Festina Lente2

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悩み上手? 

職場の同僚が去っていくお客さんを眺めつつ、小さく呟く。
「悩み上手だなあ」・・・悩み上手?
それってうまく悩み事を解決できるって意味ではなくて・・・、
彼の範疇、考え方、言い方での「悩み上手」は、すぐ悩むということ。
何でもかんでも悩みの種にすること。
些細なことが気になり、あれこれ悩んで身動き取れなくなって、
駆け込み寺を探してくるので、「悩み上手」なんだそう。


褒め言葉ではなく、強烈な皮肉だったわけ。
なるほどね、そういう意味で「悩み上手」。
だったら私も負けないなー。(苦笑)いや、自慢にならない。
11月、昔、射手座の友人に言われたことが忘れられない。
「自分を責めるのが上手だよね」
「しんどい方しんどい方に自分を追い込んでいくよね」
「二つあるうち、困難な道を選んでしまうタイプだよね」
「わざと自分を追い詰めているみたいだよ」
グサグサ言われて図星だった時期・・・若かったなあ。
え? 今はどうですって? アハハハハ。


今に至るまでのワタシの有様、同僚の言うところの「悩み上手」では?
これって、全く自慢にならない。全くの不名誉。
根暗でマイナー志向の、もう忘れたはずの思春期の堂々巡りの自分、
そういうものを否が応でも思い出しちゃうじゃない。
そういうマイナスイメージに「上手」を付けられると、
・・・勘が狂うわー、「悩み下手」って言うんじゃないの?。
悩んでも成長に結びつかない、解決策を見出せず、
針小棒大、蚤の心臓の土壇場に弱い臆病者だと言われれば、
「悩み下手」というイメージにぴったりなのに。
悩んだ甲斐が無いという・・・、悩み下手。


ちゃんと「悩み下手」って言ってよ。
「悩み上手」だなんて誤魔化さずに。



悩み方にも上手下手の区別があるなんて、皮肉。
最近物事を余り深く考えてなかったから、ちょっとした言葉にドキッ。
人は誰でも無意識のうちに褒めてもらいたい自惚れやだけれど、
「悩み上手」と言われて、素直に「そうなの」とは肯定し難いはず。
たとえそれが悩んだ挙句、解決策を見出していたとしても、
遠回りしても「急がば回れ」の道を探し当てていたとしても、
「悩み上手」では、やはり格好いい褒め言葉にはならない。


しかし、最近は悩んでいるのを意識しないでいることがファッション?
悩み事があると「暗い」「うざい」「馬鹿正直」「世渡り下手」と
何だかレッテルを貼られるようで、悩んでいることを言い出せないのだそう。
悩んでいること自体、カッコ付けているとか斜に構えているとか、
何だかんだと思春期に言われたことが根っこになって、
みんな「悩まないふり」「悩んでいないふり」が上手になって、
年相応の顔をするために、経験でカバー。(できない部分は隠す)
昔の悩みは青臭い悩み、今更そんな歳でもあるまいし・・・。


でも、歳をとってみると恥ずかしく感じることが減り、
(単にど厚かましくなっただけか・・・!?)
昔のような悩み事は減って来たけれど、新たな悩み事は増える。
人間は煩悩の塊、あれこれと日常生活の澱は溜まり続ける。
その悟りきれない愚かしさが哀しいほどいとおしく、
やりきれないほど疎ましくあるわけで・・・。
悩み上手に悩み下手、どちらをどう取れば・・・。


って、同僚の一言であれこれ考えながらハンドルを握って帰宅する、
そんな私は、彼が言うところの「悩み上手」なんでしょうね。
あれこれと考えるのが好きなのか、悩んでいることを楽しんでいるのか、
暇だからそんなことができるんだよ!と叱られてしまいそう・・・。
でも、確かなことが一つ。年と共に短気になってきた分、
自分自身も悩む体力がなくなって来た。
生活者であるということは、悩むよりも先に食べる。
悩みつつも寝る。「食っちゃ寝」しなくちゃ体力が持たない。
悩みつつも生活の糧を稼がなくてはならぬ。
お金は天から降ってこない。
「杞憂」で空を見上げる時間などありはしない。


うん、悩み事は深刻でも、一定の寝食が保たれていれば大丈夫。
本当にしんどい時は、食べられないし寝られない。
その時は要注意。
そうそう、人間、調子のいいときはブルーな気分になっても、
切り替えが早くできる。年を取ると、若い頃よりこの切り替えが
上手に早くなってきた気がする。(個人差はあると思いますが)
って、ドンだけ引きずっていたんだ若い頃? ってことですね。
だから、今日はこれまで。(笑)

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