Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

再び美山へ

はまっている。取り憑かれている。脱出したがっている。
家人の徳島熱、懐古熱は今に始まったものではないが、
よほどツボにはまったらしい。徳島を思い出させる自然の残る、
茅葺きの里、美山町の佇まい。空気、水の色。
お泊りではなく、日帰りで行くと言う。なるほど往復運転も辞さないか。
まあ、明日は家人の誕生日。やりたいことをやればの誕生日。
ということで、大義名分は娘のための川遊び。鮎のつかみ取り。


親バカというか何というか、鯵釣りの方が安上がりでは?
大体、虫が怖いと言うくせに、何故お魚は平気な娘?
人工的な遊びに現(うつつ)を抜かして、これが川遊びとは
ちゃんチャラおかしいと思う方もいらっしゃるでしょうが、
とにかく普段と違う経験をさせたい一心の、親バカが2人。


家人宅からは新しく開通したばかりのトンネルを走って、箕面へ抜け、
あっという間に川西市へ、そこから能勢越え、園部からすでに南丹市
途中の朝市では期待のウコッケイの卵を手に入れること叶わず。
でも、道の駅の5周年だかのお振る舞いでお餅を頂き、食す。
一路、美山町へ。13時からの鮎のつかみ取りに間にあったけれど、
参加料、大人2000円、子ども1500円。物凄く高い。
というよりも、この値段でお食事食べた方が安くつくんでないの?


 


大人は白い紐、子どもは赤い紐、美山町の文化村から歩いて、
河鹿荘の対岸になる川辺に、支流を作って堰きとめた一角。
どうやらここで鮎のつかみ取り大会が開催されるらしい。
商魂逞しく、網もレンタルで100円。え? 素手でつかみ取りではないわけね。
気温は35℃。暑いの何のって、日焼けを避け、長袖を着ている方が楽なくらい。
慣れている人は、何だか凄い網を持ってきているような・・・。


どう見ても放されたのはかごの中の鮎のごく一部。
みんなが歩き回るので清流は泥で濁って、一体全体どこに鮎がいるのだか?
みんな石を引っぺがしているけれど、鮎ってそんな石の下に隠れるものなの?
なかなか捕まえる事が出来ないまま、時間は経つばかり。
捕まえられない人は一人1匹ずつ参加賞らしいけれど、それじゃあねえ。
とうとうせき止めていた所を壊し、放水し始めた。
これで鮎は姿を現すのだろうか?



やけくそになっていると、放水口付近の娘が「つかまえた!」
何と網に1匹。そうこうしているうち、石を掬う感じで網を動かすと、
私にも一匹! やったー。家人、とうとう1匹も捕まえる事できず。
出費の割りに合わない漁ではありましたが、体験優先という事で。
1匹1000円の鮎だなあ・・・。今日の漁は6匹でござい。
それから、河原に戻ってしまった場所を後に、前回とは違う場所で川遊び。


 


娘の帽子に留まる蜻蛉。浅いけれど、油断すると流されそうな清流。
おたまじゃくしやアメンボ、小魚が足元をすり抜けていく。
もちろん蛙も飛び跳ねている。暑くて暑くてたまらないのに、
足湯ならぬ足川のお陰? マイナスイオン? 水辺は涼しい。
いつまで経っても川に浸かって、なかなか出てこようとしない娘。
とうとう、昼抜きで炎天下、川遊び2時間。かーちゃん空腹。


 


ランチタイムも終わってしまい、昼食も取れず。
とりあえず、衣通姫軽皇子の湯 と名づけられたお風呂で一汗流す。
何のことはない、前回と同じ国民宿舎、河鹿荘の露天風呂でバラ湯を楽しみ、
冷たい美味しい水で喉を潤し、コロッケを1個。
食事が出来そうな所を求めて車を運転した時は、もはや16時半。
昼食じゃなくて、夕食場所を探した方が早いのでは?

 

手作りハムの工房が開いていて、ホットドックなら出来るとのこと。
鹿肉のホットドック、美山の牛乳、地ビールなどに舌鼓。
風通しの良いテラスで寛いでいるうちに、時間が経つ。
ひぐらしの鳴く声にうっとり聞き惚れているうちに、17時半。
もう腰を上げねば、真っ暗な山道を運転せねばならなくなるぞい!?


 


されど途中、前回ドライブ時より目を付けていた酒屋によって、
お土産の地酒や醤油、酢、瓜の漬物などゲット。
昔の蔵がそのまま店になっていて、酒箒も曰くありげな店。
ご主人はペンネームを持って歴史小説を書いておられる由。
あらまあ、本当に、能勢藩の名残りを大事にしているのですね。
サービスにサイダーを貰って、カサブランカを甕に指した店を後にする。


 

 


夕食。道の駅で買った長茄子を焼き、砂糖醤油に漬け青紫蘇を散らす。
じゃが芋と人参、ズッキーニとお麩の味噌汁。辛子味噌、山椒ちりめん、
そして本日のメイン、鮎の塩焼き。蓼酢までは用意できなんだ。
胡瓜とトマトのサラダ。デザートは桃。うーん、言うことなし。
ハードな日帰りだったけれど、家族はご機嫌。
とーちゃんの誕生日前夜祭の宴はこうやって終わった。

地図にない川へ (渓流ライブラリー)

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