Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

仮歯再調整

主治医に診て貰う。前回のミスに関しての侘びは無い。
「やっぱり少し高かったのかもしれませんねえ」だ。
別の医師の「しばらく使っていなかった歯に圧が加わると、
神経を取っていても、歯茎が痛むことがある」という説明を受けた旨、
主治医に伝えると?と首をかしげる


彼女曰く、「親知らずは顎から直接生えているから、
ほんの少し高くても、口の中の感覚は鋭いので、
衝撃がダイレクトに伝わって、咀嚼時の痛みが出た可能性がある。
今までは仮歯が入っていなかったので、咀嚼していなかったので、
噛み合わせとしては圧が掛かることなく痛みが出なかっただけで、
今回仮歯を入れて、高かったことで顎に衝撃が走って、
それが予想以上に痛かったということになる。
だから話している時に何とも無くても、食事で噛んだ時に
どんなふうに影響が出るかわからないので、
いきなり本歯を入れずに仮歯を入れて様子を見るのだ」と。


それならそうと、初めからそういう風に説明した上で、
予想外の痛みが出るかもしれません、もし痛みが出たのならば云々という
説明を前もってしてくれていたら、あんなに痛みでパニックにならなかったかも。
最初から何も説明せずに仮歯を入れられたら、今まで通り
それほど痛みも何も無く来るもんだと思うでしょ・・・。
ったくもう。


おまけにこの2年間で更に初めて聞く言葉。
「neimuさんは咬筋が発達しているので、奥歯でしっかり噛んでいるから、
 余計に歯から顎に衝撃が響いたのかもしれませんね。」
何ですと? 私の咬筋って何のこと?
私には歯軋りは無い。無意識に歯を食い縛っているということ?
「大体診察時にどれくらいしっかり咀嚼しているかというのは、
 筋肉の付き方動かし方でわかるので、しっかり噛んでいると
 咬筋が発達しているので、奥歯できちんと咀嚼しているということです」


その説明は初めて聞いた。
確かに私はしっかり噛み締めたいと思っているし、
そうして食べないと食べた気はしないし、
職業上話さなくてはならないから、口の動きは気になる。
はっきり発音出来ないと気になって仕方が無い。
鼻が通らないと発声に影響が出て気持ちが悪いくらい。
しかし、自分の咀嚼力や咬筋云々の話は初めて聞いた。

誰も気づかなかった 噛む効用―咀嚼のサイエンス

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フレッチャーさんの噛む健康法

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そして、珍しくこう言った。
「神経を取っている歯は要注意なんです。
 痛みがない分、手遅れになっているくらい虫歯が進んでしまってから
 詰め物が取れてしまって、更に大きく詰めないといけなくなるけれど、
 そうなると詰め物が楔の役割を果たすので、歯が割れ易くなるんです。
 神経と一緒に歯に栄養を送る血管が無くなっているので、
 歯が脆くなっていて、ただでさえ割れやすいので、
 この歯の治療は詰め直すよりも、被せた方がいいと思うのですが。
 削るのを嫌がる人が多いのですが、
 ここまで穴が開いていると、被せた方が残っている部分を守れます。」


前回そそくさと慌てて帰って行ったのと異なり、
今日は思いのほか説明が多い。埋め合わせなのか、何なのか。
今まで詰め物に対してこのような説明を受けた事は無い。
本を読んで知っているが。
日本の歯科治療は削って何ぼ、進んだ虫歯ほど奥に大きく削り、
詰め物を抜けにくくする為に不必要なほど削り、
その結果歯は痛み易く脆くなり、削った所から新たに虫歯になり、
天然歯の寿命は削った途端、あっという間に短くなると。
その過去の治療結果のせいで今の状況がある。


黒くなりかけたらすぐ削る。しみた途端に神経を取る。
様子見も無く、再結晶化も何も無く、有無を言わさず削られ、
アマルガムを詰められていた時代。
そして、言われ続けた言葉。「歯の質が悪い。溶け易い歯」
親からは「前歯で噛むな、奥歯で噛め」
よほど噛み方が悪かったのかと子供の頃からコンプレックス。
しっかり噛もうとすると「食べるのが遅い」と叱られ、
結果的にストレスを溜め込み、辛い時ほど無意識に歯を食い縛る。
そういうことが繰り返されてきたのかも。


おまけに主治医はこうも言った。
「一つの歯を抜いてバランスが崩れて別の歯に負担がかかって、
 次々に連鎖反応で負担が掛かった所の歯が割れて行ったという事も、
 十分考えられます。本当は1本ずつ治すのではなくて、 
 今詰まっている詰め物を全部とって、全部やり直すのが1番いいんです。」
目が点になった。全部外してやり直すですと?


「そうです、それが1番言いのですが、そう言うと皆さん尻込みされるので、
 とりあえず今悪い所だけを順番に治していく事になるんです。」
そりゃ尻込みするだろう。いや、尻込みしていない御仁がいるか。
歯の悩みは万人の悩みか、有名な御仁の歯の治療について、
普通の人とは違う、徹底した恐ろしい治療を垣間見た。
http://blog.tatsuru.com/2009/08/13_1533.php
 http://blog.tatsuru.com/2009/08/12_1817.php
 http://blog.tatsuru.com/2009/08/11_2106.php


入れ歯を入れるということだろうか。
歯が1本あるなしで言葉の発音が変わってしまう私としては、
神経が逆撫でされる、想像を絶する日々の記事。
歯滅びて唇寒し、いや、胃も心も心身ともに寒い。
歯は見える内臓、どれだけ毎日に影響しているか。


と、ひとしきり珍しく話したあとで
念には念を入れて仮歯の高さ調整をして貰ったのは言うまでも無い。
おまけに、欠けて詰め物が取れた歯内治療まで、あと3週間もある。
かといって、近所の歯科医の治療にうんざりして、
ここに来ているだけに、どうしたものか。
信頼できる相性の合う歯科医に巡り会い、
納得できる歯科治療を受けるのは、更に難しい。


そんなこんなで、私は消耗しつつ、
・・・気にしちゃ駄目だと思うけれど、気になること。
噛む度に、口を開くたびに、1本入れ歯も、ブリッジも、
差し歯も、仮歯も、口の中の不安定を主張して私を悩ませる。
安心して咀嚼できる、噛み締める、噛み砕く、噛み切る生活。
そんな日は来るのか。
せんべいを割って口に運ぶ度、ものを小さく切って食べる度、
落ち込んでいる私を意識して更に落ち込む、悪循環。

噛めば噛むほど子どもは伸びる! ―『噛むこと』を考える本

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