Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

『ウェルかめ』『坂の上の雲』にはまる

10歳で小学4年生の娘が敬虔なクリスチャンのように
『賑やかなクリスマスもいいけれど、今年は静かなクリスマスを過ごしたい』
とのたまう。なんと殊勝な発言。
よって、おばかな施政者が府民の給料を削り目先くらましの為に
税金を投入しているイルミネーションの雑踏の中に出かけていくよりは、
家でのんびり過ごしたいそう。・・・娘よ、それって
(思いっきり搾取されている)私の年代が言うことであって、
君が言うには早すぎるんじゃないかと思うのだが・・・。


巷では様々な催しがあったり、暖冬の外出で盛り上がっているのに、
昨日の今日であっさりと、「家にいるのが一番」と言う。
まあ、その方が安上がりでいいけれど、一日3食作るかーちゃんは大変。
君達も何か手伝っておくれよ・・・。風呂掃除するとか、床を掃くとか。
カーペットにコロコロを掛ける、洗濯物を取り込んで畳む、ぶつぶつぶつ。
家の中だと翌週の仕事の段取りを思い煩い、気もそぞろな私。


職場で見聞きする男性よりも、家人は家事を手伝ってはくれるものの、
トイレや風呂の掃除、生ごみを捨てるなど細かいことには行き届かない。
週に1度家政婦のように部屋のメンテナンスに、来ている気分。
ったくもう・・・。そんな不機嫌な朝を迎える私を懐柔するように、
朝食時、1週間取り貯めた『ウェルかめ』のビデオを流し始める家人。
(私の家の録画機は潰れている上に、撮ってもわざわざ見ることが少ない)
お陰で何度も同じ音楽を聴きながら、日曜に1週間分見ることに。


家族で共通の話題があって、楽しめるのはいいことだ。
しかし、家人の傾倒振りにはこちらがびっくりするほど。
懐かしい徳島訛り、それも徳島南部の。
かつて家人の赴任地、その思い出は尽きない。
まあ、徳島北部に仕事で出向いていた私にとっても、
出会い・結婚・子育て初期の思い出の地は懐かしさ、いや増す地ではあるが。


「故郷の訛りなつかし 人ごみの中にそを聞きに行く」ではなく、
TVの中に思い出の地を見出して偲ぶか・・・。
え? プリンターでごそごそ打ち出した。
これは、番組の中のストーリーを漫画にしたもの・・・。
確かにヒロインが恋する彼が描いた漫画をプリントアウトするとは。
え?カラープリンターで何を?

昔話ふるさとへの旅【徳島】

昔話ふるさとへの旅【徳島】



ヒロインに憧れる人気イラストレーターのイラストって・・・。
こんなもの打ち出してどーするんだよ、お父さん。
娘はキャピキャピ喜んでいるが、よそのうちには伝わらない我が家の盛り上がりよう。
クリスマスなんかお祝いしなくても構わない盛り上がり方。
そうだよね、どうせプレゼント貰うのは娘だけだし・・・。
(そういう問題で拗ねている場合ではないか)


おまけに家人は「メールが来た!」と大騒ぎ。何のメールよ?
ということで、12月10日、『ウェルかめ』番組の最後を飾る徳島写真に、
我が家の夏の旅行写真が出るそうな。何枚も送ったので、何が出るかわからない。
家人は既にワクワクしている。いや私もワクワクするけれど、
その「ノリ」に微妙な差が・・・。うーむ。
嬉しいんだけれど、周りで盛り上がられると妙に醒めるような気がするのは、
私がひねくれているからでしょうか・・・?


それとやや逆のことが昼食後起こった。
今度は先週見ることが出来なかった、『坂の上の雲』のビデオを見ながらご飯。
かーちゃんは様々なエピソードが展開するに連れ、涙でウルウル。
娘は不思議そうに私を見ている。
そう、明治時代の人でも無い私が、何でそんなに感情移入しているか。
ちょっと不思議だったのかもしれない。
でも、親の世代よりも遙かに上の人たちが死に物狂いだった時代、
かーちゃんの憧れの時代なのよ。


歴史ものは好きだが、特に幕末から明治にかけては様々な本、小説・漫画、
話題に事欠かない時代なので色々考えさせられる。
高校時代『西国立志編』とか何のことか分からなかったけれど、
仕事に就いて中年にもなれば、しみじみとこの心意気が身に染みた時期が。
要は、中味を知らないで言葉だけでは分からないことが、
年を取ればわかるようになってきた。
過去を振り返って俯瞰できるものが増えてきたせいでもあるが。

西国立志編 (講談社学術文庫)

西国立志編 (講談社学術文庫)

スマイルズの世界的名著 自助論 知的生きかた文庫

スマイルズの世界的名著 自助論 知的生きかた文庫


老父がいつも語っていた『青春』の詩。
そういうものに影響されたせいかもしれないが、熱い心、志、
理想を求め自らを律する、逆に今風に言えば「はじけた」時代の心意気、
鷹揚さ、瞬発力、機動力、負けじ魂、ああ、上手く言葉が見つからないけれど、
あの時代の持っていたエネルギー、気概に憧れる・・・。
そして、父が熱く語ったのも理解できる。


「『青春』の詩を訳した先生に習ったから忘れられん」と、
今ではその詩は実家の玄関に入れて飾られている。
ロマンチストな年寄りだと教えて貰った当時は思ったものだが、
心の支えになったことは確か。
ということで、かーちゃんは『坂の上の雲』の時代が、
西国立志編』その後。
チャンバラではない、国を巻き込む大きなうねりに、
胸をわくわくさせて・・・・、第1回のビデオを見た。


既に、今晩2回目の放送がある。
今週は12月10日。我が家の写真が出る。
TVの話題で、我が家は盛り上がる。
家人はワクワク、娘もワクワク、かーちゃんも・・・。
平和な12月第1周目。

新装版 坂の上の雲 (1) (文春文庫)

新装版 坂の上の雲 (1) (文春文庫)

青春とは、心の若さである。 (角川文庫―角川文庫ソフィア)

青春とは、心の若さである。 (角川文庫―角川文庫ソフィア)

「青春」という名の詩―幻の詩人サムエル・ウルマン

「青春」という名の詩―幻の詩人サムエル・ウルマン