Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

茅葺の里巡り

起床7時、朝食7時半、上げ膳据え膳ありがたい。
娘には苦手な卵の代わりにお豆腐。私たちは温泉卵。
6種類の香の物バイキング。ピリ辛山椒ご飯が美味しい。
芦生の森ハイキング希望者は早々と出発。
私たちはのんびりとYHの周囲で写真を撮った。


 


何気なく外壁に置かれた昔のストーブ。何て懐かしい!
小学校低学年の頃はまだ石炭ストーブで日直が石炭入れを取りに行き、
火をつける係。もちろん給食のパンはその上で焼いて食べた。
高学年になってからは石油ストーブに取って代わられてしまったが・・・。

宿のご主人に昨夜伺った、この地域で最も古い茅葺の家を見にいく。
徳川家光慶安のお触書の翌年に建てられたという民家。
もちろん国の重要文化財に昭和47年から指定されている。
日本最古の農民家『石田家住宅』 開館時間には早く中を見られず残念。
所有者の負担100万円超。文化財維持は・・・本当に大変。


 


すぐそばには由緒ありげな大原神社。伊勢神宮から御神霊を勧請。
何ともいえぬ風情のある神社の佇まい。家族全員で詣でた。
車道に切断されているものの、民家のある方向から延びていただろう
参道の痕跡と思われる道が。こんな場所も徳島を思い出させる。


 


ドライブを続けながら、茅葺の里・北村にむかう。
久しぶりに聞くとんびの鳴き声、くるりと輪を描き舞い飛ぶ姿。
そして眼前に広がる何軒もの茅葺の家々。まるでタイムスリップしたみたい。
「観てごらん、綺麗な景色でしょう!」感動する両親の前で、
娘は不機嫌な声でのたもうた。「この家全部見て回るつもり?」
ああ、親子の断絶ってこんな所からも来るのね。
せっかくの滅多に見られない、重要伝統的建造物群保存地区だというのに。




ゆるやかな斜面を登って、かやぶき交流館では布絵の展示会。
着物の生地をそのまま美山の景色に再生。
次に訪れたのは、民俗資料館。残念な事に、数年前に母屋を消失し、
現在立っている茅葺の資料館は復元建築。
それでも、丸い木でできた五右衛門風呂や、火吹き竹を添えたおくどさん
梯子を上って眺めた2階建てのひんやりした土蔵の中、
囲炉裏端で頂いた冷たいお茶、茅葺屋根の家の形の風鈴。
娘なりに昔の家ってこんな感じなのかと思ってもらえれば、それでいい。


 


そして、小さな藍美術館。新道弘之氏のコレクション展示。
下は藍甕を持つ工房、アトリエ。2階が世界の藍製品展示。
好きな人にはたまらない空間。藍の国、徳島の思い出があるだけに。
娘は手袋を嵌めて何度も染めを繰り返すお姉さんの手元や、
布に細かいプリーツを付ける染めの下準備を、興味深そうに眺めていた。
この地域でもっとも大きい茅葺の家。こちらでは冷たい井戸水を頂いた。


 


昨日から娘は水が柔らかくて美味しいと言う。
「つるや」の松葉サイダー。YHのミント水。出されるお茶。井戸水。
本当に水が美味しいのは、美しい自然の雪解け水を利用できるからだろう。
子供は敏感だ。空気も空の色も、何もかも都会とは違う。
そして、水も。但し、家人の住む吹田の水の方が甘いという。
そうなのかもしれない。ビール工場があるくらい、水がいいのだろうから。
徳島・阿南も水が美味しかった。鳴門はどうだったのだろう・・・。

新道氏に教えてもらい、泳げる川があるという美山町自然文化村へ。
国民宿舎、「河鹿荘」にてランチ。娘は鹿カレーにいたく満足。
私たちも紅葉御膳で鹿丼、鹿ロースト、鹿つみれ鍋を楽しんだ。
そして待ちに待った川遊びタイム。水着を忘れたが、魚網は持参。
最初はちょっとひるんでいた娘も、最後はなかなか川から上がって来ず。


 

 


かーちゃんもとーちゃんも一緒になってズボンをめくって川遊び。
小さな魚3匹、すぐにリリース。アメンボやドジョウはゲットせず。
とーちゃんはイモリを見つけてきた。かーちゃんがかわいがるも、
娘はキャーキャー。魚は平気なのに、何故?
油断してすっかり日焼け。夜中に腕がひりひりして困った。


 


川遊びの後は河鹿荘で入浴。本日の露天風呂はバラ湯。
途中小雨のぱらつく中、手作りソーセージもゲットし、
道の駅で買った野菜や平飼い卵を積んで帰宅。
早速料理、『篤姫』を見ながら舌鼓。
そう、3時間掛からず大阪南部まで帰って来られた。
高速道路って凄い・・・。(私は怖くて運転できないけれど)


娘は「あのね帳」作文の宿題ノートを嬉々として書いていた。
書きたい事が沢山あるって嬉しいね。自分から書きたくなるって楽しいね。
4ページも書いたのは、3年生になって新記録。
良かった良かった、楽しかったね。
とーちゃんもかーちゃんも、ドライブする道を、丹生谷だ佐那河内だと、
月ヶ谷温泉に似ている、大谷川だと徳島の地名ばかり思い出していたよ。


家族のルーツは、夫婦になる以前からの思い出に繋がっている。
茅葺の里、美山1泊2日は本当にいい旅だった。

美山茅葺きの里―あらたひでひろ写真集

美山茅葺きの里―あらたひでひろ写真集