Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

夜も笑顔で学べる日

昨日企画した研修も終え、本日は終業後、夜から勉強会。
同期の仲間とスーパーバイズを受ける。
職業も年齢も異なる4人と久しぶりに顔を合わせて、
ケース検討。思い思いに自由に意見を出し合い、
それぞれの解釈の違い、受け止め方の差異に、
一つの事柄、ちょっとした言葉の背景、気付きに驚かされる。


職場と異なり、一国一城の専門家めいた囚われから放たれ、
自由に意見を述べることが出来るのは、共に学びあった同期、
それぞれを受け入れて語り合った、仲間だからこその強み。
学びの動機、背景、年齢、職業、異なるからこそ面白い。
学びに幅が出る。意見に活気がある。発見が、新鮮な驚きが。
スーパーバイザーも、ファシリテーターとして、
必要最小限しか口を差し挟まない。


解釈は多様で、電話相談はある意味一期一会で、
もしかしたらリピーターの嵐(荒らしか?)で、
何が本当なのかわからない、「藪の中」の世界。
顔も見えない、表情がわからない、動きも察知できない。
その向こうにいる人と、誠実に向き合う傾聴が、
私達に唯一出来ること。


聞こえてくる声の向こうに、何があるかはわからない。
全ては憶測で、本当は相談なのか。雑談なのか。
時間潰しなのか、切実な切迫した危険回避を要するものか、
話し相手が欲しいのか、愚痴なのか。
全く持って何の予測も付けられない。
語られることを真実として、今話すことが全てとして、
耳を傾ける。

心理臨床と倫理・スーパーヴィジョン (鑪幹八郎著作集)

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実践家のための認知行動療法テクニックガイド: 行動変容と認知変容のためのキーポイント

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そうして、何かを抱え込んでしまわないように、
巻き込まれないように、少しでも理解を深めることが出来るよう、
仲間と集まり症例検討会も兼ねて、スーパーバイズを受ける。
それは小さな同窓会の様相。真剣勝負にも似た、
自分を投影する思考過程、操作、把握、受容、パターン、
様々な自分に気付き、対峙し、整理する時間でもある。


自分だけの迷路に入って迷い込んでしまうのではなく、
話し合う中から、別の角度、新しい視点、
今まで見えていなかった本心、気付いてみればたわいないこと、
知ってしまえば後には引けないこと、
勘で探り当てたこと、肉付け、背景、俯瞰、再び省みて、
そんなこんな作業を繰り返しながら、言葉にし、文字にし、
読み返し、更にチェックし、立場を替え、鑑みる。


直面する内容は様々。私たちは少しずつ進んで行く。
それは不思議なほど、自分の抱えている問題とシンクロしたりする。
あるいは自分のツボ、落とし所と重なったりする。
年齢や職業、立場・役職とリンクしたりする。
要は、全く無関係なことではなく、誰もが感じること。
誰もが悩むこと。誰もが直面せざるを得ない問題。
そういうものが必ず横たわる、電話の向こうの世界。


なかなかに話題にしていることは、悩ましく辛い事だったり、
ため息が出るようなことばかりだったりするのだけれど、
意見を出し合っているうちに自分自身の囚われや、
物の見方の偏り、思い込みに気付かされていく。
同じように共に学ぶ仲間の、同じような考え方の型に気付き、
目の当たりにし、共に鏡を見る思いで、ふむふむ。
そうだったのかの世界。そして、思わず笑ってしまう。


しみじみとしんみりとする時もあるけれど、今日は笑った。
大いに笑えた。たまたまそういうことになった。
そんなふうに笑って受け止めることも出来た。
笑ってしまえる内容だった。そう、そうなのだろう。
全くもう、こういうこともあるのねと。


信頼で守られている時間と空間だから、学べる。
19時過ぎから集まって、21時半。ようやくお開きになっても、
名残惜しい気持ちが募る。またね、また今度。
ハードな予定、ハードな毎日、今日のこの日の為に、
娘は母から父へと地下鉄の駅でバトンタッチ、
また後でねと、右に左に。


かーちゃんの学びたい病はまだまだ続く。
まだまだやれることがあると信じている限り、
仲間と頑張れると思える限り。
本業とボランティア、どちらも続けていたい、今は。
職場のクレーマーにもハードな研修にもめげず、
週の終わりは楽しく勉強会。
そう思える自分が好き。
ガッツポーズで、また明日。
家族の元へ急ぐ夜更け。

カウンセリング・マインド再考―スーパーヴィジョンの経験から

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不確かさの中を―私の心理療法を求めて

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