Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

かずら橋から西祖谷村へ

さて、旅の宿へ着くまでに「二重かずら橋」を制覇。
剣山を降りて一路、西祖谷(にしいや)へ向かう。
何といっても平家の落人(おちうど)伝説がある地域、
(平成の大合併で、現在は三好市になってしまった西祖谷山村
人の通い難い山奥、その谷川に掛かるかずら橋を娘に見せ、
渡らせたい一心で、家人は車を走らせる。
午後は3時ごろ。やっと着いた。


ここから通行料を払って、谷川へ降りる。
かずら橋の維持代と谷川の飯盒炊爨場の使用料込み。


30年以上前に東祖谷に来た事はあるが、記憶も定かでない。
当時もかずら橋を渡ったはずだが、それは明日の予定。
本日は、人気の無い自然一杯のかずら橋を堪能。
最初は戸惑ったものの、揺れをものともせず渡る娘が頼もしい。

  


谷川の水はエメラルドグリーンに光って見える。
藻や苔で緑色に見えるのではなくて、川底の石自体が水色。
何ともいえぬ川底の景色と、光の反射、澄んだ水が、
独特の不思議な色合いを醸し出している。
とうとう我慢しきれなくなり、谷川へ降りてみることに。

  


実はこのかずらは結構太くて乾いていて痛いので、素手で握るならともかく、
上着も何も着ていないむき出しの腕などは、触れると擦り傷が出来てしまう。

  


よほど冷たい谷川の水が気に入ったのか、川でお洗濯のおばあさんのように、
水遊びに余念の無い娘。本当に静かで落ち着いた景色に、満足。
色も風も、水の流れも、草木も空気も、全て自然の癒しに満ちている。

  



どうして1日のうちに、山や川やこんなに沢山の自然に触れることができるのだろう。
毎日生活しているあの世界の騒音や濁った空気は何なのだろう。
わざわざ水の流れや小鳥のさえずりをCDに入れて聞いている、
そんな偽物の癒しの空間で何とか凌いでいる。
そんな毎日がすっぽりと抜け落ちて、本物の緑、緑、緑。
水、水、水。


奥にある2つ目のかずら橋の近くには「野猿」があって、
自分の腕の力だけで向こう岸に渡ることができる。
生活の知恵、エコライフ。
二酸化炭素を出す動力ではなくて、人力で対岸へ。

  


私は1度しか乗らなかったけれど、娘と家人は何往復も楽しんでいた。
1時間があっという間に過ぎ、勿体無いくらい。
そろそろ、ドライブの時間を考えて切り上げ。
名残惜しい谷川とかずら橋を後に、本日の温泉宿に向かう。
定期観光バスも通ることが出来ぬ細い細い道の奥、
木造の素敵な癒しの宿がある。
奥祖谷の温泉(詳しくはこちら


家族向きの和室、部屋風呂は勿論簡単な調理台も。
トイレも清潔、布団はふわふわ。
お茶請けのお菓子、ゴーフレットはさすが徳島らしく、
すだち味でイラストはかずら橋。


和室で寛いだ後、もちろん露天風呂のある温泉へ。
しかし、その時にハプニング。何と脱衣室に虫が・・・。
蜂か、アブか。しっかりふくらはぎを刺されてしまう。
今から温泉に・・・の気分が少々トーンダウン。
さっぱり一風呂のはずが、湯上りも早々に、
フロントでキンカンタイプの塗り薬を借りる羽目に。


気を取り直してお食事。豪華な和食。
ランチョンマットもかずら橋の写真になっている。
料理長のサインのある献立表が。
あれ、剣山の山小屋のご主人と同じ名字だ。
この辺ではよくある名字なのだろうか。
娘は子供用のご飯だが、こんな沢山食べられるのかな?

次々に出てくるお料理に舌鼓。
朝早くから強行軍だった私たちは、夜更かしどころか、
あっという間に夢の国。
夢のような一日を過ごして、徳島夏旅行の1日目が終わる。

祖谷かずら橋―高橋毅写真集

祖谷かずら橋―高橋毅写真集