Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

私の歯は迷子

通院、昔に神経を取り、更に割れてしまった歯の根幹治療の
やり直し、時間が掛かっています。
神経を取っていたばかりに痛みが無く、気が付けば割れるまで
虫歯が広がった右の奥歯は、結構厳しい状態。
将来的には抜かなくてはならないのかもしれないけれど、
今の所は被せて持たせようと、土台になる歯の根っこを再補強。
そのための根幹治療のやり直しですが、歯内治療科の先生曰く、
「なかなか硬くて底の方まで綺麗にお掃除できなくて」なんだそう。


私の歯の状態の悪さのせいかと気にしていたら、
先生曰く、「年齢から次第に硬くなるものなので」とフォロー。
先生は珍しく今日は眼鏡だ。何があったのかな。
それにしても秋色のワインカラーの素敵なデザイン。
「ちょっと今日は目が腫れてしまって(コンタクトじゃない)」
らしいけれど、先生は眼鏡美人でもあったのだな。
まだまだ新婚さんの先生、毎日仕事とはいえ、
歯内治療ご苦労様です・・・。


街中の歯医者さんでは眠った事は無いけれど、
何故かここの治療台ではすやすや眠ってしまう私。
先生は治療しながら口を閉じて転寝している私に、
「寧夢さん、起きて下さい。今大事な所ですから」と、
優しく何度か声を掛けて下さる。
それくらい、私は起きていられない。
眠くて眠くて仕方のない昼下がり。


「1時間半ぐらいはご飲食を控えくださいね。仮蓋をしていますが、
硬いものを噛むとすぐ取れてしまいますから」といつも言われる。
むろん、私だって気をつけている。
ここからどーんセンターの図書館や、本屋、買い物、郵便局、
こなせるだけの用事をこなしていつものランチの店へ。
ほっと一息、今日はラザニアにしよう・・・。
食後のコーヒー。なじみの店で寛ぐ午後。
でも、余りにくつろぎすぎて私は大失敗をしてしまった。

ちゃんと作れるイタリアン

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味覚極楽 (中公文庫BIBLIO)

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帰宅途中、駅前の駐車場で車を拾って職場へ戻り、一仕事。
残業になったのは自己責任、何とか切上げ、一路家路を辿る。
一路家路を、家路を、・・・家路?
う? 口の中が何か変。何だかスースーする。
あ? 左下の一本入れ歯が、部分入れ歯が無い!
何で? どうして? 職場で決して外したりはしない。
どこで? 自宅でしか外さないのに。
いくら目立たない場所だとはいえ・・・。
私の歯。作り直してもらって半年だよ・・・。


私の歯が無い! 事件その2始まる・・・。
http://d.hatena.ne.jp/neimu/20090130/1233373012
http://d.hatena.ne.jp/neimu/20090306
前回の経緯はこちら。
ええ、たった1本の歯に掛かったお金は、半端じゃない。
なのに、あれから半年でまた紛失? どうしてこうなる?
一体どこで、外で外して?


冷静に考えて、そう。ラザニア食べた時!
たった1本だからつい、寛いで家の中のように外した・・・。 
ちょっと歯に引っかかって外して、ナプキンに包んで、脇に置いて、
それから? それから? 食後のコーヒー飲んで、それから?
それから? ああー、そのままお勘定したんだ!
もう、ゴミと一緒に絶対捨てられているー、私の歯ー!!!


心の中で絶叫しながら、ガレージからお勝手へ。
娘がたった一人で夕食をとっている所へ、かーちゃんうなだれて帰宅。
「どうかした?」すかさず訊いてくる娘。
「・・・歯を失くしたみたい」「え? 前も失くした奴?」
「うん、1本うん万円の歯だったのに、・・・。」
「おかーさん、どうするの?」
「とりあえず、だめもとで今日ご飯食べたお店に電話してみる」


私の頭の中は、主治医に電話したかつての風景がぐるぐる。
あのう、歯を失くしました・・・。
また一から型取りで出来上がるまで1ヶ月以上・・・。
ああ、またとてつもない出費。ああ、どうしよう。
まったくもう、本当にいい年して、私ったら。
頭の中はぐるぐる、行方不明の歯が回る。


とぼとぼと2回へ上がり、財布の底からレシートを探し出し、
夜も忙しいであろう店へ電話を掛ける。
なかなか人は出てこない。ようやく通じて・・・
「あのう、今日2時過ぎにそちらでランチを食べた者なんですが、
 何か忘れ物なかったでしょうか・・・。
「お忘れ物でございますか、どのようなものでしょうか」
「えーとですね、何といえばいいのか、そのう、小さなもので、」


みなさん、言えます? すぐに。
1本入れ歯、部分入れ歯を忘れちゃったなんて。
恥ずかしいわ、お馬鹿だわ、情けないわでもう、しどろもどろの私。
「あ、お忘れ物ですね、ありましたよ」と電話の向こうの声。
「あのう、忘れ物って、あの、入れ歯なんですけれど」


「はい、確かにお預かりしています」「本当ですか!?」
嘘じゃないかと思ったけれど、あったそう。
テーブルの上に紙ナプキンで包んでいたものを、
よくもまあゴミとしてあっさり捨てたりしなかったものだ。
とにかく預かってもらって、今日は無理なので後日取りに行くことに。
「すみません、気持ち悪いでしょうに、今日は無理なので、
 取りに行くまで預かっていてください」


後日、お菓子持参で伺ったのはいうまでも無い。
私は運が良かった。
前回人間ドックの食事の時は、うっかり外して、
食器を下げるワゴンに載せられたまま、行方不明。
お店は食器を下げる際に?と思ってくれたのだろう。
ありがたやありがたや。


というわけで、神無月の2日目。
神様は遠い出雲の地から私の歯を守ってくれていた。
ありがたやありがたや。

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