Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

「ぶらぶら歩く夢」への憧れ

眠くてたまらない。何故だか良くわからないが、
昔と同じように不安定・不規則な生活はできないということか。
無理ができない年なのね。体が要求してくる眠気なのね・・・。
私は周囲が静かになる夜でないと、落ち着かない。
なかなか考え事ができないというのに、(何を考えるのか)
下手な考え休むに似たりという毎日なのに、
夜、眠くて寝てしまうと頭の中が空っぽになった気がする。


よく眠れてすっきり、そういうものではなくて、
何もインプットされずに終わってしまったという、
焦りと後悔ばかりが沸き起こってくるので、始末におえない。
早く寝ても、いつもより早く寝ても罰が当たるわけじゃない、
早く寝ればいいじゃないか、気にしなくても。
そう思いながらも、布団が遠い。ベッドが遠い。


入浴すれば湯船から出られず、炬燵に入れば炬燵で寝てしまう。
これからの季節、だらだら過ごすことが増えてきそうで怖い。
夏ならば、早朝に起きて読書したり仕事してもいいが、
これからは寒い。朝目が覚めても布団から出たくない。
これが一番困る。寝たきりでは何もできない。
なのに出たくない。この繰り返しになる。


これからの季節、眠気に負けて寝ると、後悔と同時に、
訳のわからない夢がどっと増えてくる。
私の夢は総天然色、幾つかの夢が大抵束になってくる。
もしくは少し目覚めて2度寝でもしようものなら、続きが観られる。
または、何度も同じ繰り返しをしながらバリエーション。
或いは、起きて生活をしているようなリアルさで、
夢と気づいたときには朝寝坊!


3連休を前にして、魂だけがぶらぶら歩き回るような、
そんな夢の町を、夢が彷徨うような眠り方をする。
以前はよく夢を覚えていたが、このごろは意識して忘れている。
そんな気がする。忘れ方が上手くなったのか、こだわらなくなったのか、
単に物覚えの悪い年齢になったからか。
執着しても、忘れるものは忘れる。
1週間と記憶の片隅に残らない。夢の切れ端は、脆い。
子供の頃よりも脆くて、あっという間に千切れて飛んでいく。

江戸切絵図散歩 (新潮文庫)

江戸切絵図散歩 (新潮文庫)



昨夜は『ブラタモリ』の日だった。
地図を片手に御江戸の町を、東京を歩き回る。
今の東京の地下に、草っパラに、マンションの中庭に、
人知れず隠れている、古きよき時代の片鱗、進化した形、
取り残された遺跡、そんな道や建物、レール跡、地名。
イタリア大使館に残る江戸時代の大名庭園
思いがけない所に顔を出す、もしくはひっそり隠れている
古き良き時代の名残り、懐かしい風情、そういうものを探して歩く。


面白い番組だなあと感じててしまうのは何故か。
ああ、まだまだ探検したかった東京の街中を、
ぶらぶら散歩している気分になるから。
このちょっとしたこだわりや探検の仕方が、自分のリズム、
好奇心の振幅に似ているからだと気づく。
タモリほどの「てっちゃん」でもなく、
昔の江戸を見出すこだわや知識もなくても、
一緒にぶらぶら歩いている漢字が楽しくてたまらない。


似たような雰囲気の企画で、訪れた町で逢った人にインタビューして、
偶然の出会いを楽しむという風情のものがあるが、
語りやしゃべり口、内容が退屈でずっと見ていられない。
あてどなく歩く雰囲気や、出会った人に当たり外れがあるからか。
いや、民間で似たような番組があっても面白い物は面白いし。
好みの問題と一蹴されればそれまでだが、
NHK用にしつらえた、知的な雰囲気のタモリが薀蓄を語る、
そしていかにも町探検を楽しんでいる様子が、かわいらしく(失礼)
「大人の郊外学習、遊び時間」の風情でほのぼのとしている・・・。


おそらく対象年齢は私よりも上の方々、生活に余裕のできてきた世代、
子育ても終わって一服付いている、趣味に時間とお金を費やせる層に
アピールしているのだろうけれど、今の私にとっても楽しい番組。
いつかこんな風に、ぶらりと町歩きを楽しみ、
ほんの少しの間しか探検できなかった(家人の東京赴任中)東京を、
ゆっくりこの目で見て回るのだ。


樋口一葉が生活した場所を、漱石が歩いた坂道を、国木田独歩の武蔵野を、
文学散歩もいいなあ。むろん、食べ歩きだって楽しいに違いない。
そんなことをほんの束の間考えながら、TVの前に座っている。
そんなひと時、秋の夜長。
そして今日は、今晩は何の番組があったっけ?
考えているうちに、いつの間にか夢の中。
夜更かしできるほど、今週は体力が残っていない。
それでも夢だけ見る、見たいと思っている夜。
又は明け方。

落語笑笑散歩~お江戸下町ぶらり [DVD]

落語笑笑散歩~お江戸下町ぶらり [DVD]

東京・江戸散歩 おすすめ25コース (PHP文庫)

東京・江戸散歩 おすすめ25コース (PHP文庫)