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あしたをつかめ!

最近娘が気にしている番組がある。そのうちの一つが、
あしたをつかめhttp://www.nhk.or.jp/shigoto/ 
10代をターゲットにしたのお仕事紹介番組。
まあ、誕生日が来れば娘も10代の仲間入り。 
それにしても小学生にしては渋い? いや興味を持って当たり前か。
友達が行く前からキッザニアに行きたいと言っていたのだから、
それなりに将来のことを考え出した証拠か。
私自身は余り知らなかったが、『明日をつかめ』はNHKの人気番組。
本日、金曜日のゴールデンタイム19:35から再放送されている。
(実は本放送は火曜の夜 11:30〜)
ひとえに子供にも親にも見て貰いたいからだろう。
何といっても、平成若者仕事図鑑、お仕事紹介番組なのだ。


本日の再放送は小学校の図工教師。(中学ならば美術教師だろう)
娘は舞台となった小学校に自分の小学校には無い「美術教室」
なるものが存在し、みんなが楽しそうに作用している様子に、
羨ましそうな声を上げる。[あんな部屋で絵を描きたいなあ」
そう、子供のモチベーションを高めるためにもいつもと違う部屋、
そういうものを用意するのは教師の役目。


日々の工夫、興味を持てる素材、題材、発想、ヒント。
座学と異なる実習、体験参加の科目は大変。
しかし、普段の教科と異なる子供の姿を発見し、
刺激を受ける事も多いだろう。
TVの中でちらりと見て取れる今時の小学校の美術教育に、
隔世の感を感じるかーちゃん。
娘は娘でそれなりに色々思っているよう。


最近、「キッザニア」以来、お仕事関連の物思いが増えた。
何と言えばいいのだろうか。親である私は余りにも仕事を知らない。
今の仕事とそれに関連、付随、ある意味拡大解釈した仕事だから、
全く世界が異なるという仕事はわからない。
何となれば乏しいアルバイトの経験だけが頼り。
親としての私に何のアドバイスをしてやれるだろう。
確かに仕事柄多くの人に会うし、色んな会社を訪問する事はある。
されど、それとこれとは・・・。
私以外の親もそうだろう。親としてのアドバイス、なんてね。


多くの子供達もバーチャルな世界は恵まれ、情報は溢れているけれど、
生の声、生の情報に触れる事は少ないはず。
この番組だって、間接的にしか知る事はできない。
けれど、僅か30分足らずの短い時間、
つまり今時の若者が、かろうじて集中力を持続できる時間内で
多種多様な「お仕事紹介」していること、
若者目線で考えることができるように工夫していること、
その辺が評価できるだろう。
小学・中学・高校教師にもぜひ見て貰いたい番組の一つ。


       

折しも本日の研修内容は、就職にまつわる人権についてだった。
こういう者に参加しようと思ったのは、キッザニアの影響も大。
仕事、就職、それに関しての諸々の問題、就職する側の個性や能力が、
実際の人事担当者からはどのように評価されているのか。
それ以前に、若者に[働く」機会を与えて、社会に参与させるために、
実際今の大人は何をしているのか。
よそから専門家を招き、という姿勢自体現場にいる人間が、
正面切って若者に対峙する姿勢に欠けているのではないか。
そのような話の流れになっていたかと思う。


要は、真剣に仕事をしたいという気持ちにさせない周囲の環境。
大人の、自治体の、国の、教育と社会の現状、
それが子供から若者、いい年下大人のやる気を失わせ、
仕事への熱意や夢、憧れや尊敬、職業を全うする姿勢を奪っているのではと。
誰も歯車に自ら望んでなりたいわけではなく、仕事が自分を必要とし、
仕事に鍛えられ先達に学び、同僚と競い励ましあい、
何がしかの結果を認めることで、先に進んでいくことができる。
そういうことを感じ、知り、実行できるように
相手を扱ってきたのか、付き合ってきたのかと突きつけられると辛い。


親も教師もその他の大人も、「仕事をして何を得られるか」
きちんと伝えることができる人間がどれだけいるのかと、
講師は述べていたが、私の世代ならば誰でも同じ事は感じているはず。
しかし、明日を掴めている実感を大人が1番失っている現代、
行く先不明だからこそ高く上り遠くを見据えていかなければ、
大船に乗ったつもりがタイタニックよりも怖い泥舟ということも。

NHK あしたをつかめ―平成若者仕事図鑑

NHK あしたをつかめ―平成若者仕事図鑑

NHKあしたをつかめ―平成若者仕事図鑑〈2〉

NHKあしたをつかめ―平成若者仕事図鑑〈2〉


一つが『地頭クイズ―ソクラテスの人事』。http://www.nhk.or.jp/jinji/
様々な行が実施している入社試験をゲストが受けて採用されるかどうか、
その基準は何なのか、笑いながらも結構シビアな番組。
時間的には夜遅いのに、お母さんどんな問題が出されていたか、
ちゃんと聞いていてねと言われる。
娘はその間、風呂に入って寝てしまうのだが。


こういう場合、どう答えたらいいのか本当に困るような面接問題。
でも、非常事態の問題解決能力を問われているのがよくわかる。
そして、社風というか企業の営利目的に叶った人事を、
実際どのように行っているか、ちらりと味わうことができる。
むろん、ペーパーテストもクリアする必要があるのだろうけれど、
TVではゲストがどんなふうに難問に対処していくか、それも見所。
何しろ個人面接ばかりではなくて、グループ面接、
集団面接でどのようにリーダーシップを発揮するか、
意見を出し、まとめ、一つの目標に向かっていくか、
そういう部分も吟味される。


娘がどこから番組の情報を聞いてくるのか、
かーちゃんにはトンとわからない。
番組の宣伝を見て、興味を持っているのかもしれない。
いずれにせよ、お仕事に関連する番組二つに興味を持っているのは確か。
娘にとって感銘を受ける仕事、尊敬できる人、進みたい世界は曖昧模糊。
色んな刺激を受けるたびに、センサーが触れてあちこち興味を持つ。
一貫性があるのか無いのか、海のものとも山のものともつかないけれど、
将来に関する何かを感じて「見たい」という気持ちになるのだろうか。


あしたをつかめ!」のようにストレートな題名ではなく、
ソクラテスの人事」だなんて、捻りを聞かせた番組なのに、
まだまだ幼いと思っていた娘が興味を抱いていることに、
かーちゃんはどぎまぎさせられる。
子供の旬は短い。かわいい、かわいいだけの時代は終わった。
塾通いもさせず、お稽古事に血道を上げているわけでもなく、
のんびり育てたつもりだったけれど、
現実には色んなことに巻き込まれ、どこからか聞いてきて、
学校でも音楽教室でも友達同士で良くも悪くも刺激し合い・・・。


かーちゃんの持っている2世代分古い子供時代の記憶からは、
遠く隔たった所で生活している君に、何がして上げられるだろう。
何をして上げられるというのだろう。
あしたをつかめ!」と言われても、自分自身が苦笑いしてしまう毎日。
だからこそ、心から「あしたをつかめ!」と言い切れる、
タフなかーちゃんであらねばならぬのか。
それとも、日々その後姿を見せて悪戦苦闘し、
泣き笑いの毎日を共有してやることこそ、必要なのか。


娘が様々な職業に興味を持つ。自分に何が必要とされているのか、
世間は何を試してくるのか興味を持つ。
そんな娘の姿がまぶしく感じる、かーちゃん。
確実に足音が後ろから迫ってくる。
そして追い抜かされていく。
そんな気がする。

やりたい仕事がある!―好きな仕事・向いている仕事741職

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