Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

剣山へ 親子3人

AM2:40 和歌山港 AM4:40 徳島港
南海フェリーは「つるぎ」私達の目指す山の名だ。 
薄闇のフェリー乗り場から懐かしのマリンターミナルへ向かう。
昔はここが関空までの高速船乗り場。
娘が生まれる前から徳島と行ったり来たりの別居結婚を支えてくれた。
今はもはや船着場でもなく、立派な建物は別の用途に転用されていた。
桜茶屋以外の店も新しくできているようだが、夜明けが近づいた港に別れを告げ、
徳島駅前近辺一周して市内を抜け、佐古から貞光方面へ。
変わらない景色が続く。この10年、徳島はどんな風に変化したのか。


当時4歳前の娘は、10歳を目前に控えている。
丸6年離れているにも拘らず、自分の肌に馴染むような気がする徳島。
親子3人家族が暮らした日々を支えてくれた、想い出の地だ。
お互いルーツが異なる人間が出会い、仕事の場を異にしながら、
産休・育休を通じ、家族が家族として過ごした徳島。
今、伸びやかな手足を持った娘は車内でぐっすり。
合併後地名が変わっていて少々戸惑うが、道は変わらない。
私達以外にも利用客があるものの、朝の6時前後、
閉まっていて利用できない貞光、道の駅。

 


生まれて初めてパークゴルフを楽しんだ場所、貞光道の駅前。
早起きをものともせぬお年寄り達が、既にゲームを楽しんでいる。
涼しいうちに一ゲーム、ゲートボールならぬパークゴルフの河原は、
万博公園パークゴルフ場とは比べ物にならないほど広い。
河原の石は、徳島名産の青石を思わせるものがごろごろ。
阿波の青石は剣山のお膝元、吉野川ではよく見られるそう。
朝まだきの景色を眺めながらコンビニお握りの朝食。


さて、目指すは剣山。徳島一の山。結婚前に1度、結婚後に1度。
いずれも秋に登った事があるが、家族で来るのは初めて。
リフト乗り場まで車で登る。途中幾つかの滝・清流を眺めているうち
乾いていた心がしっとりと潤い、肺の奥に新鮮な空気が満ちて来る。
石鎚山に次ぐ、西国2番目の霊峰とはいえ、嬉しいことに
登山道がしっかり整備されていて、思いのほか手軽に楽しめる山。
されど修験道もあり険しく、崩落をも注意せねばならぬ難所も。

  


私達は、刀掛けの松で休憩。小さな祠、枝折神社に参る。
ここで休憩したのち、神社の神主さん以外頂上手前まで、
登り道は絶えて人に会うことは無かった。


右手に折れて御神水で有名な大剣神社を通る、
ややなだらかなコースを選ぶ。お守りを買い、御神籤を引き、
その御神体であろう奇岩聳え立つ姿を見ながら、頂上を目ざす。

  


霊峰は山そのものが御神体だが、昔も今も自然天然の造詣、
いかなる技を持ってこのような奇岩が生まれたのか、
その剣のような形を持って迫るので大剣神社なのか、
往時はひたすら険しき山ゆえに剣山だったのか、
その巨岩のもたらす景観、誠に奇異。

  



ゆっくりゆっくり、Gが掛かるかーちゃんが一番遅い。
娘は立山を登っているだけに、足取りも軽やか。
大台に乗ったかーちゃんと、病を何とか乗り越えたとーちゃんが、
感慨もひとしおに娘の後姿を拝しながら、頂上へ。

  


途中の景色を楽しみながら、高山植物、記念写真、
頂上付近では健脚自慢の団体登山客にも出会うように。
実質1時間歩くか歩かないうちに、登れる所が嬉しい。
剣山本宮宝蔵石神社へ辿り付き、お参り。
ここも山岳・奇岩信仰が神社を作ったのだろう。

  

今はもう使用されていない廃墟となった気象観測所の横を、
木道を通って頂上へ。ミヤマクマザサ保護のため、
地面の上を直接歩くことはできない。
一面の笹のお陰で禿山ではなく、緑色の落ち着いた山頂の景色。
映画で有名になった「剣岳」が望めなかった1等三角点がある。

  

  


木道の端に腰を掛け、あちらこちらではお弁当、おやつを楽しむ人も。
皆さんマナーよろしくゴミも出さず、のんびり記念写真を撮りあいっこ。
家族連れはもちろん、色んな団体さんも。その中でも、若いカップルで、
ばっちり登山スタイルを決めている二人が。
写真には取れなかったけれど、服といい靴といい、リュックや杖といい、
登山大好きな上に、山にふさわしい超お洒落な装い。
こういう若い方もいるんだなあと惚れ惚れ。

  


雲が沸き立ち、影が差し、目まぐるしくその姿を変える山々。
その景色を堪能後、山小屋で暖かいお昼を取ることに。
冬の間は閉めてしまうが、今は掻き入れ時の山小屋。
店内はこんな感じ。


一服後、望遠鏡で景色を楽しむ娘。
山小屋の前には高山植物が沢山植えられ、目を楽しませてくれる。
(植物は後日まとめてアップする予定。)
さて、本日はまだ予定があるので急いで下山せねば。

  

下山途中、大剣神社から御神水(おしきみず)のある方へ降りて、
霊験あらたかな水の恵みを受けることに。
何しろ若返りの水、病に効く水、名水百選に選ばれている。

 

 


健康を祈願して喉を潤し、空のペットボトルに冷たい清水を汲み入れて、
緑滴る山道をひたすら下る。下りながらも、あれ?
登り道が出てきたり、アップダウンを経てリフト乗り場に向かう。
沢山咲き乱れる高山植物の名前がわからず、もどかしい。


抜けるような青空。様々な樹が色んなポーズを取っている。
思わずぱちり。なかなかいいモデル・・・。

  


名残は尽きねど、予定のかずら橋へ行くために大急ぎでリフトで下る。
せっかく登ったのに、降りるのはあっという間だなあ。

  

  


さよなら、剣山。また来るからね。

石鎚・剣山を歩く (フルカラー特選ガイド)

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1998年 アークが剣山から出てきた!

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