Festina Lente2

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虫歯予防のみならず

終わってから気が付く、虫歯予防デー。それじゃ駄目駄目。
最近は単純に虫歯との闘いよりも、
抜けたり欠けたり割れたりする歯との戦いが続いている。
もぐら叩きの様な歯の治療に追われて、2年近く。
老眼だけがこの世代の最後の抵抗と言われていたが、
実際は、頭痛肩凝り筋肉のこわばり、メタボにぐらつく歯。
予防医学と言うけれど、そんな高尚なものではなくて、
慢性的絶不調を忘れさせてくれるのなら、
何でも来い! みたいな毎日が続いている。


上司に大丈夫かと尋ねられ、お互い年だからと慰められる日々。
4月に誕生日が来て大台乗ってみれば、平均年齢の高い職場では、
やあこちら側にようこそと、おかしな歓迎のされ方。
「年を重ねて、常にどこか不調が当たり前の日常」組の仲間入り。
同い年の同僚は「もう完全にキャパを超えたのよ」と、
今年のヒアリングの仕事の目標に「仕事を減らす」と書いたとか。
おいおい、それってそれでいいのかと思ったけれど、
さもありなんの私たちの生活。お持ち帰り仕事が多過ぎるから。
職場でやっていることなんて、ごくごく一部。


そんな毎日の中で、終わってから気づく、虫歯予防デー
老父も部分入れ歯、両親揃って歯医者に通う身。
娘はもちろん現在も矯正中。これが中学まで続く。
先週幾つ目になったのか、新しい矯正器具に取り替えた。
身長も伸びるし、骨も発達する。歯抜けの顔から、
上の歯の糸切り歯も生えてきて顔つきも変わってきた。
歯並びのこと意外、歯科に関しては心配が無いか・・・。
そう思っていた矢先、先生のお言葉。


「お母さん、生えてきている永久歯の奥歯ですが、
 人によって溝の深さがそれぞれなんですが、
 どちらかというと深い方なので、溝に食べ物の滓が溜まり易いです。
 シーラントで予め埋めるという方法もありますが、
 今はこのままで様子を見ていてくださいね。
 しっかり歯磨きして下さい。」


無罪放免という事は無いらしい、虫歯予防。
学校での歯科検診もフリーパスだったというが、安心できない。
磨いても食べられやすい歯質。唾液の質だったら何にもならない。
小学校時代から長きに渡る歯医者とのお付き合い。
昔シーランとの技術があれば、今のように定期的に通っていれば、
削るだけ削り、抜くだけ抜くような対症療法のみの治療で、
口の中をアマルガムだらけにする事も無かっただろうと、
ふつふつやるせない思い。歯科治療に対する恨みと思い出は深い。
だから娘の歯だけは守らなければと、せっせと歯医者がよい。


かーちゃんは磨いても磨いても、どうしようもないデス・スパイラル。
中途半端な矯正治療、綺麗に直らなかった歯並び、八重歯、
ブリッヂ・差し歯。一本入れ歯。この後どこまで?
飛んだり走ったりすると、左の上から鼻の方へ響く。
鼻が悪いのではなくて、昔の詰め物の中から新しい虫歯。
神経を取るか取らないかの間際で、お薬を詰めて様子見中。
何が辛いって、職業病の肩凝りはいつも歯が浮いている感じ。
悪化した急性副鼻腔炎は、すっきり直るまでに3週間近く要し、
それまでは、歯は浮くし響くし。

ホリスティック養生訓

ホリスティック養生訓



本日、虫歯予防デー
でも、親からは「そういうこと」は何も聞かずに育った。
健康に関する事は、弁当に腹痛予防の梅干程度。
出された物を食べる。好き嫌いせずに食べる。そして早寝早起き。
それで体を壊したら、どうしようもない。そう育てられた。
普通に生活していて体を壊したら、もうどうしようもない。
意識して予防するわけではない。気を遣うでもない。
塩分の多い、東北の昔ながらの食生活。
両親揃って高血圧になるのも当たり前。


かりそめに大学教育を受けて来ても、人間自分の健康には無頓着。
変に自信があったり、自分だけは大丈夫と思っていたり、
何かが起こるまで気が付かないのは、うちの親も同じ。
病気を予防する為、いつもと違う、調子が悪い時に、
どんなふうにすればよいか。工夫や配慮、その他諸々。
普段から折に触れて聞かされる事も無く、
長じて後も改めて話される事も無く・・・。
病気の予防、風邪を引いた時の対処法。
何も無い・・・。


老母は口癖のように、男はすぐにへこたれる。
痛みに弱い、少々のことで大騒ぎするとぼやいていた。
女は人より早く起きて、人より遅く寝て家のことをするがモットー。
古い道徳観・家庭観を持っていながら、仕事を持ち、
ダブルバインドの価値観で私を育てた。
そのくせ、危険なこと、気をつけること、大切なこと、
守るべきこと、予防すること、肝心な事は何も言わず、
教えも諭しも示しもせずに、勉強しろとも言わずに育てた。
一言「後悔するような事はするな」


これはずるいと思う。何をしても自己責任。
親に文句を言うなという逃げ口上を、高尚な形で説教。
具体的には何も教えられなかった。
親の後姿を見て育てというが、働いている親は家にはいない。
孤独や焦燥感に苛まれている時も、親は知らない。
お金も無く遊べず周囲と同じような付き合いが出来ず、
どこにも出かけずに過ごした事もわかってはいなかったはず。


親を責めたいのではない。でも、親は本当に肝心な事は何も言わなかった。
とても大切なありがたい親の存在だけれど、何も話さず来てしまった。
起きて勉強していれば、それほど起きていないと覚えられないほど
馬鹿か、電気代がもったいないから早く寝ろと階下から叫んだ。
電話で長話しようものなら、要点だけを話してさっさと切れと、
横から電話を切られた。家の中を片付ける時間は無くても、
外回りだけは綺麗にして、誰が見てもいいようにと口うるさかった。
「東向きの家は栄えるが、西向きの家は栄えない」というような、
ことわざめいた説教で、具体的なことを言わなかった。


質問すると自分で考えられない馬鹿だと言われ、
調べるために百科事典があると言われ、
親に対して劣等感ばかりが募った高校生までの自分。
目医者も歯医者も、熱が出て調子が悪い時も、
一人で病院に行って待合室に行き、治療を受けた。
その治療や投薬が良かったのか悪かったのか、
全く親は関与せず、「医者に掛かるような生活は許せん、
体が弱るのは心が不摂生だから」と
何事も精神力と説教されて、終わった。


インフルエンザにかかって高熱で動けない高校生の私の所に、
引退したはずの親戚の医師が往診に来たのが、後にも先にも一度。
唯一、親が医者を呼んだ日だった。
予防医学も体調を気遣うも何も、子供に通じる「心配」は、
本当に倒れるまで何も無かった。
親も働き盛りの忙しい年代、よほど余裕が無かったのだろうか。


親は、動物のように「動けなくなったら最後」の生き方を、
つい最近まで実行していたので、予防医学も余生を楽しむも、
何も無いような気がする。不調が見つかった時、もう治せない。
施しようが無いという状態で、訊いても問いただしても答えは無い。
お手上げになるまで、うんともすんとも。
予防も治療も無く、後手後手に回っていた生活。
それほど育った家庭は医療に無関心というか、無知だった。
それとも、高度経済成長時代のサラリーマン家庭って、
滅私奉公の労働者の生活ってこんなもの?


虫歯予防デーなんて、新聞の見出しや広告で知るだけ。
でも、子供を持った私は娘の歯の健康、予防接種、
定期的な通院に神経質だ。
早く寝ろ以外、何も言わなかった親への反動のように、
近視・虫歯を予防することに意識がいく。
失くした健康を取り戻すのは難しい。
歪んだ食生活、メンテナンスの無い日々。
痛い苦しいと言いながらも、薬を飲むのは嫌だと言い張り、
半身不随になった祖母、肌を見せるの嫌だと診察を嫌がる母、
その反動で、私は時間と労力を食う通院を厭わない。


雨戸のある家を建てたが、建付けの悪い引き戸は役立たず。
一枚一枚嵌める手間の掛かる和室二間分。
アルミサッシのある時代に、木造の雨戸、
欄間のある和室を設け、言った台詞が、
「襖を外せば不祝儀の時でも人が集まれる」
一世一代、親にとって家を建てるってそういうこと?
家族揃って楽しく住むためではなく、人が集まるのは何のため?
これでは人生も楽しめない。これが、うだつのあがる人生?


かーちゃんはこんな家には住みたくないの。
こういう生活はしたくはないの。
健康を守るのではなくて、お迎えを待つ家。
予防医学どころではなくて、
単に子供に託す最後の仕事、葬式の場所を準備。
このご時世に、自宅で葬儀を出すことを夢見ている?
それが親としての役目? 準備? そんなものは要らない。


私は娘に一戸建ての家なんて建てられないし、残せない。
その代わり、するべき我慢としなくてもいい我慢の区別は付けさせたい。
「武士は食わねど高楊枝」の無理なやせ我慢と、無知とは紙一重
何もしないことで健康を守るのではなく、
何かをすることで健康を守る。
当たり前のことをしているから大丈夫ではなくて、
当たり前の生活をしていても、病気になる時はなる。
相談するべき所、メンテナンスを頼む所、専門家に任せること。
教えを請う事、試す価値のあること。
ただ自分のみに起こってしまったことを受け入れるだけではなく、
黙って待つのみではなく、動かなければ・・・。
それがじたばたに見えるかしらん?


親が教えてくれなかったことを娘に伝えておきたい。
色んなことの中の一つに過ぎない、虫歯予防。
本日虫歯予防デー。「口は目に見える内臓。」
保育園の娘の歯磨き指導に参加した親子行事。
その時に聴いた言葉が、いまだに忘れられない。
何かあってから、運命だから仕方が無い。
弱い歯だから仕方が無い。
そんな風にしたくない、かーちゃんなんだよ。


・・・というわけで、
かーちゃんは口うるさい文句言いで、心配性でごめんよ。

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