Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

星空ファミリーコンサート2008

大阪南部に住む者にとって、服部緑地は遠足でわざわざ出向くような特別な所だ。
そこを本拠地にオーケストラが活動しているとは・・・。
むろん楽団の名前は知っていた。しかし、ユースも含めてプロが、
ここで練習を重ねているとは知らなかった。
今年初めて家人宅に近いここ、野外音楽堂でのコンサートに参加。
何しろ先着2000名無料、(カンパしましたが)
子供向けのクラシックを聞かせてくれる星空ファミリーコンサート。
毎年夏休み最後の土・日、二日間に渡って催される。


生憎の空模様でお星様は拝めなかったが、子供にはジュースのサービス。
開演前の待ち時間、お腹を満たす「もぐもぐ」も許される野外音楽堂。
19:30の開演までの約1時間弱、皆さん早くも席に着いている。
六甲アイランド屋台で仕入れてきた焼ソバとサモサ、
家人が物産展で購入してくれた懐かしい徳島の、ぼうぜと鯛の寿司。
何と言ってもスダチの酢と香り、蓮根のしゃきしゃき感がたまらない。
ちなみに、ぼうぜは関東では「えぼ鯛」と呼ばれているらしい。
我々の腹ごしらえが終わった頃に、珍客来訪でちょっと興ざめ。


何はともあれ、定時に開演。
ユースの高校生や中学生の演奏も良かった。
しかし、さすがプロの楽団員の音色は違う。
野外で聴いているのに、音にうねりと厚みがあって、
ねっとりと空気を巻き込むような感じで響き渡るのだ。
これにはびっくりした。比べると音色は全く違う。
なるほど、これが実力の差。

 

楽団員はお祭気分で自由な服装。普段ならあり得ない格好。
クイズも交えて盛り上がる。聴衆との距離が短い。
おまけに今回は、森の音楽。バレエも間近に鑑賞。
今年は「ダンシングオーケストラ センチュリー 森のバレエ」
とのサブタイトル。『白鳥の湖』から有名な「4羽の白鳥」
ナポリの踊り」「スペインの踊り」など3場面が披露された。
クラシック・チェチェに身を包んだ足捌きから、
小物やきらびやかな衣装の扱いも楽しめる踊り。


僅か1時間半の音楽会だったが、なかなか楽しめる内容だった。
晴れ女のかーちゃんのお陰か、無事に濡れずに聴くこと叶い、
のんびり帰宅。夏休みの夜のお出かけはこれが最後。
気持ち良くサタデー・ナイトは更けて行く。


今日の曲目は次の通り。


指揮:小野田宏之 司会:どいかつえ
共演:法村友井バレエ団 センチュリー・ユースオーケストラ
今宵8/30(土)の曲目は
・J.シュトラウス?:喜歌劇「こうもり」序曲(ユース)
・ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ「天体の音楽」
チャイコフスキー:「白鳥の湖」より(バレエ)
ハチャトゥリアン:「ガイーヌ」より、
 剣の舞 子守唄 レスギンカ(センチュリー・ユース合同演奏)
アンコールはラディッキー行進曲。
みんなの手拍子で賑やかに終演。


さて、珍客で気分を害したのは一番いい関係者席に、
顔も見たくもない知事がやって来たから。
こんなのと同席してコンサートと思うと、ちょっとうんざり。
音楽を聴いている間は忘れていたけれど、
翌朝の新聞を観て更に怒り沸騰。


センチュリーの演奏は素晴らしかったが、補助金カットの方針変更は無い。
どうせ聴こうが聴くまいが、最初から方針変更なんて考えていない。
メディアに姿を出して自意識過剰の芸能界仕込みアピールを、
するだけが目的でわざわざ席を占めて、聴きに来なくてもいいのに。


と同時に、演奏している楽団を前に走り回る子供たち。
どう観ても、保育園児よりは大きい小学生も混じっていたと思う。
いくらファミリーコンサートでも、躾も無しに野放しにされては。
かぶりつきで間近に座って見る事が出来て良かったけれど、
春先の大阪城でのコンサートの方が、印象深かったかも。
広々とした芝生に寝っころがって、大阪城を眺めながら
サービス精神旺盛な指揮者の解説込みで、音楽を楽しんだあの日。
http://d.hatena.ne.jp/neimu/20080426


どうやら知事が同席したコンサート、感情的に興ざめ。
心から楽しめない部分が、わだかまりが・・・。
それで無くても大阪は文化果つる地。文化・教育行政手薄。
知事は単純に教育関係者のせいにしたいようだが、短絡的。
家庭という家族の基盤が地方や田舎に比べて崩壊している大阪は、
安定した家庭学習の習慣が確立されないまま、小中高。
かなり厳しい状況で、現場は追い回されている。
そう、医療現場と同様に崩壊しかかっている。


貧富の差はそのまま学力の差に繋がる。
教師のやる気や能力ばかり非難されているが、
地方とは異なる大人数制。ティーティーチングの教員予算不足。
一クラスの人数だって、少子化で教室が余っているにも拘らず、
配慮されていないし、能力別クラス編成さえままならない。
教員は数が足りないし、治安の関係で放課後の補習も出来ない。
(地区別下校、一斉下校や学童保育等)


短絡的に市町村別の成績を公表する方向に走るより、
どれだけ教育・文化行政に予算を取っているか、考えてみるといい。
専門性を認められず、教育を営利目的の点数だけの側面で評価し、
学校現場を蔑み続ける限り、教育の質など上がりはしない。
虐げられ馬鹿にされ続けて、感情労働の仕事を続けられるほど
タフなベテラン教員いないし、予算面で早期退職に追い込まれているし。


思春期を迎える小学生を持つ母親としては、
一番遅い子に合わせている授業なので、心配ならば
塾に行かせてみてはと懇談毎に言われる事に、うんざりしている。
教育現場がこうなってしまったのは、元々は何が原因か。
人手が無いのに、仕事は山積みなのをどうすれば?


この所の新聞記事でうんざりしている上、
知事の顔一つで音楽を楽しめなくなってしまうほど、
短絡的な条件反射にまで知事嫌いが進んで、
狭量な自分になっている事にも嫌気が差し・・・。
アートの昼、コンサートの夜の余韻は翌朝にまで響いた。
良くも悪くも・・・。

チャイコフスキー: 3大バレエ組曲

チャイコフスキー: 3大バレエ組曲