倦み疲れ
妖精の尖った耳、つり上がった目、
とげとげしい声、心の中にはびこるイバラ。
苛立ちの中で怒りを抑えられなくなる。
この上なくうんざりさせられる些細なことが、
つまづきとなる日常。
投げ捨てられた小石が雪玉に成長。
悩みの数を増やしながら転がり落ちる。
私は奈落へ一直線。
落ち込むことのたやすさに比べ、
気を取り直すことの難しさよ。
ふと我に返れば、気まずさは後悔への炊きつけ。
燃え上がる自己嫌悪。
後味の悪さはくすぶり続けて私をいぶす。
何もかも精一杯、いや違う。楽をしたいだけ。
何もかもぎりぎり。
いや、これ以上頑張るのが嫌なだけ。
何もかもがいいかげん、
いや、きちんとしても無駄になるから。
何もかも言い訳、逃げ場ばかり探している。
- 作者: 内田樹
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2007/09/25
- メディア: 文庫
- 購入: 30人 クリック: 347回
- この商品を含むブログ (111件) を見る