ハムナプトラ３ 呪われた皇帝の秘宝

さて、週末だ。午前中から水泳の補習に娘を連れて行き、
その間私はリハビリへ、お盆のお供えを送って、それから・・・。
例によって例のごとく週末家族の合流地点へ向かった。
すると、家人が「先行上映がある。17：40からだ」と言う。
何の？　え、娘が観たがっていた『ハムナプトラ３』
これはこれは・・・。先行上映なんて見るの、
『スターウォーズ　エピソード１』以来ではないかしら？
今は無き、徳島の映画館だったよね、秋田町の。

あの時はまだいなかった娘が、映画をせがむ。
先行上映で見るか？　まあ、いいけどさ。
でもって、腹ごしらえが551の蓬莱、飲茶コーナーって。
いくら北京オリンピックだからってさ、中華料理に、
中国が舞台の映画見なくても・・・。
（実は当初の予定は『カンフー・パンダ』だった。
　もたもたして、上映時間に間に合わなかった私達）

ということで、麦茶の入った水筒ぶら下げて、
娘が生まれた年に記念すべき第1作目が上映され、
シリーズ物になったポスト・インディと言われた冒険映画、
ハムナプトラシリーズ、7年ぶりの第３作目。
物語の中の主人公夫婦の息子はでっかい兄ちゃんに。
かーちゃん役の女優は代わって、私好みではない人に。
唯一、とーちゃんとその義理の兄ちゃんだけが同じ人。

問題は、『少林寺』や『HERO』で名を馳せたジェット・リーが、
その武術を前面に出すわけでもなく、悪役として出ること。
いいのか、開幕したばかりの北京オリンピックに乗じてこの上映。
シンクロさせて、開会式の翌日にCG兵馬俑マスゲームと、
CG万里の長城に眠るミイラの、あられもない突撃シーンを見る羽目に。

ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝 (竹書房エンターテインメント文庫)

ハムナプトラ―失われた砂漠の都 (スクリーンプレイ・シリーズ―名作映画完全セリフ集)

Mummy: Tomb of the Dragon Emperor (Score)

強引に話を中国に持っていく前に、釣りのシーンがあった。
思わず『リバー・ラン・スルー・イット』を思い出す。
「イムホテップ」という意味深な名前のナイトクラブ。
何故か、カサブランカを連想。どうして？
あとは、そうだねえ、ネタばれになっても困るけれど、
インディシ・リーズで使ったネタ、殆ど使いまわし。

墓荒らしには裏がある。冒険・陰謀・権力・財宝・呪い、
何でもござれで不老不死伝説とこねくり合わせて、
神話や宗教を挟み込み、恋愛ロマンと親子の愛情、
嫉妬と憎しみ、欲望をエッセンスに料理。
まあ、定食と言えば定食。安心して食べられて、ボリューム満点。
そんな感じの作品でしょうか。
昔の怪獣映画と変身物のように、キングギドラとキングコングが
リメイクされたような場面も。

ミシェル・ヨーの凛とした美しさと童顔のジェット・リー。
そうさなあ、いくら童顔でも（演技力が無いわけではない）
昔のように武術で押し通すわけには行かない年齢、ジェット・リー。
どうしてこんな役で出てきたのかなあ。というか、ハリウッド映画に出る時、
ここまで脇役で出なくてもいいと思うのだが・・・。
まだ、『ドラゴン・キングダム』は見ていないけれど、
せめて、『HERO』の時のイメージが欲しいなあ。

ま、今回は秦の始皇帝役でかの映画とは真逆の役。
それはそれなりに面白いのかもしれないけれど、
ミイラではなくて泥人形から陶器の皇帝まで演じなくても。
それに、この人剥き出しの欲望を前面に出す役には向かない。
持っている個性が、妙にストイックな雰囲気を醸し出すので、
ギラギラした役にはまりきらない清潔さというか、
物足りなさが付いて回る。
それが『HERO』では最大限生かされていたけれど、
そのほかの映画ではなあ・・・。
勿体無い使われ方をされている、その個性だと思う。

神話や伝説を齧っている人間には、小出しアイテム・ネタは楽しい。
龍や蛇は付き物の中国、不老不死伝説だって、シャングリラも、
不老不死の泉も、霊水も、カタコンベの如き万里の長城の地下や、
いにしえの戦争映画を髣髴とさせるシーン、
突っ込みどころ満載の仕上がり。
家人でさえも、「この皇帝の時代には涅槃仏はおかしい」と。

字幕版でも、娘は大喜びで笑いながら見ていた。
ギャグ満載で、ホラーのように怖くない家族用娯楽映画。
映画の中の世代交代をシリーズ物に感じるなんて、
我ながら歳を取ったわと、自分を振り返らせてくれる。
そして能天気になった頭で帰宅、就寝。
オリンピックの日本チームの話題は今1つで、
それにこだわらないように、寝ましょう寝ましょう。

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