Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

大阪倶楽部へようこそ

(少し写真を追加しました。11/18)

皆様、大阪倶楽部をご存知ですか?
え? 有閑倶楽部ではありません。れっきとした実在する倶楽部、
大阪倶楽部です。皆様、社員とは名ばかりの高給取り?
いや、もとい、経済的にも社会的にもゆとりのある方々が、
選ばれたお付き合いをする場所、大阪倶楽部
(詳しく知りたい片は、クリックして入り口からじっくりとご覧下さい)
関西で室内楽、特にバロック音楽が御好きな方が訪れる場所としても有名。


今宵皆様と一緒に、大阪倶楽部を少しだけ覗いてみましょう。
一般の人はなかなか立ち入ることのできない、敷居の高い大阪倶楽部
何故ならここは、英国式の会員制倶楽部。
推薦を受け、それなりの資格を得た名士が集う憩いの場所、
洗練された殿方の誇りやかな社交の場、大阪倶楽部
大正時代の名建築がその雰囲気を盛り上げ、
今も会員の方々が往時の伝統を守り伝えてきた場所。


(世知辛い話ですが、会費もなかなかで、推薦人も複数必要、
 おいそれと御近づきになるのは・・・な世界です。)
残念ながら婦女子には門戸は開かれておりません。
が、今宵は特別。こちらでとある講演会。
主催者に申し込めば先着順で誰でも聞くことができます。
それゆえ、今宵は特別に大阪倶楽部にようこそ、というわけ。


何故私のような者が、今夜ここに来ることができたか。
それは、月刊『島民中之島』の主催する講演会に参加したから。
講演のテーマは「手塚治虫に学ぶ 生きること死ぬこと 」
講演者は久坂部羊 現役の医師で作家。
手塚治虫の後輩にして熱烈なファン。しかしてその著作は・・・。

日本人の死に時―そんなに長生きしたいですか (幻冬舎新書)

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大学病院のウラは墓場―医学部が患者を殺す (幻冬舎新書)

大学病院のウラは墓場―医学部が患者を殺す (幻冬舎新書)


なかなか意味深な題名が並びますね。
実は彼は職場の先輩から作家の同級生の話題を聞きました。
ということは、恐れ多くも私にとっても先輩同窓生。
その方の、手塚治虫関連の話を聞きけるとあって、即申し込み、
今宵こちらに来ることが出来たわけです。


実は、月刊『島民中之島』今年の9月号に、かつて阪大医学部と病院が
中之島にあった頃の久坂部氏の思い出話が掲載、
それも手塚治虫の講演があった中之島祭時の思い出話が!
それは、3年前私が書いたこの記事→の思い出の日。
奇遇にも時を越えて同じ場にいたわけ。
思い出の中身に差はあれど、忘れもしない医学部階段教室、
手塚治虫直筆の模造紙大の「火の鳥」が抽選で貰ったあの日、
思いを寄せた人と肩を並べて手塚治虫の講演を聞いた思い出が蘇ります。


・・・今夜はお互い仕事帰りの家人と二人で、大阪倶楽部
講演会後、その後30分間だけ中を見せて頂きました。
皆様もご一緒にどうぞ。
由緒ある建物に入ると、こんな噴水が迎えてくれます。
ノートルダムガーゴイルを連想させる強面(こわもて)ですね。

講演会場は上の広間。天井のシャンデリアと模様、いかが?
インタビュアー兼司会と講演者の机がセッティングされています。

  

  


講演後、久坂部氏が持ってこられた貴重な雑誌、
巨匠手塚治虫の漫画本・・・実物を目にするのは初めて!

それから薄暗さがこの建物の雰囲気をいっそう盛り上げる、
ステンドグラスのある窓付きの階段を下りていくと・・・、

  

  


踊り場には懐かしい乳母車が描かれてた古風な油絵、
内輪の集いの会食の場、蛍光灯といえど優雅な趣きが。

 


ユダヤの燭台を連想させる趣きのある灯り。
非常口の上の端正な織物の飾りをご覧あれ。
花の絵やちょっとした絵画が飾られたくつろぎのコーナー隅には
社史や記念誌など、社会の歴史をさりげなくとどめた本棚が。
ご意見箱とて、この重厚な木彫が施された由緒正しきご意見箱。

    

    


読書コーナーには様々な雑誌の他に、経営・経済ノウハウ本などが、
社会情勢の薀蓄本や話題の新書と共にずらり。
掲げられた書には・・・。なるほど、そうですね。
士たる者、この心意気でなくては。

 

会員の皆様が寛ぐ小洒落たレトロなBAR、さりげなく飾られている竹久夢二
日ごろ鍛えた腕を競い合う球戯場、なかなかお目にかかれない設備。

 


沈思黙考、或いは隠れた情報交換の場か、頭脳戦か男の意地か、
ずらりと並ぶ囲碁・将棋ルーム。奥には寛げるソファはもちろん、
携帯電話はご法度の空間が広がる。

  

  

  

いかがでしたか、入会審査(資格維持)厳しき大阪倶楽部
会員名士の奥方、ご家族でなければ他見許されぬ空間を味わいました。
いつの日かまた、お呼ばれに預かりたいものです。

御別れに再びガーゴイル君。フラッシュを焚くとこんな色。
そして、大阪倶楽部の外壁では入り口の部分。
(全体写真は大阪倶楽部HPでご覧下さい)

  

大阪の近代建築と企業文化<新なにわ塾叢書2>

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大大阪モダン建築 輝きの原点。大阪モダンストリートを歩く。

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このまま真っ直ぐ帰宅するには惜しい夜です。
せっかくですから、寄り道しましょう。

  


夕食は21時過ぎとなり、大阪倶楽部の建物向かいの地下で、
夫婦二人でちょっと優雅なtea time気分を味わって頂きました。
なかなかお洒落な調度のお店でしょう。
ハロゥウィンも終わり、お店の飾りつけはすっかりクリスマス気分。
看板間近とあって、貸切のように贅沢な時間を過ごしました。

  


ガラス窓に映る夜景は別世界。向かいのお店も部屋の中も、異国情緒溢れ、
ヨーロッパの片隅で、二人寄り添っているような気分。

  

たまには夫婦でお出かけ、こういう時間も良いものです。
明日の老父の退院を控え、今夜の会は予定通り出席できて満足。
右へ左へ分かれて、それぞれの生活圏へ戻る木曜の夜。
明日は週末前の大仕事(混みこみの予定)が控えています。
せめて手塚治虫の思い出に浸りながら、
若かりし頃の切ない思い出を秘めながら、
今日の講演の余韻に浸りながら、ゆっくりとした時間を過ごしましょう。

講演会の内容は、また後で。
別記事で少しだけアップしたいと思います。
それではひとまず、ごきげんよう

  

まず石を投げよ

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