Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

雨の東祖谷かずら橋

  


大浴場の朝湯を独り占めし、豪勢な朝食。
のんびり寛いだ朝、宿のすぐ傍から奥祖谷一周できる旅、
モノレールで山の中を一周できる80分の旅へ。
といっても、遊園地に在るようなかわいいカブトムシ型。
大人二人の乗り物へ、親子3人で乗り込んだ。
急勾配に合わせて背もたれは自動で動く。

  


これがジェットコースターだったら物凄く怖いコースだが、
幸いゆっくり景色を見ながらモノレールの旅。
宿に大きな木が沢山使われているのは、
さすが林業が盛んな徳島ならではと思っていたが、
森の中の木が伐採されている姿、切られたまま倒された姿、
丁寧な木挽き作業で積み上げられた木々、
山の手入れ、植林された木々と自由に生えている木々、
頂上まで上り詰めれば800mの高低差、ひんやり。
向こうにちらりと剣山が見える。

  


あっという間に下りに。森、林、木々の間に見える名前。
覚えきることもできず、あっという間に下山。
登る時は長く感じるのに、下る時はどうしてこんなに早いのだろう。
木々に溶け込むように過ごした時間は、長いようで短い。
登山ができず、自分の足で歩くには難しい山の中を、
こんなふうに見る事ができる周遊モノレールの設置は、
私達観光客には大層ありがたいものだが、自然にとってはどうだったのか。

  

切り倒された木々が有効利用できていればいいのだが、
現在の日本は林業は斜陽だ。木を使う家は高く付くし、
木を取り扱う腕のいい大工も少ない。
細工も建具も、木を用いて作られたものそのものが家の中に少ない。
この緑の景色のまま、美しく存在させたくとも、
山はある程度人の手が入らなければ、木々を守ることは難しい。
私達は通り過ぎて行くだけで、何ができると言うのだろう。



  

ドライブしながら東祖谷へ。道幅が広くなりバスが通れるといっても、
運転するのは難しい道。トンネルを幾つか抜ける時に、
かつての迂回路である山道、旧道の険しさに目を見張る。
昔々、バスでここを通っていったはず、なのに覚えていない。
遥か昔、バスが揺れて埃が凄かったこと以外。

 


昨日のかずら橋のイメージを覆すような観光地になっていた、
東祖谷のかずら橋付近。何と言うか、道の駅以上に大きい、
駐車場付きのみやげ物売り場が出来ていた。
そう、高速道路を使って池田市側から走って来られるここは、
観光客急増のために、施設整備が進み、
もはや山奥のかずら橋のイメージは皆無。
平家の隠れ谷どころか、騒がしい一観光地に過ぎなくなっていた。


有料駐車場の向かいに、無人の地面むき出しの駐車場。
料金箱も志を入れるような粗末な箱の駐車場があるのがご愛嬌。
いずれにせよかずら橋を渡るためには、駐車場とは反対側へ。
車を置く所と、橋を渡る場所が異なり動線としては何とも不便。

  


昨日の爽やかな森の中のイメージはどこへ行ってしまったのか。
大勢の人に紛れて橋を渡ることに。おまけに行ったり来たりができない。
一方通行になってしまっているかずら橋。大いに不便。
混雑を避けるための方策なのだろうが、これでは・・・。
橋のたもと、琵琶の滝を眺め谷川で遊ぼうにも、
困惑する私の気持ちのように雨がぱらつき始め、
とうとうスコールのような本降りになった。

  

仕方なく川辺での水遊びを諦め、近場の店へ雨宿り。
3人で1匹の鮎とでこ回しを食べ、暖を取った。
かなり濡れてしまったため、食欲は余り無い。
仕事のため徳島市内へ急いで戻る必要があった。
道の駅でほど芋や生きくらげを買い求め、一路池田へ。
大急ぎで徳島駅前の本日の宿へ。
懐かしい街中の景色を楽しむ間もなく、
私は夕方まで仕事、家人と娘は懐かしの阿南へ一足先に。

祖谷の粉ひき節

祖谷の粉ひき節