Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

豆は何処へ行った

豆まき用に買って置いた筈の豆が行方不明。
今朝方まであったのに、一体何処へ行った。
花は何処へ行ったではない、豆は何処へ行った。
厄除け用の豆が無い。これでは厄を払えない。
鬼を撃退できない。豆は何処へ行った。


そう、あれは童話の世界。雨の夜、一夜の宿を乞う娘。
ベッドの下には一粒のえんどう豆。その豆の上に何枚も重ねた布団。
敷布団羽根布団。なのに、娘はまんじりともできぬ。
でも娘は寝付けない、眠れない。たった一つ部の豆のせいで。
それを繊細と言っていいのか、過敏ではないのか。
本物のお姫様探しの方法としては、確かにファンタジー
でも、その繊細さが何の役に立つというのか。


豆は何処へ行った。あれは兄弟の話。
豆を煮るのに豆ガラを燃やして煮る話。七歩歩くうちに作る詩。
豆は何処へ行った。きょうだいは他人の始まり。
布団の下の豆の如く痛みと疼きを感じさせる存在。
同じ血が流れていようとも、決して同じ心を持つとは限らぬ。


煮豆持作羹 漉叔以爲汁 豆在釜下燃 
豆在釜中泣 本是同根生 相煎何太急


豆を煮て豆乳を作り 豆をこ(漉)して汁にする
豆がらは釜の下で燃え豆は釜の中に在って泣く
「もとは同じ根から生まれた間がら
なぜそれほどひどく煮詰めるのかと」


さてもさてもの鬼やらい。何をつぶてに鬼やらい。
やれ、まめまめしく働けど、所詮は鬼の為せる業。
精進窮めて忌み嫌われて、それが何ぼの稼業なり。
桃の弓に葦の矢つがえ、豆を撒け。
春を呼ぶ、お炊き上げの篝火の、飛んで火にいる鬼退治。
その鬼退治の豆が無い。豆はどこへ行った。

子どもに語るアンデルセンのお話

子どもに語るアンデルセンのお話


家人は耳鳴りがひどくなり、メニエル氏病かもと言われて
出された薬のお陰で朝なかなか目覚めることができない。
私には、三半規管に働きかけているのではなくて、
三環系の薬じゃないのかと思えてしまう。
耳鳴りぐらいで何なんだと思ってはいけないか。
更年期には耳栓など役に立たない。耳鳴りは当たり前。


耳鳴りも不眠も風邪も何せむに勝れる肩こり頭痛腰痛
もの喰えば脂肪増えなむ菓子喰えば更に肥えなむメタボなりけり
人間ドック以来、気分は低空飛行。狂歌しか出てこない。
されど20年以上の付き合い、ホームドクターは一笑に付して
超音波再検査用紙に×印。自覚症状と腹部触診で圧を加えて、
抗生剤1週間処方。ロメバクト、アプレース、アポラキート。


会議に出れば従来からの引継ぎ事項は、これでいいのかと突っ込まれ、
本来の趣旨とは異なる方向から、あれがしたいこうしたいと言われ、
本来無かったはずの会議は雪達磨式に増え、ヘッドは雲隠れし、
打ち合わせが不可能なまま、一体何処へ行けというのか。
鬼は外、追い払ってしまいたいものは沢山ある。
大根と一緒に炊いて煮て食ってしまいたい物は、山ほどある。


若草山を二度焼きしてしまいたいほど、焼き払いたいもの、
今日噴火した浅間山の火口に突っ込んでしまいたいもの、
燃やしたいのは脂肪ばかりでは無い、
鬼やらいで払拭してしまいたいのは、厄ばかりではない。
その他諸々のものをそぎ落として、寄らば切るぞの刃物のように、
仇為すものを、全て成敗してしまいたい。
水で清め、火で清め、風で清めて消してしまいたい。


月曜日。節分の用意をしてたのに豆が無い。
豆は何処へ行った。守りが薄く、攻撃力も希薄。
それでは企画倒れになってしまう。
1週間、今からが大事な月初め。
やるせなく、空しくカラの袋。
豆は何処へ行った。
豆は何処へ行った。


ほら、君、鳩が豆鉄砲食らったような顔して、
どうしたの?

歳時記のある暮らし (和の暮らし術 1)

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おうちで楽しむ にほんの行事

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