Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

大きくなったら何になりたい?

花粉症のせいか、目も痒い鼻もぐすぐす、何よりも夜の咳。
娘の調子が今一つの今日。これ以上咳が続くようなら、
お医者様に行こうかしらん・・・。
そんなかーちゃんの懸念をよそに、機嫌よくおしゃべりする娘。
(おしゃべりの合間に咳をしているのか、洟をかんでいるのか・・・)
彼女曰く、「将来、不定愁訴外来で働くのもいいなあ」
不定愁訴外来ですと!?


昨日見てきた『ジェネラル・ルージュの凱旋』のせいでしょう。
原作とは異なるものの、主人公の医師が女性が演じる為、
かなり興味を持って、本人なりに鑑賞したのかもしれません。
田口役は『チーム・バチスタの栄光』の時はかっこ悪かったのに、
今回はかなりかっこ良かったというのも、娘に影響大。
映画館に行くと主人公になった気分になるのは、大人も一緒。
よくある話ですが、今回は娘がその波に乗ったようです。


心療内科でさえも、世間一般的になってきたようで敷居が高い。
精神科よりも行き易いように思えるけれど、予約しにくい、
実際に受診しても満足に話を聞いてもらえない、
薬を出さない所と出すところの差が激しい、
きちんとした個室で話を聞いてくれない、
検査やカウンセリングは医師ではなく臨床心理士の仕事で、
医師は投薬の有無のみ確認に来るなどなど、
巷の評判を聴くと、映画のような雰囲気とは程遠いものです。


近所の駅にも心療内科が出来たものの、仕事柄聞く評判は、
もっぱらの噂話では「話を聞いてくれるかどうか」に焦点が当たるので、
それまであちこち行ったことのある人は、よほど聞いてもらえないのでしょう。
大学病院の心療内科は紹介状が無いと予約も取れない、
短期療法と見るべきかどうか、面接兼診察回数が限られているそう。
継続して治療というよりも間遠に回数少なく、新規患者開拓の方が、
実入りとしてはいいのかもしれません。
よくはわかりませんが、映画の中のように次の予約はと
のんびり取れるものでなし、面接室の雰囲気も千差万別。


取り越し苦労のかーちゃんは、映画の何が気に入ったのだろう、
大体、あんなふうにコーヒーが出てきたり、ないなあ。
いや、自分が知る限りでは病院ではないが・・・、とか、
様々に思い巡らして、娘が興味を持った分野を思案。
親馬鹿も甚だしいこと限りなし、です。


でも、2学期から聞いている、ある男子からの苛めも影響しているのかも。
娘なりに愚痴をこぼしたいのだろうし、言いたい事もあるけれど、
かーちゃんが上手く聞けていないという事も多々あるのだろうし、
娘の側からも先生にも友達にも、苛めてくる相手にも、
上手く伝えられないもどかしさ、苛立ちを抱えていて、
不定愁訴外来」こと「愚痴外来」を求めているのかも・・・。

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友だち100人できません 無理しないで生きる・考える心理学

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娘はノーベル賞の話題華やかなりし頃、「科学者もいいなあ」
それ以前は、「お花屋さん」「ケーキ屋さん」だの次々に変わり、
最近では作文の宿題もサボって、漢字の練習なんかノートも失くし、
勉強の省エネしかしてないじゃないかと思えるほどなのに、
「小説家になりたい」などとほざいておりました。
「どうして作家になりたいの?」と尋ねると、
「作家じゃないの、小説家!」と答えるので、こちらとしては苦笑い。


ブラックジャックのアニメを見ていた頃はお医者様、
要は、影響され易い「たち」なのか、単に子供らしいと言うべきか。
夢が沢山あっていいねと笑ってあげればいいのかもしれないけれど、
親としては本当に、何に影響されてこの先大きくなっていくのだろうと、
少々気になる今日この頃。だから娘も訊くのでしょうね、
「子供の頃何になりたかった?」


少なくとも小学校3年生の時に、不定愁訴などという四文字熟語は知らなかったし、
娘の時代ほど情報のなかった時代に子供時代を過ごしてきた私。
憧れたのは・・・実は娘と大差ない世界。大きな顔は出来ません。
小説家。若草物語のジョーの世界。先生。赤毛のアンの世界。
医師、それも脳外科の医師。当時精神科という分野は知らなかったし・・・。
巷では心臓移植の話題で持ちきりの頃。お医者様は冒険家に見えました。
小学校から中学に掛けては考古学者。マチュピチェの遺跡に憧れ、
エジプトのミイラや象形文字に憧れ、『未来への遺産』に影響され・・・。


才能があればなりたかったピアニスト、画家、通訳、翻訳家、学芸員
高校以降は研究職にも憧れていた、科学者、国文学者、心理学者、社会学者。
世界中あちこち旅行できるツアーコンダクターにも憧れていた。
でも、結局は文学少女のなれの果て、煮ても焼いても食べられない、
潰しのきかない、融通の利かない、そんな風に年を取ってしまった。
大きくなったら何になりたいか、それよりも、少々のことで辞めずに済む職業、
収入の道が確保されている職業、そういうものに目が行く結果に。


世間では『なるにはブックス』が花盛り。
けれども、現実を目の前にすると私の夢は蕾のまま萎れた感じ。
娘を見ていると、しょっちゅう変わる将来の夢に眩しささえ感じる。
ひるむことなく、力むことなく、あれもこれもいいなあと憧れている、
「無数の未来」への可能性に溢れている若さを感じる。
色んなものになりたいと思える子供らしい健全さに、
実際本気で望めば色んな将来が待っている娘に、
あれこれ期待してしまう、本当に親馬鹿。


バレンタインも終わっているのに、今頃チョコ作りに目覚めている娘。
(手作りチョコキットがバーゲンされているせいか?)
宝石や石に憧れて、ちょっとしたコレクションをしている娘。
Back to the Futureを、練習して弾いている娘。
日に日に逞しくも生意気に成長している娘。
小ざかしくも隠し事や嘘、ごまかしを覚えて、
勉強はすっかり手抜き、どんな4年生になるのやら、
かーちゃんが目を離すとTV付けになっている君に頭が痛い。


まだまだ君には未来が沢山あると思えばいいのだろうけれど、
こんなに悠長に構えていていいのかな、
「鉄は熱いうちに打て」の時期を逸してはいないかなと、
取り越し苦労なのか何なのか、気になってしまうよ。
周囲は塾だ、4月からでは遅い、2月入塾だと騒いでいたしね。
私たち、出遅れていると言われているからね。


未来には勉強は必要だけれど、塾には無縁だったかーちゃんの時代。
そのずれた時代感覚が、君の未来に影響していないか、
やっぱり気になって来た、親としてはぐらつき掛けている自分がいる。
学校が退屈で面白くない、やる気が出ないとぼやいている君を見ると。
3年生で学童が終わってしまった後の時間を、
本当にどうしようかねえ。
未来が沢山あると思っていても、選択肢は刻一刻削られているような、
そんな取り越し苦労をしてしまう、かーちゃん。


かーちゃんの子供時代との余りの差に、「時代に即して」
「周囲の状況に合わせて」ということ場に振り回されそうで、怖い。
ただ、一人っ子で退屈している、同じ年頃の話し相手や
競争相手が必要な年齢の君は、やはりそういう集団を必要と、
良い意味で刺激が貰えるなら必要かと思ってみたりもする。
いや、いい事も悪い事も覚えて来るんだろうけれど。
ねえ、娘よ。大きくなったら何になりたい?


そんな事を考えていても、思い通りにならないのが人生なんだけれどね。
思い通りにならない先を、どうやって切り抜けていくか、
そのための力が必要なんだけれどね・・・。
なりたいものとなれるものが違う、君がその事を知るのは何時なんだろう?
まだまだ、知らなくていいけれど、そんなことまで気にするかーちゃんだよ。

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