Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

検診の合間の寄り道(盆梅・ギャラリー)

7:00 起床。朝食。7:40 家人と共に家を出て駅へ。
8:20 検診場所に着く。本日は女性デー。検査用紙記入。
8:35 受付。ロッカーのキーを貰う前に、支払いをする。
    そして、受診証明書も貰う。職場提出用だから。
    着替え。男性がいないとやはり気が楽。
    たとえ更衣室が、女性用を使っているにしても、
    あの薄いピンクの上下で男性の前をうろうろするのは嫌。


8:50 内診・問診終わり。どうやら先生もお年を召した女医さん。
    マンモグラフィーだけではなく、本当に女性スタッフの日らしい。
9:00 超音波の担当が来ていないのか何なのか、ここで足止め。
    待合室とは異なり、検査室の前のマガジンラックは本が少ない。
    待つことしばし。検査技師現る。要は受付時間は早めに指定。
    検査実施は9時以降を持って開始というわけね。
    採血・血圧は始まっているのに、何故?


9:15 超音波。それにしても、今までこんなにゼリーを沢山塗る人、
    見たことない。ティッシュでふき取ろうにも、いや、大変。
    ちなみにこんなに時間を掛けて見て貰ったのも、初めてかも。
9:40 女性スタッフによるマンモグラフィー。マニュアル通りではない、
    今迄で一番ラフな感じの教示、指示。気楽に肌に触れるせいか。
    写す角度と状態を吟味する時間が長い気がする。
    ある意味、女性同士だとそれも気にならないから、まあいいか。

 
10:10 受付へ用紙を提出。更衣を済ませてクリニックのあるビルを出る。
    午後の検診場所は、地下鉄の路線が違うし、受付は昼休み以降。
    どうする? それまでの時間を。

 


10:30 天満宮で盆梅展を見る。盆梅鑑賞なんて何年ぶり。
    10時のお茶の代わりに、梅昆布茶・餡餅・梅干で休憩。
    ちょっとした出店、古本市が楽しい。

 

11:45 繁盛亭の前を散歩しながら、地下鉄の駅へ。
12:10 家人とランチ。ネパール料理店だが、カレーとナン。
    インド料理との違いがわからない。
       
13:00 次の検査場所に向かう途中、店で貰った画廊の葉書を頼りに散策。
14:00 画廊を二つ経由して、地下鉄の路線上を直角に突っ切って歩く。
    建替えの終わった真新しいビルで検査となった。
    受付、待ち時間、検査、晴れて無罪放免。
15:10 さすがに疲労を覚える。しかし、休みたい場所が見つからない。
    とりあえず、地下鉄から乗換駅へ。
16:00 久しぶりのデパートで探し物。残念ながら、見つからず。
    その代わりに、着物の展示場で養蚕についての展示を見る。
17:00 帰りの電車に乗って帰宅。

船場道修町―薬・商い・学の町 (上方文庫)

船場道修町―薬・商い・学の町 (上方文庫)

大阪北船場スタイル (No.01) (エイムック (1235))

大阪北船場スタイル (No.01) (エイムック (1235))

大阪北船場スタイル no.02 (エイムック 1455)

大阪北船場スタイル no.02 (エイムック 1455)


健康の為にある程度自腹で、もしくは呼び出しを喰らい、
或いは義務で、各種の検査を受けるのはやぶさかではないが、
どうして同一医療機関で行うことができないのか、わからない。
検査単価の安い医療機関を行ったり来たり。
検査の呼び出しも、忙しい時期を無視していきなり連絡が来たり。
ある程度まで交渉次第で、今日のように二つの検査を同じ日に持ってきて、
本日は、職免日。空いた隙間の時間を、昼食と散策に使ったので、
検査の憂鬱を晴らすことは出来た、有意義な一日になった。

 

ちりとてちん』で有名になった繁盛亭には、まだ入った事が無い。
休日のチケットを押えるまで執着しているわけでもない。
いつでも見られるし、大阪にいる間はと思っているので見に行けない。
埼玉と往復していた頃は、浅草に行ったのに。
天満宮は天神さんなので、梅で有名だが庭は狭い。
盆梅は樹齢100年前後の見事なものばかり。
残念ながら身頃を過ぎていて、枝振りばかりが目立ったが、
嬉しい事に、薬が効いているのか「香り」がわかった。


ちなみにこの盆梅展、500円の料金を取るけれど、
記念品として、天神橋筋で使える500円商品券をくれる。
残り1週間で使えるかどうかは別として、周辺の活性化に繋がる企画。
境内での古本市、それほどじっくり見る時間もなかったが、
文庫・新書1冊100円コーナーで10冊買い込んでしまった。

普段の職場は官庁街やビジネス街とは無縁なので、
検診とはいえ街中に出かける機会があると、
散策したくなるのは人の常、いや私の好奇心。
歩幅大きく足早に颯爽と歩いても、少々の距離では疲れない。
そういう若さは多少失われたが、昔のような好奇心はそのまま。
小さな画廊、昔ながらの薬問屋、ちょっとしたレストラン、
ビルの谷間にタイムマシンのように存在する歴史的な建物。

普段の出張時、地下鉄の中ばかりで景色が見えない。
今日は別。風を感じながら、左右を見回しながら歩く。
残念ながら自然は少ないけれど、ビルの階段に飾られた生花、
店先の飾りつけ、ちょっとしたディスプレイに、
最終セールの看板、お勧めメニューにも春を感じ取る。
そんな散歩で、出会った今日の収穫。
素敵な地下画廊に広がる動物の園。

 
 

 

廃材を捨てられていた素材を、ちょっとした日常生活の道具を、
可愛い動物達に、重量感のある置物に、椅子に仕立ててている、
その感性は、工作が楽しかった子供時代を思い出させる。
真っ白い壁は、可愛いオブジェの色彩が跳ね返って、
楽しい音楽が聞こえてくるような錯覚を感じさせる。
音の無いギャラリーに、心に響く音を感じる。
そんな楽しい作品群にしばし浸った。

 


 


富田菜摘展 PARADISE は3/13(金)まで 福住画廊にて
http://www6.ocn.ne.jp/~fukuzumi/
ゆらゆら揺れる空中遊園の魚達、壁にぴったりついているカメレオン、
昔懐かしいおやつや道具が、変身!している不思議な空間。

 


 


検診に呼ばれて、形だけの検査。その時に症状が出ていなければ、
何もいわれないOKのはんこをもらえる、お役所仕事的な検査。
とある先輩は呼ばれないように、自己申告はしないのだと後から聞いた。
何もなかった事にするのだと。そんな諦めとも苛立ちとも取れる言葉を、
去年は検査後に聞いたのだった。そして、若年退職していった。


ターミナル、乗換駅のデパートで、お蚕さんと絹の関係展示。
皇后陛下が皇居から庶民に開放、一般に広められた蚕、
皇居の紅葉山御養蚕所で代々の皇后様が飼育してきた小石丸、
その糸から紡がれた反物、仕立てられた着物、
そういうものを目にして過ごす時間。
普段着物を着ない人間でも、何とも言えない気持ちになる時間。
最近は匁で衣を見る人はいない。仕立ても染めも中国まかせ。
養蚕は国内では細々と残っているだけ、桑畑も殆ど無い今、
もはや蚕を育てて糸から品物までを管理する力を、
とうの昔に日本は失っているという話を聞いた。


祖父母の家が養蚕農家だった私は、背負子に桑摘みの記憶も
蚕棚の掃除、餌の葉をバリバリ食べる音に眠れない夜、
宮城から大事に持って還った蚕が、大阪に来たら繭になっていたこと、
忘れていた思い出を、本日の散策の最後にデパートを後にした。
まさか、検診の余禄が蚕の思い出とは。
この日の散策は思いがけないものに出合った。
検診の一日。都会を突っ切って。

天の虫 天の糸―蚕からの着物づくり

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きものという農業―大地からきものを作る人たち

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