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『ハッピーフライト』で社会見学

結局本日の献立はおでん。圧力鍋で大量に作った。
台所仕事その他をこなしている間、家人は娘を学童へお迎え。
我が家では滅多にない早い夕食。急いで食べて御茶を持って、
18:00からの娘のご要望『ハッピーフライト』にレッツゴー。
何しろあの『スウィングガールズ』の矢口史靖監督の作品。
保育園の娘があんなに反応するとは思わなかったので、
ついつい調子に乗って映画を見る時一緒に連れて行くように。
恐らく小学校で一番沢山映画を「ナマ」で見ている。
ビデオでもDVDでもなく、映画館でクレジットもしっかり見ながら。


クリスマス・御正月作品の宣伝が流れるなか、気分はすっかり映画館モード。
その気分そのままに、いつの間にか画面は飛行機の中。
記憶にない幼い頃、国内線に数度乗っただけの娘は、
「飛行機の中ってあんなふうになっているの?」と興味津々。
私は結婚してから仕事以外、殆ど飛行機とはご無沙汰、
10日間の新婚旅行を最後に海外旅行とは縁がない。
故に、妙に飛行場の雰囲気が懐かしかったりする。


かつては毎週毎週、関空を通り過ぎていたのに。
徳島までの高速船に乗るために、毎週関空まで直通バス。
明石大橋ができた煽りを喰らい、高速船は無くなってしまった。
それまで関空徳島港は週末家族の通過点。
バス・電車・高速船、その後はフェリー。転勤後は地下鉄・新幹線。
飛行機以外は乗り継いで週末(月末)顔を会わせる家族。
そんな私達にご縁がない乗り物、飛行機。
それでも、関空で撮影した場面は、よくわかる。
さて、この映画どうなりますことか・・・。

ハッピーフライト

ハッピーフライト

CA STORY in ハッピーフライト (キネ旬ムック)

CA STORY in ハッピーフライト (キネ旬ムック)


まだ公開されたばかりなので、ネタバレなしとします。
でも、楽しい映画であることは間違いなし。
次々に場面が変わるので、御茶を飲むことも忘れ画面に見入った。
テンポが速い、飽きさせない、老若男女に通じるギャグが面白い。
シリアスよりも、要所要所に笑いがあるのがポイントの映画。
小学生から楽しめる。本当に飛行場に社会見学に行った気分。
そして、飛行場で働いている人は大変だなあと感謝する気持ちになるし、
これだけ大勢の人がそれぞれの持ち場を守って、やっと1機の飛行機を飛ばすのだと
改めて気づかされ、しみじみする映画。そういう仕上がりです。


実はこの作品の中で、誰が一番好きかというと、ほぼ主人公のCAの綾瀬はるかではなく、
グランドスタッフの田畑智子。何と言っても彼女が一番好き。
娘が生まれた頃、NHKの朝ドラで『私の太陽』で大ファンに。
録画までとって、音楽CDまで買って、乳飲み子を抱えて東京で頑張るシングルマザー役、
天然キャラのかわいさと、父親役の伊東四郎さんとの掛け合いにうっとり。
その当時のキャラが随分今回も垣間見られて、楽しかった。


次におお!と思ったのは、機長役の時任三郎。久しぶりに見るー。
こんな中年になっていたのねー。ドラマ『芸能社会』の時はファンだった。
寺島しのぶは若くても老けて見えるので、今回は年齢相応でよかった。
渋いこの人も好きです。岸辺一徳。今回も見せてくれました。
ゆるキャラもシリアスもこなせるこの人独特の持ち味。
でもって、ほぼ主人公役の田辺誠一さんには、何の感慨もない私。
ははは、申し訳ない。


映画はグランドホテル形式というか、群像劇。
共演者は殆ど一緒に撮影せずに終わってしまい、作品が出来上がってから、
ああ、こんな風になっているのかと思ったそう。
確かにそれぞれのユニット・パーツで仕上がっている感。
でも、だからと行って違和感はない。
一フライトに関する間の出来事なので、まあ、時系列的にこんな感じ?


映画を見終わった後の家人の感想。
「俺には飛行場では働けん。一機飛ばすのに、あんな緊張感のいる仕事、
一日中やっとれん。」だからこそ、取り上げてみんなに知って貰う必要がある。
海外旅行ブームに沸き、修学旅行だ新婚旅行だと浮かれて飛行機に乗る私達。
ビジネスだ、ファーストクラスだ、エコノミー症候群怖い・・・。
機内では酔いが回りやすいのに御酒が飲める! 買い物ができる。


エコノミーの席からは景色なんか見えず、翼ばっかり。
生まれて初めて乗った飛行機は初海外旅行。南回りでヨーロッパ3週間の旅。
忘れもしない、ルフトハンザ機のエコノミー。食べきれないほどの食事、
見たこともない食材(例えばライ麦パン)が毎回出て、驚愕。
あの頃は本当にウブだったなあ。飛行機に乗るということは特別なことで、
離着陸には拍手が起こるような、そんなほのぼのとした時代。
私はドラマ「アテンショプリーズ」世代。舞い上がって機上の人になった頃。


今は娘とこの映画を楽しんでいる。娘は何を感じたのかな。
何だか家族で社会見学をした気分。・・・潜入ルポとか、
○○の24時間という特集は、リアルでしんどい部分もあるけれど、
人は怖いもの見たさで見てしまう。でも、今回の映画は辛い部分もあるけれど、
厳しい部分もあるけれど、クレーマーへの対処、上司と部下、先輩後輩、
仕事への取り組み等、考えさせられる部分は一杯あった。


学校や病院も、こんな風に作ってもらえたら、現場の厳しさ、やりがい、
問題点、改善点、みんなに知られていない非常に困難な部分に対して、
共通認識とまでは行かなくても、わかって貰える部分が増えるんだろうな・・・。
(そんな難しい脚本、書きたがらないだろうけれど)
そんな事をチラリと考えたりした。
さて、あまりネタバレにならないように、笑えたポイントを一つ。
正露丸」・・・どんなふうに使われているか、どうぞ劇場でご覧下さい。
いえ、私もかつて海外旅行には必ず持って行きましたが、今回は・・・。(笑)
あ、それと映画のパンフレット、かわいい「作り」でした。

ハッピーフライト

ハッピーフライト

ハッピーフライト 創作ノート (キネ旬ムック)

ハッピーフライト 創作ノート (キネ旬ムック)