使いこなして自分の伝えたい物語世界を
構築すると、現在のような映画になるのだという話を、
シェークスピアの時代の舞台演出を、引き合いに出して語る姿は素敵だった。


技術の進歩が芸術そのものを進化(深化)させるという点においては、
シェークスピアの時代も今も変わらないんだよとさらりと言ってのける、
ジョージ・ルーカス、さすが!
でも、今回のインタービューで一番印象に残ったのは、何と言っても、
俳優八島が、俳優としてではなく父親として尋ねた事に対しての、
ルーカスの受け答え。


「親としての自分にアドバイスを。僕の子供は1歳です」
「子育てを楽しみたまえ。子供はすぐに大きくなる。
 私の息子は15歳。身長は私より高い。
 あっという間に時間は過ぎるから、今息子と過ごす時間を楽しみたまえ」
「いつか息子とあなたの映画を見るのが夢です」
「今すぐにだってできるよ」
こんな感じの事を話していたと思う。


胸が熱くなった。こういう仕事をしてきた人が、ごくごく当たり前に
「子育てを楽しめ」(子供と過ごす時間を大切にしろ)とアドバイスする。
何とも言えぬ気持ちになった。我が身を反省。
確かに映画は、娘が生まれる前の映画も、一緒に観られるようになったけれどね。
別に子育てを厭うわけではないけれど、ついつい愚痴っぽくなりがちな私。
もっと楽しまなくてはと思っていても、頭でっかちで楽しめなくて、
・・・これではいかんわ。
ということで、今日の「英語でしゃべらナイト」良かったよ!

メイキング・オブ・インディ・ジョーンズ -全映画の知られざる舞台裏- (LUCAS BOOKS)

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インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 オリジナル・サウンドトラック

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